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「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・6月21日から
公開される「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」です。
 
この映画は、FMKで毎月の生放送しています
スペシャルプログラム「月刊行定勲」でお馴染み、
熊本出身の行定勲監督の最新作です。
原作は、若い女性を中心に人気を集める作家、
西加奈子の小説「円卓」。
そして主演は、あの天才子役、
芦田愛菜ちゃんです。
 
行定監督をご存知ない熊本人は多分いないとは思いますが、
一応ここでオサライしておきましょう。
行定勲監督は、1998年、映画「OPEN HOUSE」で監督デビュー、
2001年の映画「GO」が日本アカデミー賞をはじめ
国内のほとんどの映画賞を独占。
2004年の「世界の中心で、愛をさけぶ」は、
興行収入85億円の大ヒットを飛ばし、
その年の実写映画ナンバーワン作品となりました。
その後は、多彩な作品を発表し、2010年の「パレード」では、
ベルリン映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。
映画だけではなく、舞台の演出も手がけるなど
才能豊かな演出家として高い評価を得ています。
つまり、ヒットメーカーとしてだけでなく、
アーティスティックなジャンルの作品でも、
高い評価を得ている日本ではとても珍しいタイプの
映画監督です。その行定監督が、久しぶりに子供の世界を
描いた作品がこの「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」なのです。
 
愛菜ちゃん演じる主人公・こっこは、
大阪の狭い団地に8人家族で暮らす小学3年生。
優しい両親に祖父母、三つ子の姉に囲まれ、
幸せな毎日を送りながらも、孤独に憧れ、普通を嫌う、
アウトローな女の子です。
彼女の日課は、気になった言葉や初めて知ることを
ジャポニカ学習帳に書き留めることで、
その対象は眼帯をしてきたクラスメイトだったり、
人とはちょっと違うルーツを持つ子だったり、さまざまです。
待ちに待った夏休み、隣に住む仲良しの男の子が
おばあちゃんの家に行ってしまい、
一人で自由研究をすることになったこっこですが、
最大のピンチが訪れます!
 
愛菜ちゃんといえば、可愛らしくて、
どんな役でもこなしてしまうので、
“優等生”のイメージがありますが、
今回は今までに見たことのない姿を見せてくれます。
もともと兵庫県西宮市の出身ということもあって、
セリフ回しは実に自然です。
関西弁をペラペラとあやつり、口癖は、「うっさいぼけ!」。
 
表情も、可愛らしい笑顔だけではなくて、
ちょっとダークな腹黒さを感じるものだったり、
むすっと人をにらみつけたり。
人に媚びることなく自分に正直なこっこの姿は、
子供たちにはカッコよく映るでしょうが、
むしろ大人になった僕たちの方が、
忘れてしまった何かを思い出すようで、
胸をぎゅっと掴まれてしまいます。
 
こっこの両親役には、八嶋智人と羽野晶紀。
祖父母には、いしだあゆみと平幹二朗、
三つ子の姉を若手女優の青山美郷が
1人3役で熱演しているのも見ものです。
この1人3役のシーンは、あまりに自然にできているので、
特殊撮影と気がつかない人が多いそうです。
行定監督にインタビューしたあるタレントさんは、
「あれは双子を三人にしてるんでしょ?」と言ったとか・・・・・。
それくらい自然になってますのでお楽しみに!
 
この映画に出てくる子供たちは、大人が思い描いている
ような無垢で弱い子供たちではありません。
元気でパワフルで、差別や偏見なんていう大人が決めた
不自由な枠組みをバーンと飛び越えてくれるような
自由な子供たちなんです。
この映画のキャッチコピーは
「小学3年生を経験したすべての大人たちへ」です。
 
子供のころの、きらきらした記憶を思い出させてくれる、
ほんわり幸せになれる1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」は、
■TOHOシネマズ はません
で、今週土曜日、6月21日から公開されます。
 
「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」 オフィシャルサイト
 
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