« 7月28日(月)の魔法のことば  |  7月29日(火)の魔法のことば >

『GODZILLA ゴジラ』

 
 
 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
『GODZILLA ゴジラ』です。
 
「ゴジラ」といえば、言わずと知れた、
日本を代表する怪獣映画ですよね。
日本のみならず、世界中にファンがいる
この「キング・オブ・モンスター」。
1954年に1作目の「ゴジラ」が日本で公開されて、
今年で生誕60周年になります。
日本では2004年の「ゴジラ FINAL WARS」まで、
これまで全28作の日本版ゴジラ・シリーズが作られています。
 
今日ご紹介する作品は、この「ゴジラ」をハリウッドで
リメイクしたものです。
「ゴジラ」がハリウッド映画になるのは、1998年以来2度目。
前回の「ゴジラ」は、ハリウッド大手の映画会社
トライスターが製作、監督は、「インデペンデンス・デー」の
ローランド・エメリッヒ監督が担当しました。
世界中で大ヒットしましたが、イグアナみたいな
デザインのゴジラが大不評。その年の最低映画を表彰する
ゴールデンラズベリー賞では「最低リメイク賞」を
受賞してしまいます。ゴジラファンには、思い出したくない
「黒歴史」として、かなり不満の残るものでした。
 
正直、今回のハリウッド・ゴジラもあまり期待できない・・・と
思っていた方も、多かったようです。
ところが、公開されるやいなや、アメリカを含む全世界で
興業成績ナンバーワンを獲得。しかも、
うるさいファンが大満足の完成度だったのです。
 
今度の「GODZILLA」は、前作ハリウッド版とは大きく違います。
今回は、第1作の「ゴジラ」をベースに
ただのモンスターではない、大自然の脅威の象徴である
リアリティのある“怪獣ゴジラ”として描かれているんです!
 
監督は、イギリス出身のギャレス・エドワーズ。
2010年に「モンスターズ 地球外生命体」で
監督デビューした新鋭ですが、
“モンスターが少ししか出てこないモンスター映画”という
斬新さと低予算とは思えないVFX技術の高さが認められ、
大抜擢されました。今回もゴジラが街を破壊するシーンなど、
CGを多用した大迫力の映像を見せてくれます。
 
低予算映画しか作っていないいわば無名の監督に
総製作費160億円という超大作を任せたのが、
今回の製作を担当したレジェンダリー・ピクチャーズ会長兼
CEOのトーマス・タル。
彼は、元金融マンで自分好みの映画を作るために、
金融業界から映画業界に転身したという人物です。
ここ数年だけでも、「ダークナイト」「300(スリー・ハンドレッド)」
「マン・オブ・スティール」「パシフィック・リム」といった
うるさいファンも多いジャンルの映画をあえて手がけ、
クオリティの高い作品を作り続けているプロデューサーです。
 
トーマス・タルは、映画製作にあたって、
「ゴジラは世界でも有数のポップカルチャー・アイコンであり、
我々もその一ファンとして、ファンが見たいと思う映画を作りたい」と
発言しています。単なる金儲けとして映画を
やっているのではない「映画への愛」に溢れた男
それがいま一番いけているプロデューサー
トーマス・タルなのです。
 
今回のスタッフは、日本のゴジラをかなり研究したそうで、
どうしてもCGだけだと無機質な動きになってしまうということを発見。
日本版ゴジラの着ぐるみの動物っぽさと人間っぽさの
中間にある微妙な表現をCGのゴジラに反映させるために、
ある人物を呼び寄せます。
その人の名は、アンディ・サーキス。
この「キネマのススメ」を毎週聴いている人なら
お馴染みのあの人です。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムの動きを担当。
さらに「猿の惑星・創世記(ジェネシス)」では、
チンパンジーのシーザーのモーション・キャプチャーを
担当した、この業界の第一信者です。
言わば、CGに命を吹き込む動きを与える名人芸を持つ男です。
名人・アンディ・サーキスを起用したモーション・キャプチャーを
採用することで、オールCGなのにどこか人間っぽい、
着ぐるみ感覚は残しているのに、巨大さや迫力は
ものすごいというハリウッド版・新ゴジラが誕生しました!
 
渡辺謙をはじめとする人間サイドの役者さんも豪華です。
フランスを代表する女優・ジュリエット・ビノシュや
アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた
デビッド・ストラザーンなど、通常の大作映画より演技派の俳優を
集めているのも注目です。渡辺謙の「ゴジラ」の発音が
英語的な「ガッジーラ」でなくちゃんと日本語発音の
「ゴジラ」と言っているのも、オリジナルへのリスペクトでしょう。
 
すでに全世界で200億円の興行収入を挙げる大ヒットで、
続編の製作も決定した「GODZILLA」!
続編へのヒントも画面の細部に
すでに映っているらしいですよ。
なんでも次回作には、モスラ、ラドン、
キングギドラが登場する予定だとか・・・・・。
とにかく、この1作で全世界に怪獣ブームが
起きているのは間違いないようです。
 
今日ご紹介した映画『GODZILLA ゴジラ』は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
『GODZILLA ゴジラ』オフィシャルサイト
 
-----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓