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「マレフィセント」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・7月5日から公開される
「マレフィセント」です。
 
主役は、通称「アンジー」ことアンジェリーナ・ジョリー。
演技力、スター性、俳優としてだけでなく、
数々のチャリティ活動などで知られる
いま最も輝いている女優の最新作です。
 
今回は、アンジーのために用意されたといっても過言ではない
ディズニーの超大作「マレフィセント」の主演です。
 
「マレフィセント」というのは、ディズニーアニメの名作
「眠れる森の美女」で、ヒロインのオーロラ姫に“永遠の眠り”の
呪いをかけた、邪悪な妖精のこと。
1959年に発表された「眠れる森の美女」ですが、
時代を越えて、定番の悪役として
お馴染みのキャラクターとなっています。
今回、アンジェリーナ・ジョリーが、このマレフィセントを
演じているわけですが、なんで悪役が主役のディズニー映画が
作られたんでしょう?
 
ディズニー作品には、さまざまな悪役が登場しますが、
その悪役たちを総称して“ヴィランズ”と呼んでいて、
グッズが作られたりパレードに登場するなど、
かなりの人気を誇っています。日本でも、「機動戦士ガンダム」の
シャアとか、「宇宙戦艦ヤマト」のデスラーとか、
「スターウォーズ」のダース・ベイダーとかが、
主役のヒーローを上回るほどの人気ですが、
あれと似たような感じでしょうか・・・・・
そんなヴィランズの中で絶大な人気を誇っているのが、
この映画の主人公・マレフィセントなんです。
 
さてオリジナルの「眠れる森の美女」は、
マレフィセントに永遠の眠りの呪いをかけられたオーロラ姫が、
王子様の真実の愛のキスによって目覚め、
2人は結婚して幸せに暮らしました・・・・・
めでたし、めでたし・・・・・というのがお馴染みのお話ですね。
今回の映画「マレフィセント」では、この物語に隠された
「なぜマレフィセントはオーロラに呪いをかけたのか?」
「マレフィセントとは本当は何者なのか?」
「オーロラ姫の呪いは解けるのか?」といった
数々の謎にスポットを当て、誰も知らない“本当の愛の物語”を
ドラマティックに描き出しています。
 
物語を語る立場が変わると、まったく違うストーリーが
浮き上がってくるのが、実に面白いです。
映画を観終わるころには、あの怖いマレフィセントの
表情の裏に隠された真実を知り、
彼女に対するイメージがまったく違ってくることでしょう。
 
見どころは、なんといっても圧倒的な存在感を誇る
アンジェリーナ・ジョリー!
彼女自身のバックグラウンドと、マレフィセントの人生が重なり、
説得力のあるキャラクターとなっています。
オーロラ姫を演じるのは、「スーパーエイト」のエル・ファニング。
また、アンジェリーナ・ジョリーの愛娘
ヴィヴィアン・ジョリー=ピットが、オーロラ姫の幼いころを
演じていることでも話題です。
 
今年を代表する映画となりディズニーアニメの
まったく新しい方向性を示した「アナと雪の女王」では、
王子様を待っているだけでない、
自分から困難に立ち向かってゆく新しい
プリンセス像を見事に描いていましたが、この「マレフィセント」も
その延長線上にある作品といっていいと思います。
これまでは、単なる悪役として描かれてきた「マレフィセント」の
真実の姿を描くことで、新しい時代のヒロインを描くことに
成功しています。今後は、いろんなディズニークラッシックを、
現代の視点で語り直すというような試みが続くかもしれませんね。
 
日本の民話「桃太郎」なんかいいかもしれませんね。
これまでの「桃太郎」は、桃太郎サイドから語られた物語。
逆の鬼サイドから見たら、鬼退治に来た桃太郎は、
鬼が島に殴り込みに来た乱暴者、
ものすごい悪い奴に見えたかもしれません。
鬼の中には優しい鬼もいたと思うんですよ・・・・・。
そんな想像を膨らませるとても
新鮮なストーリーがこの「マレフィセント」です。
 
ディズニーの名作に秘められたまったく新たなストーリー。
オリジナルの「眠れる森の美女」本編と見比べると、
より楽しめると思いますよ!
 
今日ご紹介した映画「マレフィセント」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・7月5日から公開されます。
 
「マレフィセント」オフィシャルサイト
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