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株式会社一九堂印刷所

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日はLPやCDなどの紙ジャケットの製造などを手掛ける
「株式会社一九堂印刷所」のヒミツに迫ります。
 
株式会社一九堂印刷所は、
・1910年創業、東京の印刷・加工会社です。
・1965年にアメリカから当時最先端のLPジャケット加工機を
導入し、日本で初めて本格的に厚紙のLPジャケットの製造開始。
その後、主要な音楽・映画会社をクライアントとし、
LP、LD、CD、DVD、Blue-ray等媒体を変えながら、
各種エンタメ系パッケージを製造。
・最近では、エンタメ系パッケージで培った厚紙の
印刷加工技術を生かし、店舗POP、化粧品・食品パッケージ、
広告用のプレスキット等を手掛けている会社です。
 
今日お話を伺ったのは、株式会社一九堂印刷所
開発室(室長) 真山健さんです。
 
Q 「一九堂印刷所」という社名の由来を教えて下さい。
 
「一から九まで何でもやります。」
「創業が1910年(イチクドウ)」の2つの説あり。
(実際のところは不明。)
 
Q 「一九堂印刷所」は、
どんなイメージの会社を目指しているのですか?
 
・最新のデジタル技術と長年積み重ねてきた
匠の技術を融合し、それに弊社独自アイディアをプラスして、
お客様のアイディアを形にしていきたい。
(特に「凝ったもの」を作るのは得意。)
 
・また、地球環境に優しい紙にこだわった
パッケージをお客様に提案、提供していきたい。
 
Q 「一九堂印刷所」は、世界で初めて紙ジャケットを
誕生させた会社だそうですが、それはいつごろ、
どんなきっかけで生まれたのか詳しく教えてください。
 
・1987年試作品としてサンプル版製造。
(時代が早すぎ(?)、製品化には至らず。)
・1993年12月お取引先のビクターより
「LPジャケットと同じ形式でCD用のジャケットを
作ることはできないか」との相談があり、検討を開始。
当時の30cmLP用の機械では機械の構造上小さいものを
作るのには不具合あり。試行錯誤の結果、少し大きいものを作り、
余分を切り落とす手法で量産・製品化に目途。
(その製造方法からコストはやや高め。)
・1994年の「ザ・ベスト・オブ・モダン・ジャズ」が
CD紙ジャケット製品第一号。
・当初は業界でジャズ向きのパッケージとして捉えられたが、
その後「邦楽メジャー」「洋楽」に展開していった。
 
20140731紙ジャケット.jpg
 
Q 「一九堂印刷所」で印刷された紙ジャケットは、
累計何枚ぐらいですか?
その中でもっとも印刷数の多かった商品は何ですか?
 
・1994年~2013年までの20年間で累計4,100万枚を生産。
ピークは1999年の年間700万枚。
・最大のヒットは1999年5月発売、坂本龍一『ウラBTTB』…
累計180万枚を記録。
三共のリゲインEB錠のCM曲に使われた『energyflow』を収録。
大ヒットした。
・当時は昼夜2交代で営業も含め、社員全員で製造に加わった。
 
Q 上記、人気商品の開発のポイントや
エピソードなどあれば教えてください。
 
・「大きく作って、切り落とす」という発想で早々に
製品化に目途。94年には早速機械を改造し、
現サイズ(135㎜角)での大量製造を可能にした。
⇒有望なアイディアは実際にやってみることが大事
またその際にはスピード感が重要。
・CD紙ジャケットの135㎜角というのは当社が決めた寸法。
(内寸125mm。ディスク120㎜に対して遊びが5㎜必要だった。)
その後、海外でも作られるようになったが
基本CD紙ジャケットは一九堂寸法になっている。
 
Q 「一九堂印刷所」は、さまざまなパッケージの
印刷を行っているようですが、これまでの中で特徴ある
商品などあれば、詳しく教えてください。
 
・特殊CD紙ジャケットでいえば、22面体ジャケットの
サンタナ「ロータスの伝説」のCDジャケット(2006年)。
アナログLP盤が「最も多い面数のLPジャケット(22面)」として
ギネス世界記録認定されたのを機に復刻版CDを発売。
当社が製造した。⇒とにかく製造が大変だった仕様。
 
Q 「一九堂印刷所」の歴史の中で
もっとも印象的な出来事は何ですか?
 
・CD紙ジャケットの輸出。(当社として初めての海外輸出事例。)
1997年から独・米・仏・英へ。私自身も海外出張の際に、
実際に店舗で並んでいるのを見て感銘を受けた。
海外では「Import」ものとしてラベルが貼られ、
価格も高目に設定されていた。
 
Q そのほか「一九堂印刷所」の製品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
 
・従来のプラスチックトレーに代わり、
環境に優しい「REPAK」という紙製のトレーをお客様に提案。
・「サイズが変えられる」「印刷できる」というデザインの
自由度が高い点と、「紙製=環境に優しい」という
環境面が評価され、坂本龍一、SMAP等の大物アーティストの
CD/DVDパッケージで実績あり。
スウェーデンから100年近い樹齢のチップを材料とした
しなやかな紙を弊社で直輸入して、製造に当たっている。
 
20140731REPAK.jpg
 
Q そのほか、オススメのサービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
 
・弊社の100周年を記念して作った社史がユニーク。
「一九堂」で検索し、見ていただきたい。
URL:http://ichikudo.com/portfolio/20120926/138
⇒100年の歴史をわずか6頁の飛び出すポップアップ絵本
「カルーセルブック」で表現。
20140731一九堂カルーセルブック②.jpg
20140731一九堂カルーセルブック①.jpg
2010年第45回造本装丁コンクール審査員奨励賞受賞。
審査員から「社史という本の「読んでもらえない」を
あきらめたところが潔い。」とのお褒めのコメントあり。
 
 
 
今日お話を伺ったのは、
株式会社一九堂印刷所 開発室(室長) 真山健さんでした。
ありがとうございました。
 
株式会社一九堂印刷所オフィシャルサイト
 
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