NPO法人HITOプロジェクト
あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
Q① ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
名前:前原栄輔
(ふりがな)まえはらえいすけ
所属:NPO法人HITOプロジェクト事務局
プロフィール:以前は営業職に就いていたが、
2009年秋にHITOプロジェクト事務局を通じて
東京のNPO法人の活動を知り、社会活動に興味を持つ。
2010年よりHITOプロジェクトのセミナー企画、
ロボット教室に従事し、よりNPOの活動に関わる。
学生時に情報系学科でプログラミング等を学んだことを
活かし、2011年1月より同法人のロボット教室で
子どもたちの指導に当たりながら、
事務局としてロボット教室や競技会、セミナー企画、
異業種交流会等の企画・運営に携わり現在に至る。
ホームページ、ブログなど:
Q② 「NPO法人HITOプロジェクト」についての
基本情報を教えて下さい。
正式名称:NPO法人HITOプロジェクト
所在地:熊本県熊本市中央区白山1丁目3-2
TEL:096-364-6828
設立年月日:
平成19年3月16日熊本県知事認証、3月27日設立
活動目的:小学生、中学生、青少年、高齢者を対象に、
各種教育プログラム、体験学習、自己実現プログラムを通して、
「知、徳、体」のバランスの取れた人材育成、
将来情報社会で活躍できる人材の拡大を目的とします。
Q③ 「NPO法人HITOプロジェクト」がつくられた
「きっかけ」をお願いします。
設立のころは青少年の科学離れが進み、高等学校では
「物理」の選択者が少なくなり、さらに工業系大学入学者も
減少傾向にあります。国際的な学力テストにおいても
物理や数学の学力が低下するなどの憂うべき実態が
見られるような時代背景でありました。
青少年の生活環境も大きく変化し、「モノづくり」を
体験する機会は非常に少なくなり、工夫する力や
創造力が著しく低下してきているとも言われています。
そこで、自己実現プログラムを通して、青少年に
論理的に物事を考える力と問題解決能力を涵養し、
将来さまざまな分野で活躍できる人材育成を行う目的で
設立いたしました。
青少年を対象にロボット教室など「モノづくり」体験を
行うのは、大学や専門学校といった高等教育機関に
進むよりもっと前の段階で、小中学生が体験する場を提供し、
工学分野への興味関心を引かせるとともに達成感を得て
楽しく学べることを目的に実施しています。
Q④ HITOプロジェクトという団体名の由来はなんですか?
論理的に物事を考える力と問題解決能力を涵養し、
将来の情報社会で活躍できる人材を育成するという理念を
「Hearty(心)&Intelligence(知性)&
Technology(技術)Organization」の頭文字からとって表しました。
まずHeart(心)が頭にきているのがみそです。
Q⑤ 「NPO法人HITOプロジェクト」の活動を
具体的に説明お願いします。
メインで行っている活動に以下のものがあります。
◆ロボット・プログラミング体験教室
小学生高学年~中学生を対象にしたロボット制御を
体験するプログラミング教室。教材は高等教育機関でも
採用されており、子どもたちにもなじみがある
「レゴ」の「マインドストーム」を使用。
モーターやセンサーを搭載し、マイコンが内蔵された
ブロックに、ビジュアルで理解しやすい専用ソフトを
使用してプログラミングを行い、転送して自律的に
自ら組立てたロボットを自ら動かす「ものづくり」体験を
通して工学分野への興味関心を引くとともに、
創造性、論理的思考、問題解決能力の育成を図る。
◆ロボット競技会「WROJapan熊本大会」
世界44カ国の小中高校生が参加する自律型ロボットによる
制御技術を競う国際ロボットコンテストの
日本国内熊本地区予選会を熊本大学、
東海大学との共催で実施。様々な障害物やミッションが
用意された競技コースを走行し、得点やタイムを競う。
成績優秀チームは9月に行われる決勝大会に
熊本地区選抜チームとして参加し、全国の参加者と競い、
国際大会の出場を目指す。
大会参加者の育成も行っている。
◆くまもとシゴト人市
社会で活躍する大人たち(シゴト人)と、
「熊本を盛り上げたい」、「何かに挑戦したい」若者たちが
本音で語る座談会。これまで3回実施し、
スポーツ選手、起業家、デザイナー、国家公務員、
クリエイターなどの方々にご登壇いただいた。
Q⑥ 活動をしていく上で
苦労している点などあればお願いします。
苦労している点などあればお願いします。
現在主に行っているロボット教室および競技会だが、
指導やサポートできるスタッフが限られていること、
ロボット教材が安価でないためあまり購入できないことなどで
開催できる規模や回数が限られており、
定期的な開催や年間通して学べる場を提供することが
困難であることです。
また、実施の際も会場の校区外の子どもは保護者の
協力なしでは参加が難しいこともあるため、
学ぶ意欲があっても参加できない子どももおり、
今後どうやって多くの子どもたちに求められる場を
提供できるかも課題の1つです。
Q⑦ これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
体験教室でアンケートをとると、参加した理由に
「ロボットに興味があるから」、「レゴが好きだから」、
「なんとなく楽しそうだから」という回答も目立つが、
もっと学びたいと意欲的になった子どもが本気に
なって取り組んでくれたことで、印象深いものがあります。
ロボット競技会に参加する子どもが、冬休みや
夏休みをかけて研究、練習し、大会に臨んだが、
練習でうまくいってもどうしても本番で失敗することがあり、
成果を発揮できなかったことで落胆したり
「もっとこうしていれば良かった」と悔しさから
涙を流しました。
そこに子どもたちの取り組んできた姿勢や本気、
熱意がこちらにも伝わります。自分の考えている
理想まで研究・練習して持っていくことの難しさ、
他者と競うことによりかかるプレッシャー、
外部環境や様々な要因によって結果が変わるという
自分の思い通りにいかないことなどを感じて
くれたことと思います。
また、逆に成功したチーム、勝ち抜いたチームは
喜びを表情とジェスチャーで表現し、
そこで得た自信も見せてくれます。
体験教室では「楽しかった」と笑顔になる子どもが多いが、
勝ち負けがはっきりする競技会では
その姿が対照的であることが印象的でした。
Q⑧ 今後の夢、目標などあればお願いします。
今後の目標として以下のものがあります。
ロボット体験教室を開催すると毎回必ず
「これまで知らなかった」という方がいらっしゃるので、
より多くの子どもたちに機会を提供できるよう規模を
拡大することと、裾野を広げることで頂点を押し上げ、
競技会などでの上位入賞など熊本から全国で
活躍できる人材を輩出することです。
また、IT分野や情報教育といっても多岐にわたり、
個人によって興味や特性も様々なので、もっと広く、
そして深く、継続して学べる環境をつくることも
重要だと考えています。
当法人の理事長は、専門学校2校
(熊本電子ビジネス専門学校、熊本デザイン専門学校)の
理事長であり、また7月にはデジタルハリウッドスタジオ熊本
というWEBデザイナー養成のオンラインスクールも開講しました。
これらの団体がそれぞれ様々な世代や職域に対しての
人材育成を通じて、熊本県の発展、熊本に生まれ育った人たちが、
活き活きと働ける環境作りのお手伝いを
していきたいと考えております。
Q⑨ 熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
8月24日(日)13:00から熊本の小中学生が全国を
目指して自動制御技術を競う自律型ロボット競技会
「WROJapan2014熊本大会」を実施します。
大会に出場するチームは現在指導中ですが、
見学は自由なので、小中学生が作ったロボットと
それを動かすプログラミングをご覧いただければ幸いです。
秋以降もロボット・プログラミング体験教室を実施予定なので、
HITOプロジェクトホームページやフェイスブックページを
今後チェックしてください。
また、教材数やスタッフ数に制限がありますが、
この地域で開催してほしいという要望があればご相談ください。
今日はNPO法人HITOプロジェクト事務局の
前原栄輔さんにお話を伺いました。
前原さん、ありがとうございました。