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一般財団法人 熊本県健康管理協会

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今日は、一般財団法人 熊本県健康管理協会
理事長の小山和作さんがゲストでした。

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1.ご出演の方のお名前と職業、所属を教えてください。
 
名前:小山和作
(ふりがな)こやまわさく 
所属:(一財)熊本県健康管理協会 理事長 
 
プロフィール:昭和35年、熊本大学医学部卒業、
同大学第2内科講師を経て、昭和48年
財団法人熊本県健康管理協会専務理事に、
5年後、昭和53年日本赤十字社熊本健康管理センターを創設、
所長として25年務め、平成15年、同職を退職し各挙所長に。 
 
専門分野:予防医学、健康管理、老人保健、産業保健等 
著書:健康の老年学、いのちの予防医学,予防がいちばん等。
 
2.「熊本県健康管理協会」についての基本情報を教えてください。
 
一般財団法人、熊本県健康管理協会 
〒861-8528 
熊本市東区長嶺南2-1-1日本赤十字社熊本健康管理センター内 
 
電話相談専用 096-382-9045(月曜~金曜 祝日・年末年始を除く 19:00~20:30)
※お昼は健康相談はしていません
 
ホームページ
 
3.「熊本県健康管理協会」がつくられた
「きっかけ」をお願いします。 
 
昭和30年代、未だ戦後からの脱却が出来ない我国の
実情の中で、生活苦と医療体制の不備で失われていく
"いのち"が数多く、特に農林県である熊本県では、
農村の実態からみて、当時、無秩序に使用しだした農薬中毒事件、
次第に大型化した農機具による大規模事故、
農夫症を始め農村婦人の貧血、ハウス栽培農家の
いわゆるハウス病、農村には病気が多く、
農村病、農家病といわれた。
 
にもかかわらず農家所得は低く、次第に離農離村が始まった。
しかも無医地区は増加し、病気をしても医者に診てもらえない...
という中で都市部でも患者のタライ廻し、
無資格者の医療介入など医療に対する不信は続いた。
その時、熊本に「新しい医療を創る会」が誕生。
(初代会長 六反田藤吉 熊大教授)
その主張は
1.健康からの医療 2.チーム医療 3.医療への住民参加であった。 
その1.健康からの医療の実現の為昭和47年誕生したのが
本協会であった。
初代会長・河津寅雄(小国町長、全国町村会会長、
TKU社長、日赤熊本県支部長)であった。 
その5年後に日赤熊本健康管理センターが設立される。 
 
4.「熊本県健康管理協会」には
どのような方々が参加していますか? 
 
設立当時、会長河津寅雄(前述)副会長、
農協共済連会長、地婦連会長、熊日社長、
熊大公衆衛生学教授 野村 茂(熊本農村医学研究会長) 
常務理事として河津龍介(市民病院長)、
長尾和治(同副院長、後に院長)、竹熊宣孝(菊池養生園長)
松金秀暢(熊本赤十字病院院長)、小山和作が専務理事。 
 
他の理事には県知事、熊本市長、農協4連会長、
RKK、TKU、KKT、KAB、各社社長、
商工会議所会頭、商工会連合会会長、肥後銀行頭取、
監査には当時の肥後相互銀行と熊本相互銀行の社長が、
平成26年4月から一般財団法人へと脱皮し、
県当局の指導もとで役員は簡素化し、
上記の方々とはほとんど顧問か参与について頂き、
動きやすい役員構成になった。 
 
小山が理事長で、副理事長、
前・九州看護福祉大学学長二塚信、
同日赤熊本健康管理センターセンター所長、
緒方康博、理事、元熊大教授等泰三、
前・日赤健康管理センター副所長三原修一、
TKU取締役、肥後銀行頭取、監査役が熊本銀行。 
(敬称略します) 
 
5.「熊本県健康管理協会」の活動を具体的に説明お願いします。 
 
昭和47年設立以来、5年間は県下に広く、
予防医学の普及と集団検診を実施していたが、
昭和53年日赤熊本健康管理センターが設立され、
検(健)診事業は日赤に移行し、
専らその他の啓発活動に専念することになった。 
 
1.電話相談の実施 
 
2.学校検診の実施(わずかな高校等の心電図検査) 
 
3.予防医学事業中央会(東京)の熊本支部としての活動 
①全国予防医学推進大会、②同運営会議、
③同九州大会、④同技術研究会議、⑤同医師協議会 
 
4.予防医学、健康増進に関する啓発活動 
①講演活動、②健康ビデオ、手帳、食品の斡旋、販売 
 
5.調査研究の実施 
①予防医学将来方向検討に関する研究、
②熊本県における健康管理事業に関する研究
その他 がん対策、高齢者の健康対策問題など 
 
6.(一財)熊本県健康管理協会‐河津寅雄賞の選考及び表彰 
 
6.「熊本県健康管理協会」では健康電話相談も
行っているそうですが、詳しく教えてください。 
 
協会設立のほぼ1年前、前身の「新しい医療を創る会」で
電話による健康相談を開始。 
協会設立と同時にこの事業を協会と移譲した。従って42年続いている。 
相談時間は19:00(午後7時)~20:30(午後8時30分) 
月曜日から金曜日まで 
内容:原則として病気の相談ではない。
「何曜日が何かの相談担当」というものではなく、
本人もしくは家族、知人の健康不安に対する質問を受付する。
いわば健康生活へのアドバイス。その人に合った
健康への考え方について一緒に考えるという姿勢で、
必要によっては医療機関の受診をすすめることがあるが
特定の医療機関は勧めない。 
担当者:医師、保健師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー等 
曜日に担当者を固定しない。 
 
7.活動をしていく上で苦労している点などあればお願いします。 
 
1.財政上の問題 
活動の殆どが直接的協会の収入になる活動ではなく、
電話相談も一時は中止の案も浮上したが、
担当してくれる人達がボランティアでしますという
決意にほだされ続いている。 
手当ては出していない。 
 
2.日赤健康管理センターに寄生している形である。 
財政上の問題であるが事務員の採用も侭にならない 
 
3.広報活動に力を入れたいが 
これも財政との兼ね合いだが予防医学を更に普及したい。 
 
4.電話相談では 
折角担当者が待機しているのだから、もっと相談が欲しい。 
マスコミからの広報は力があると考える。 
 
8.これまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。 
 
1.協会運営に関しては、さほど大きな問題はなかったが 
5年経ったとき、日赤に健康管理センターを創り、
業務を委譲する時に当時の会長河津寅雄氏の包容力と
決断があったが故に成就したと考える。 
 
2.電話相談に関しての印象深いエピソード 
基本は相談を受ける当方としては専ら傾聴に努めるので、
高齢者など1人で1時間近くお喋りされる方もおり、
話し相手が欲しいのだと考え聴いてあげた。
一方は話をし終わったら「ありがとうございました」と電話を切られた。
こちらは何も言っていないのにと苦笑いしていた。 
又、忙しい中に担当を受けてくれた医師は、
質問者の話を聞いているうちに自分の病院の
患者(家族)だと分かったが、
患者は「受持ちの主治医が忙しくて私の話を聞いてくれない」と
いうので大いに反省したという一面もあった。 
 
9.今後の夢、目標などあればお願いします。 
 
日本人(熊本県民も)の最大の死因はがんである。
3人に1人はがんで亡くなり、2人に1人は罹患している。
もっと1人1人が意識を高め、予防できるものは予防し、
もしがんに罹ったら早期に発見し、
がんで死なないようになりたい。 
更に高齢期に要介護により生活の質を落として
時を潰す方が多くなっている。 
その原因はいわゆる生活習慣病
(高血圧、糖尿病、脂質異常症...)。
いつか人生に終わりがあっても健康で長生きできるように
健康寿命を伸ばせる、そのお手伝いをしたい。 
お年寄りが「年をとって良かった」といえる社会にしたい。 
熊本県民が日本一の「がん検診」受診率で「がん」で
死なない県にしたい。 
結果は熊本県が日本一の健康寿命の長い県、
医療費の安い県にしたいものです。 
電話相談もその一環で続いている。 
 
10.熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。 
 
健康は基本は自己管理(self-care)である。
検診を受けるのも医療機関で医療を受けるのも、
誰かが健康にしてくれるだろうということではなく、
自らが考え自らが主体的に行動して、始めて健康は得られるもの。 
健康づくりは生きがいづくりであり、生活づくりである。 
健康づくりで心がけていることは「馬は川に連れて
行くことは出来ても水を飲むのは馬である」
あくまで健康づくりの主人公は県民であり、
我々はサポーターである。 
予防医学の精神とノウハウを県民に広くPRし、
全ての県民が、産、官、学、民、一致して健康な県としたいもの。
その啓発活動をこれから関連団体と共催し、
進めていきたいと考えている。 
県民の、県民による健康を県民と共に考え行動していきたい。 
 
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