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「株式会社長崎書店」

企業にまつわる気になる疑問を解決する会社のヒミツ。
今日は「株式会社長崎書店」のヒミツに迫ります。
 
「株式会社長崎書店」は、明治22年に長崎次郎書店の
支店として、熊本市中央区上通町に開業。
戦後、独立した会社組織になりました。
平成18年にギャラリースペースを店内に併設し、
リニューアルオープン。
平成21年にはビルの3階に「リトルスターホール」をオープン。
平成26年7月31日、長崎次郎書店の屋号を引き継いで
再び開店し、現在は上通の長崎書店・新町の
長崎次郎書店の2店舗体制となっています。
 
今日お話を伺ったのは、
「株式会社長崎書店」代表取締役社長の長﨑健一さんです。
 
Q「長崎書店」「長崎次郎書店」という屋号の由来を教えて下さい。
 
書店の創業者が長﨑次郎氏で、その名前がそのまま
店名となりました。次郎の甥っ子であり、のちに養子縁組した
長﨑茂平(もへい)に上通に開業した支店をまかせました。
「長崎書店支店」と称したようですが、市民の方にはどちらも
「長崎次郎」の呼称で親しまれてきました。
江戸時代までさかのぼると、先祖は細川家の御用指物師として
家具製作を生業としていたそうで、その後道具屋として骨董なども
扱っていたということです。創業者の長﨑次郎には、
明治初年の学制公布により、
「これからは教育の時代、本・教科書が必要とされる」という
先見があったようです。
 
Qこの度、「長崎次郎書店」が
リニューアル・オープンしましたが、
その経緯などを教えてください。
 
熊本最古級の書店である長崎次郎書店は、
ここ十数年は政府刊行物・官報などの専門書のみを扱う
専門書店として営業を続けてまいりましたが、
前店主の体調不良等の事情で、2013年4月に休業を
余儀なくされました。その後、前店主のご兄弟から相談を受け、
「長崎次郎の愛称で親しまれる書店の暖簾を守り継いでいこう」と
意見の一致を見ました。
結果、長崎次郎書店の親戚筋にあたる弊社
(株式会社長崎書店)がその屋号を引き継ぎ、
国の登録有形文化財として価値ある外観は保存しつつ、
店舗の内装・設備・什器・品揃えを一新する形で、
2014年7月、創業140周年となる節目の年に再開店を迎えました。
 
Q「長崎次郎書店」はどんな書店を目指していますか?
 
熊本市民の方、とりわけ新町とその周辺にお住まいの方、
通われる方にとって役に立つ「町の本屋さん」でありたいと
考えています。書店入口には週刊誌や学年誌、
店内には文庫や雑誌、コミックといった、一般的な
「町の本屋さん」として、なじみやすく、入りやすい商品構成を
心がけました。その一方で、育児書・絵本・木のおもちゃに
力を入れたり、より豊かな生活のためのヒントになるような
写真集やライフスタイルの本のコーナー、
そして「熊本の老舗」として、郷土書や文芸書・人文書・
芸術書といった、地域性と文化性が高い書物のコーナーも
ご用意しています。親しみやすく、居心地がよく、質の高い、
そんな「町の本屋さん」として、今後も長く、
この新町で書店を営んでいけたらと思います。
私自身、新町という歴史があって情緒が漂う街が
大好きなので、「長崎次郎書店があることが、
新町に住む決定打になった」「長崎次郎書店の近くで
お店を出したいと思った」そんなふうに、ささやかながらも
町に対してよい影響を与えていけたら最高です。
 
Q今回リニューアルオープンした「長崎次郎書店」の
特長などあれば、詳しく教えてください。
 
前段の商品構成についてはすでに述べたとおりですが、
やはり国の登録有形文化財・熊本市の景観形成物に
指定されている建築物の価値は非常に高いと思います。
設計した保岡勝也(やすおかかつや)は明治大正期に
活躍したスター建築家の一人で、丸の内煉瓦街の
プロジェクトを主導した人物として建築史に名を残す人物であり、
著書も多数残しています。現在の建物の創建は大正13年で、
築90年を迎えます。長崎次郎書店2代目の庄平(しょうへい)が
東京出張の際に保岡氏の建築に惚れ込み、
設計依頼を決意したそうです。
また、明治期の文豪の来店エピソードも、
長崎次郎書店ならではかと思います。とくに森鷗外に関しては、
その著書「小倉日記」に
<書肆の主人長﨑次郎を訪う(とぶらう)>との記述があり、
それら文豪とのエピソードの数々は、文学ファンの豊かな
想像を掻き立ててくれるでしょう。
 
店内には今回2坪弱の小さなギャラリースペースを設けました。
本の販売だけではなく、熊本内外の作家さんの展覧会や、
弊店独自イベントを企画して、小さいながらも熊本の
文化受発信の一拠点となれたらと考えています。
地元とのかかわりとしては、地元新町にある
「新町獅子保存会」さんのご協力を得て、
毎年藤崎宮例大祭での神幸行列や獅子舞奉納の
写真を店内に飾らせてもらっていて、新町の書店らしい
雰囲気を醸し出しているように感じます。
 
Qそのほか「長崎書店」「長崎次郎書店」に関する
エピソードなどあればお願いします。
 
今回の再開店プロジェクトが決定する前の話ですが、
外壁の補修工事をオーナーさんが実施されました。
当時、長崎次郎書店と長崎書店は親戚筋のみの
関係だったのですが、工事をご覧になった年配の方が
建物の取り壊しと思われたらしく、上通の長崎書店の方に
「貴重な建物を取り壊すとは、どういうことですか」と
ご来店なさいました。
長崎次郎書店と長崎書店の関係には紆余曲折ありますが、
昔からのお客様にとっては、どちらも「長崎次郎」として、
今も変わらぬ印象なのだと感慨を覚えました。
 
Qそのほか、オススメのサービス、キャンペーンなど
PRしたい案件があればお願いします。
 
常におススメの新刊や旬なフェアを開催しております。
食欲の秋らしく、「おいしい読書」というフェアも開催中です。
また、10月26日には建物の二階に「長﨑次郎喫茶室」が
オープン予定です。
お買い上げになった本をお茶とともにじっくりお楽しみ
いただくもよし、市電を眺めながらゆっくりと
時間をお過ごしいただくもよしの素敵な喫茶室になるかと
思いますので、ぜひお越しください。
また、その際は駐車場のご用意がございませんので、
お近くのコインパーキングをご利用いただくか、
市電・バスなどの公共交通機関をご利用いただければと思います。
 
「株式会社長崎書店」オフィシャルサイト
http://nagasakishoten.otemo-yan.net/
 
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