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「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」

 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」です。
 
ここ数年、ヨーロッパを舞台にした著名人の生涯を描いた
映画が何本も作られヒットしています。
エリザベス女王のプライベートを描いた「クィーン」。
同じくイギリス王室を描いた「ダイアナ」。
イギリス初の女性首相を描いた
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」。
アカデミー賞作品賞にかがやいた「英国王のスピーチ」もありました。
この秋には、伝説のデザイナーの生涯を描く映画
「イヴ・サンローラン」も公開されます。
著名人の隠されたエピソードは誰もが知りたいところ。
さらにこれらの映画は、ヨーロッパの歴史ある風景なども
バックグラウンドとして描かれるので、
どれも観客の満足度が高い映画になっています。
そこで、今回登場するのが、その決定版とも言える映画です。
 
今回描かれるのは、伝説の女優・グレース・ケリー。
よく美しくて近寄りがたい女優さんのことを
“クール・ビューティー”と言いますが、
その元祖は、グレース・ケリーだと言われています。
“クール・ビューティー”と称賛され、「喝采」で
アカデミー賞主演女優賞を受賞し、
まさにハリウッド女優として人気絶頂の中
モナコ大公のレーニエ3世と結婚し、
本物のプリンセスとなったグレース・ケリー。
おとぎ話のような彼女のエピソードは、
今も多くの女性たちの憧れです。
 
今日ご紹介する映画
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、
グレース・ケリーがレーニエ大公と結婚した後の話。
いわば、おとぎ話の“めでたし、めでたし”の続きが
どうなったのか?というかなり興味深いお話です。
 
物語の舞台となるのは、
世界中の注目を集めた“世紀の結婚”から6年後。
跡継ぎに恵まれたものの、自分の意見をはっきり言う
グレースは、宮殿のしきたりになじめず、
周囲から浮いた存在になっていました。
そんな彼女に、ヒッチコック監督はハリウッドへの復帰を打診。
仕事と家庭との間で揺れ動く中、フランスの
シャルル・ド・ゴール大統領が
モナコに課税を強要するという政治的ピンチが降りかかります。
国を守るため、グレースは女優として培った名声を利用し、
公妃として一世一代の大芝居に打って出ます!
 
グレース・ケリーを演じるのは、ニコール・キッドマン。
実際のグレース・ケリーとは、あまり似てない
彼女なんですが、持ち前の美貌と演技力で、
彼女になりきった姿を見せてくれます。
劇中に実際の当時の映像が使われたりしているので、
だんだんと本物のグレースに見えてくるから不思議です。
本物の公妃になるために、グレースが、フランス語や
立ち居振る舞いをトレーニングするシーンもありますが、
一瞬で表情を変えるニコール・キッドマンの演技力にも注目です。
 
監督は、「エディット・ピアフ ~愛の賛歌~」のオリヴィエ・ダアン。
彼は今回、「グレース・ケリーの伝記映画というより、
夫婦の物語を描きたかった」とか。
なので、ドラマの内容も、プリンセスではなく、
1人の女性としての立場や心情に
寄り添ったものとなっています。
とはいえ、完璧な公妃を演じたクライマックスの
スピーチの場面は見もの!
ゴージャスなドレスやジュエリーにも注目です。
 
今回のこの映画が世界初のお披露目をされたのは、
今年の「カンヌ国際映画祭」。
まさに50年前のこの「カンヌ国際映画祭」で
グレース・ケリーとレーニエ大公が出会って
「世紀の恋」が生まれたんですから、
映画の宣伝担当もなかなか粋なことを企画するもんですね。
ところが、このプレミヤ上映会にモナコ王室が
クレームをつけました。「映画の内容が事実と違う」というんです。
このニュースが世界中を駆け巡って、
逆に映画の宣伝になるという効果をもたらしたというから
皮肉なものです。もしかしたら、宣伝担当は、
そこまで読んで「カンヌ」でのお披露目をしたのかもしれません。
恐ろしきはショービスネスの世界ですね。
映画の内容が、本当なのか、はたまたフィクションなのか?
是非、映画館で確認してみてください。
 
今日ご紹介した映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」オフィシャルサイト
 
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