アート系クラフトの小さなお店 UMU
あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
熊本市中央区南坪井にあります、
「アート系クラフトの小さなお店 UMU(う~む)」の
Q① ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
名前:矢上智世子(ふりがな)やがみさよこ
所属:アート系クラフトの小さなお店UMU(う~む)
ホームページ、ブログなど:
Q②「UMU」についての基本情報を教えて下さい。
アート系クラフトの小さなお店UMU(う~む)
郵便番号860-0848熊本市中央区南坪井町1-17
通称上乃裏通り沿いの木造2階建て建物の1階店舗面積16.52㎡、
10畳ほどの小さなお店です。
営業時間…午前11時~午後9時(定休日・火曜日)
問い合わせ先…電話096-221-9326
Q③「UMU」とはどんなコンセプトのお店ですか?
“かわいい”“おもしろい”“とびぬけている”
“これまでにない世界観を感じる”
“思わず人に伝えたくなる”という、障がいのある
作家さんの作品を展示・販売している
アート系クラフトを扱う小さなお店です。
ただ、店の外にも店内にも「障がいのある方々の作品」
ということはいっさいうたっておりません。
障がいという枠を取り払ったところで、
作品を見ていただき、気に入ればご購入いただければと
思っています。
ちなみに、「UMU」とは、障がいの有無に関係なく、
素敵な作品をうむ、作品を手にとって素晴らしいと
納得するう~む…いろんなうむを表わしました。
Q④「UMU」がスタートしたきっかけなどあればお願いします。
障がいのある方々がたずさわっておられる作品には、
素敵なものがたくさんあります。
ただ、自分もそうでしたが、それらをどこで
購入すればよいのかわからない人もたくさん
いらっしゃると思います。
また、販売してあるところをみつけても、
店の隅っこに「障がい者作品」としてまとめて
売られているケースも少なくないと感じていました。
魅力的な作品がたくさんあることをいろんな人に
知っていただきたいし、作品一つひとつにていねいに
光をあてて販売すればもっと売れるのでは
ないかという思いから、アンテナショップを
開きたいと思っていました。
そんなときに、緊急雇用の一環として熊本市さんが
出されたメニューの中に
「障がい者の情報発信と販売促進」というのがあったので、
手を挙げさせていただきました。
12月までは熊本市の委託事業として運営しています。
Q⑤ 現在、どんな商品を置いていますか?
具体的にいくつかご紹介ください。
県内外の福祉事業所22施設の作品と
障がいのあるアーティストさん3人の作品を
扱っております。大分類では、絵画、切り絵、
折り葉、木工製品、竹細工、陶器、ステンドグラス、
ぬの製品、焼き菓子など。
中分類としては時計、カトラリー、食器、
ステーショナリー、Tシャツ、テキスタイルのポーチ、
ストール、バッグ。缶バッジ、ポストカード。
クッキー、ジャムなど、150円のものから
何万円というものまであります。
商品はただ単に展示・販売するのではなく、
どのようにして出来上がったか、
どんな人が作っているのか、こんな使い方があるなど、
作品の背景にあるストーリーを
お伝えするように心がけています。
現在、販売個数が最も多いのは、
熊本名物「からし蓮根箸置」(山鹿市愛隣館300円税別)。
陶器の箸置で、からし蓮根の穴の1つが
“はーと型”になっているのがかわいいと人気です。
次に売れ筋なのが箸(熊本市第二ぎんなん作業所200円~)。
熊本県産の竹を伐採するところから
最後の磨き上げまですべて手作業。
「子ども箸」「普通箸」「取り箸」「細箸」と種類も
豊富なので、好みの長さ大きさの箸に出会えると思います。
また、第二ぎんなん作業所さんの「カレースプーン」は、
昨年の熊本市障がい者作品コンクールでグランプリを受賞。
丁寧に仕上げられているので、
口当たりもやさしい優れものです。
ぬの製品では、「納豆ポーチ」が人気です。
まさかの納豆のイラストで、
納豆の横には「辛子」「タレ」も描かれています。
●からし蓮根箸置
●肥後の竹(カレースプーン)
●納豆ポーチ
UMUはアンテナショップですので、
作品を販売するたけではなく、情報の受発信ということも考え、
小さなお店ではありますが、
店内の中央に大きなテーブルと椅子をおいています。
お時間のあるお客様または納品等にいらっしゃる事業所の方、
当事者の方々などが、気軽におしゃべりして
いただけるようなスペースをもうけております。
そんな中でいただいた情報は、消費者向けだけでなく、
福祉事業所向けに商品開発情報や
マーケティング情報をお伝えしています。
Q⑥ 活動の上で苦労している点などあればお願いします。
例えばお客様から「これと同じものがあと2つほしい」と
言われた場合に、次の2つをいつまでに入手できるという
お約束ができにくいのが現状です。
例えば、最近気分がふさぎ作業ができにくい状況に
ある方に無理矢理やっていただくというのも
どうかということです。一方で、ビジネスとして
考える場合はどうなのか。その辺りの問題を補うためにも、
どんな人がどんなふうに作っておられるという話をすると、
比較的おおらかに待っていただけるようです。
狭い店なので、取扱作品はセレクトさせていただいています。
焼き菓子については「常温で30日程度の保存がきくもの」と
明確な基準を設けていますが、その他については
自分たちがほしいと思うか、店の雰囲気に合っているかで
選ばせてもらっています。
決して、商品の良し悪しではないということを
お伝えすること。また、取扱商品については
お客様の声を作成者や事業所さんに
お返しするようにしています。
厳しいご指摘をいただくこともあるので、
お伝えするのが辛いときもあります。
一生懸命作っておられる商品だからこそ、売れる物、
お客様に喜んでいただけるものを作らないといけないと思い、
言いにくいこともお伝えするようにしています。
Q⑦ これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
最近数ヶ月、家に引きこもりがちだったという
お子さんを連れて来られたお母様の話です。
お子さんは絵を描くのが好きで描きためたものを
お持ちでした。お母様が何かでUMUのことをお知りになり、
お子さんに「UMUに持って行ってみようか」と
誘ったところ、最初はあいまいな返事だったそうです。
数日後、再度、お母様が「行ってみる?」と
たずねられると「行く」ということで
お二人でご来店いただきました。
お母さんが「UMUに作品を置いてもらえるかも
しれないということで、少しだけ外に
目を向けてくれたようです」とおっしゃったときは
とてもうれしかったです。
Q⑧ 関連のイベントなどが予定されていたら、教えてください。
【店内】
11月からカレンダーフェアを開催予定。
全国の福祉事業所の作品の中からセレクトした
カレンダーを販売します。
また、熊本市の交流都市エクスアンプロヴァンス市がある
フランスの福祉施設から取り寄せた作品も展示します。
陶器のアクセサリー、ポーチ、エプロン、
ぬいぐるみなどがあります。
【冊子発行】
11月中旬発行予定。
UMU取扱作品や11月に行われる
「熊本市障がい者作品コンクール」の受賞商品、
同コンクールの様子などを掲載。無料。
Q⑨ 今後の夢、目標などあればお願いします。
究極の目標は、障がい者の社会参加と工賃アップです。
ですが、そこまでの道のりはとてもとても長いので、
その始めの半歩にでもなるように、店舗に
ディスプレイしている作品をみて創作意欲を高めて
いただいたり、売れる喜びを味わっていただけたら
いいなと思っています。
そのために、企業さんとのコラボを強く願っています。
例えば、コンビニに並んでいるようなメジャーな
商品のラベルに、障がいのある方が描いた
イラストなどが使われていたら、
その人も家族もまわりの人も自信になると思います。
目標に近づくために、人と人、施設と施設、施設と企業など、
いろんな出会いを生む空間づくりを目指しています。
Q⑩ 熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
企業のみなさん、ノベルティ商品にもお応えします。
新製品の共同開発もご相談ください。
福祉事業所のみなさん、作品の販売拠点としてご活用ください。
製品の改良、開発もご相談ください。
学生さん、ボランティアさん、消費者のみなさん、
作品の背景にも目を向けてお買い物を楽しんでください。
いっしょに知恵を出し合い、ものづくりを応援しませんか。
当店では、素敵な作品を常時、探しております。
素敵な作品を作っていらっしゃる福祉事業所、
またはそういう人をご存じの方、
お気軽に情報をお寄せください。