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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 HARI PRASAD DEVKOTA(ハリ プラサデウ デブコタ)先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
 
10回目のゲストは、熊本大学・大学院先導機構の
HARI PRASAD DEVKOTA(ハリ プラサデウ デブコタ)先生です。
ハリ先生の専門である「薬用植物学」とはどんな研究なのか、詳しく伺います。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:HARI PRASAD DEVKOTA(ハリ プラサデウ デブコタ)
所属:熊本大学大学院先導機構(大学院リーディングプログラムHIGOプログラム)
プロフィール
2005年ネパールのポカラ大学・薬学部卒業
2005~2007年ネパールのポカラ大学・薬学部助手
2008年4月熊本大学大学院薬学教育部博士前期課程入学
2010年3月熊本大学大学院薬学教育部博士前期課程修了
2010年4月熊本大学大学院薬学教育部博士後期課程入学
2013年3月熊本大学大学院薬学教育部博士後期課程修了
2013年4月~2014年3月武田科学振興財団博士研究員
2014年4月から、大学院先導機構HIGOプログラム特任助教
 
Q②ハリ先生の専門である「薬用植物学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
私たちが研究している薬用植物学研究室では、ネパールの薬用植物の成分研究及びネパール・インド・スリランカの伝統医療(アーユルベーダ、チベット医学)の研究を行っています。
具体的には、直接ネパールに赴きフィールドワークを行い、伝統医療で生薬として用いる植物の葉、茎、根などを採取します。日本に帰り成分を抽出し、カラムクロマトグラフィーで分離し、NMRなどで構造解析します。さらに、抗酸化作用などの機能性も研究します。また、調査や研究で得られた知見をまとめてネパールの薬用植物の図鑑やデータベースも作成しています。
また、HIGOプログラムでは日本人、および外国人留学生を受け入れ、学生の活動を支援しています。
 
Q③ハリ先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
2002年、私がネパールの大学一年生の時に、日本の植物研究者と一緒にネパールの植物の調査を行いました。そこでネパールの植物の重要性、研究する価値に気づくことが出来ました。
また、ネパールでは60%以上の国民が植物を使った伝統医療で治療しています。しかしそのほとんどの植物が研究されていないため、この研究を行う必要性を感じました。
 
Q④ネパールから日本に来て研究されているうえで、
一番苦労した点は何ですか?
また、日本に来てよかったことは何ですか?
 
最初、日本に来たばかりのときは、日本語がわからなくてコミュニケーションをとるのが大変でした。また、ネパール人もネパール語をしゃべれる人もいなくて困ることが多かったです。
そして、英語を話せる人も少なくて、研究内容を伝えることも苦労しました。
日本に来てよかったことは治安がよく、人々がやさしくて、よい人が多いことです。そのほかにも、便利なものが多く、おいしいものがたくさんあるのも嬉しかったです。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか? 
 
旅行に行くことが好きです。日ごろから写真をとることも好きで、旅行先でとることも多いです。
熊本は、阿蘇に山があって、天草に海があり自然が多いのでいろんなとこに行くことも楽しみです。あと、映画を観ることも好きで、インド映画を観てリフレッシュしてます。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
私の研究室では、漢方の勉強会や、薬用植物観察会を行っています。そこには、専門家や薬剤師でない多くの一般の方に参加いただいており、日本人の伝統医療に対する関心の高さに驚きました。
また、私や家族が病院で診察を受けたときに、医師が西洋薬と漢方薬の両方を処方することは、とても印象に残っています。ネパールでは西洋的な医療と、伝統医療はそれぞれの資格を持った医師が使うことがほとんどです。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
ネパール・ヒマラヤのことや、ネパールの薬用植物、伝統医療(アーユルベーダなど)に興味がある方はいつでも待っています。
薬用植物園では様々な勉強会を開いています。一般の方を歓迎していますので、気軽においでください。
 
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