「映画 深夜食堂」
「FMK Morning Glory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、1月31日土曜日から公開される
「映画 深夜食堂」です。
この映画は、ビッグコミック・オリジナルに連載中、
安倍夜郎の人気コミック「深夜食堂」を実写化した作品。
2009年から30分一話完結の深夜ドラマとしてスタート。
これまで3つのシリーズが放送されていましたが、
今回、ファン待望の劇場版が公開です。
新宿・繁華街の路地裏にある小さな食堂「めしや」は、
深夜12時からしか営業しない不思議な食堂。
常連客からは、“深夜食堂”と呼ばれています。
マスターの作る味と居心地の良さを求め、
毎晩多くの人が集まるこの店を舞台に、様々な人間模様が
描かれていきます。
この「めしや」のメニューは、豚汁定食、ビール、酒、焼酎だけ。
あとはお客の注文に応じて、
“できるものなら作るよ”というのが、マスターの営業方針です。
画面には、お客のリクエストに応えて作った
卵焼きやレバニラ、タコさんウインナーなど様々な料理が並びます。
この料理が、ものすごく美味しそうなんですが、
劇中の料理を手掛けているのは、「かもめ食堂」や
朝ドラ「ごちそうさん」などの作品で、食事のシーンをコーディネートした
フードスタイリスト・飯島奈美。
どの料理もシンプルですがおいしそうで、
観ているだけでお腹が鳴ってきます。
素材を切ったり、炒めたりする料理の音もとても丁寧に演出してあって、
さらに食欲をそそります。
そしてこの料理を引き立てているのが、映画で描かれる様々なエピソード。
1つの大きなストーリーではなく、季節ごとに小さなエピソードが
積み重ねられていくんですが、それぞれにキーワードとなる料理があるんです。
ドラマ版と一番違っているのは、この季節感かもしれません。
春・夏・秋・冬、それぞれの季節のエピソードを交えながら、
映画ならでは緻密なストーリー展開が用意されています。
特に、テレビ・シリーズの時に、ドラマの背景として
何度か登場していた「東日本大震災」関係のエピソードが、
今回、劇中の重要なテーマとして描かれます。
あの震災で、日本人の多くが考えたことへの
「深夜食堂」スタッフからの回答とも言えるエピソードなので、
是非、このあたりは見逃さないでほしいポイントです。
今回、劇場版ということで、演じるキャストも豪華です。
もちろん、マスター役には、この人以外に考えられないというくらい
はまり役のベテラン・小林薫。
このマスターの「いらっしゃい。」という優しい声が、
この「深夜食堂」の魅力のひとつ。
いろんな人生の酸いも甘いも経験したであろうマスターの「いらっしゃい」。
多くを語らない中で表現されるマスターの優しさと厳しさ。
小林薫さん、素晴らしいです。
その他、劇場版のゲストとして、高岡早紀、多部未華子、
筒井道隆、田中裕子など豪華キャストが共演。
それ以外にも、ちょっと店に立ち寄る客にも、
「え!この人が!?」というキャストが出てきますのでどうぞお楽しみに。
監督は、「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」で
日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した松岡錠司監督。
ドラマ版の時から、数多くのエピソードを演出し、
「深夜食堂」の世界観をもっとも理解している松岡監督、
主演の小林薫とも、何度も映画でコンビを組んでいるので、
息もぴったりです。
松岡監督は、今回、「安易な回想シーンをいれない。」という
厳しい「掟」を自分に課して、映画化に臨んだそうで、
自分のエピソードを語る俳優の演技の見事さで、
その人物の人生を感じさせるという映画ならではの手法を導入しています。
表情が大きく映し出される映画版ならではの見事な演出です。
特に、筒井道隆演じる謙三のシーンが感動的ですよ。
注目してみて下さい。
寒い季節にピッタリの、心温まる1本。
観ると絶対にお腹がすいてくるので、
適度にお腹が満たされている時に観るのをおススメします。
今日ご紹介した「映画 深夜食堂」は、
■TOHOシネマズ 光の森
で、1月31日土曜日から公開されます。
ここでプレゼントのお知らせ
映画「深食食堂」のオリジナル「祝い箸」と
「深夜食堂試し読みブック」をセットにして
お二人の方にプレゼントします。
(宛先)
メール glory@fmkumamoto.jp
FAX 096-355-5200
(締め切り)
本日(1月20日)中です。
「映画 深夜食堂」オフィシャルサイト