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「ANNIE/アニー」

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ANNIE/アニー」です。
 
「アニー」は、1977年にブロードウェイで初演されて以来、世界中で人気となり
日本でも毎年上演されている大ヒットミュージカル。
「ミュージカル」と言えば、「アニー」というぐらいの古典、定番作品です。
 
ここ数年、ミュージカルが復興してきたと言われています。一時、まったくミュージカル映画が作られなかった時期がありました。ところが、2012年の「レ・ミゼラブル」の映画版が世界的に大ヒットして、状況が変化し始めます。昨年は、ご存じ「アナと雪の女王」が大ヒット。「レリゴー現象」とまで呼ばれるブームを起こしました。テレビの世界でも「グリー」というハイスクールのコーラス部を舞台にした青春ドラマが大ヒット。
そんな気運の中で往年の名作をリメイクするという企画が持ち上がります。
誰もが知る名作を、ウィル・スミスとJAY Zのプロデュースによって
まったく新しくリメイクしたのが、今日ご紹介する作品「ANNIE/アニー」です。
 
「アニー」は、1982年にもジョン・ヒューストン監督によって一度、映画化されているんですが、今回は、1933年の大恐慌時代に設定されていたオリジナルの時代背景を、なんと現代に変更。
主役のアニーも、赤毛の白人の女の子から黒人の女の子へとスイッチしました!
なにから、なにまで、新しい新コンセプトの今回の「アニー」。
公開前は不安の声が大きかったのも確かです。
ところが、この作品、現代のテイストをたっぷりと入れたことで、
グッと観客の心に届く素晴らしいリメイク作品になったんです。
 
物語の舞台は、ニューヨーク・マンハッタン。
幼いころに両親が突然いなくなり、独身で元歌手のハニガンに
引き取られている10歳のアニーは、今も両親が迎えに来てくれると信じて
置き去りにされたレストランに通い続けていました。
ある日、事故に遭いそうになったアニーは、ニューヨーク市長候補の
大金持ちスタックスに助けられ、彼の元に引き取られることになります。
しかしスタックスの狙いは、アニーを市長選に利用すること。
本当は子供嫌いのスタックスとアニーの奇妙な同居生活がはじまります・・・。
 
アニーを演じるのは、「ハッシュパピー バスタブ島の少女」で、
アカデミー主演女優賞に史上最年少でノミネートされた、クワベンジャネ・ウォレス。
彼女を引き取るスタックスには、「Ray レイ」でオスカーに輝いた
名優ジェイミー・フォックス。
また意地悪な里親のハニガンを、ミュージカル初挑戦となる
キャメロン・ディアスが演じています。
 
そしてこの作品の大きなポイントが音楽です。
ウィル・スミスとJAY Zというトップアーティストのプロデュースらしく、
「Tomorrow」などお馴染みのナンバーは、ビートのきいた今っぽいアレンジに変身。
さらに映画オリジナルの新曲も3曲書き下ろされています。
 
さらに、音楽ファンなら注目してほしいギャグがそこかしこに盛り込んでいます。
例えば、キャメロン・ディアス演じるいじわるな里親のハニガンさんは、元歌手だったという話を何度もします。
「私は、ブレイク前の『C&C ミュージック・ファクトリー』のメンバーだったんだから!」
とか
「『フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュ』とも共演したんだから」とか
音楽性の全然違うミュージシャンをどんどんあげて、かなり残念なタイプの女性であることがわかります。こういう小さいギャグがたくさん入っていますのでお楽しみに!
 
この現代版「アニー」では、アニーの親探しの方法として「DNA鑑定」が登場したり、大金持ちスタックスが、通信会社を一代で築き上げたやり手ビジネスマンだったり、現代版にしたことで登場した様々ポイントが、「現代アメリカ社会」の持つ様々な問題をあぶりだしていくことになります。
現代的要素を足せば足すほど、逆に印象が強くなるのは、アニーのポジティブな人生観です。
「格差社会」が一層進行したと言われるアメリカ。そんな中で「明日」を夢見ることを忘れないアニーの生き方が、一層感動的に描かれていきます。
 
オリジナルの「アニー」の物語を知らない方はもちろん、「小さいころに見たことあるな~」という方も、その魅力を再発見できる1本ですよ!
 
今日ご紹介した「ANNIE/アニー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「ANNIE/アニー」オフィシャルサイト
 
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