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「株式会社フェリシモ」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「株式会社フェリシモ」のヒミツに迫ります。
 
「株式会社フェリシモ」は、自社で企画した商品を中心に、独自の視点でセレクトした国内外の商品やサービスを、カタログやウェブなどの独自メディアで販売するダイレクトマーケティングの会社です。
ファッションから生活雑貨、手づくりキット、美容関連、食品など幅広い商品を扱っており、
その数は年間数万種類にも及びます。
 
今日お話を伺ったのは、株式会社フェリシモ 経営企画室 広報部部長の吉川公二さんです。
 
Q1「フェリシモ」という社名の由来を教えてください。
 
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「至福」を意味するラテン語の「FELICITY」と強調を表す接尾語の「SSIMO」が合わさった造語です。「最大級で最上級のしあわせ」を意味します。
企業が存在する意味は、その事業活動を通じて、永続的発展的なしあわせを創造することだと、私たちは本気で思っています。そのような思いを込めて、この社名にしています。
 
Q2「フェリシモ」は、どんなイメージの会社を目指しているのですか?
 
「しあわせをデザインする会社」さらに詳しく言えば「ともにしあわせになるしあわせ」を創造する会社を目指しています。私たちにとって「しあわせ」とはとても重要な理念です。しかしその「しあわせ」はどんなしあわせか?と考えたとき、誰か特定の人だけがしあわせになるようなしあわせではないと思っています。私たちは企業として日々、事業活動を行っていますが、それは単によい商品をご案内することや、より高次のサービスを提供するだけでは充分ではないと考えています。お客さまや従業員、社会のひとりひとりが「しあわせ共創の担い手」となり、人をしあわせにする、人としあわせになる、自然と、社会とともにしあわせになる、経験価値をしあわせの本質として、「ともにしあわせになるしあわせ」を可能にする商品やサービスを目指しています。
 
Q3「フェリシモ」の運営するインターネットサイトは日本を代表する通販サイトですが、いつごろ、どんなきっかけでスタートしたものですが?アクセスはどれくらいでしょうか?
 
1995年、阪神淡路大震災の年でした。ちょうど、私たちフェリシモは本社をその年に大阪から移転したのですが、震災復興のTシャツを1点のみ販売しました。これがあっという間にインターネットユーザーに広がっていき、翌年の96年には1000点から1500点の商品を販売するようになりました。現在のアクセス数は1日あたり15万件です。
 
Q4「フェリシモ」では、大量のアイテムを扱っていると思いますが、現在、総アイテム数はどれくらいですか?また、これまでもっとも多く売れた商品は何ですか?
 
約3万2千あります。これまでで最も売れた商品は「500色の色えんぴつ」です。商品点数としては240万を超える数量となります。
その他にもゴムベルトも2004年の発売以来シリーズで200万本を(212万)超える販売実績です。

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かなり昔に売れたおもしろランチボックスなどもありますが、記録がないので具体的な数字はお伝えできません。
 
Q5上記商品の開発ポイントがあれば教えてください。
 
フェリシモは創業間もないころから「コレクションシステム」という販売形態でお客さまに商品をお届けしてきました。プランナーが商品に込めたコンセプト(「お客さまにこの商品を集めていただいてこんな素敵なライフスタイルに近づいていただきたい」「お客さまにこんな風に変身していただきたい」というコンセプト)にお客さまに賛同いただき、お申し込みいただいたら、その夢に一歩ずつ近づいていただける商品を毎月1回、お届けするというしくみです。どんなデザインの商品が届くかは、プランナーにお任せください。
 
この500色の色えんぴつもまた、コレクションです。
こちらの500色の色えんぴつは、世界に存在するさまざまな色をお客さまにそろえていただきたいという思いで企画しました。ふつう500色の色えんぴつを一度に揃えようと思えばとても高額になってしまいます。しかし、コレクションシステムで、少しずつ(毎月25色ずつお届けして、20ヵ月で全色が揃います)集めていただくことで、価格的にも手が届きやすいものになりますし、集めていただく楽しみが20ヵ月続きます。またヒットの理由としては、1色1色に「クレオパトラの真珠」「おばあちゃんの草もち」など、とてもユニークな名前がつけられていることです。色を見て、イメージを膨らませていただくことができます。実際にこれで絵を描かれる方もいらっしゃいますし、飾って楽しんでおられるお客さまもいらっしゃいます。大人にも、子供にも大人気の商品です。
 
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Q6「フェリシモ」扱う商品の中で、こんな珍しいものも扱っている」的なアイテムがあれば、いくつかご紹介ください。
 
・「プチ写仏」プログラムです。仏さまが描かれた「仏画」をなぞり描きしていく「写仏」。その昔、むずかしい経典をたくさんの人に分かりやすく伝えるために生まれたのが「仏画」なのですが、それを写すことで、写経と同じ精神修養の一種として行われているものです。
お寺で行われている「写仏」は、お習字の半紙と同じくらいの大きな紙に、墨と筆を使って1時間ほどかけて描くものですが、日常に無理なく取り入れて癒しや気持ちの切り替えを実感していただけるようにフェリシモオリジナルアレンジの「プチ写仏プログラム」を2014年春に発売し好評を得ています。1日たった10分でも濃密な集中時間を過ごしていただけるように、ポストカードサイズの下絵と専用半紙、全12色のカラー筆ペンを使って描くことができます。そのほかにもお家にいながら、非日常感や癒しを感じることができるように、いろいろな工夫をしています。例えば、「写仏」のための道具以外に、レッスンブックでは毎月のテーマにあわせて僧侶によるお話が掲載されていたり、10分丁度で使い切ることができるいろいろな香りのお香がセットされていたり。忙しくてお寺に行けない人でも、お家にいながら、神聖な空間を楽しめるようにしています。
また、フェリシモではお寺文化に関心がある人たちで休日などにお寺でプチ写仏の体験会なども行っています。今後も日本各地のお寺などで開催予定で、参加いただける方はもちろん、日本各地で一緒にやっていただけるお寺さまも随時募集中です!
 
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Q7「フェリシモ」の商品の中で、この季節おススメのものなどあれば、いくつかご紹介ください。
 
・お家で気軽にフラワーレッスンができる「お花を楽しめる人になるプログラム」です。(毎月1回1セットずつ、全6回のお届け。月々¥2,500)お花の基本の扱い方から、初心者によくあるお悩みの解決方法、フラワーアレンジメントや花束の作り方まで、現役の花屋スタッフが分かりやすくレクチャーするテキストブックと、花屋スタッフおすすめの“プチ花屋グッズ”をセットで毎月1回(全6回)お届けします。

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週に一度3~5本の花を用意するだけで、自宅で気軽にスタートできる、初心者向けフラワーレッスンです。花屋スタッフおすすめのフローラルはさみや、少量の花でもセンスよく生けられる花器などの「プチ花屋グッズ」も合わせてお届けします。6ヵ月かけて少しずつ学べるので、忙しい方にもおすすめです。週に1度、数本の花を買うだけで始められ、6ヵ月後にはあこがれの花のある暮らしを手に入れることができるフラワーレッスンです。
 
・「未来へつなぐ思い出引き出し」です。「成長の記録として残したい思い出の数々、どれも捨てたくないけれど、保管先がない」というお子さまの絵や習字、ちらし裏のらくがきまで、防火・防災対策、空調管理などの徹底した環境でお預かりするサービスです。(お預かりは1年更新のサービス)
 
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また、お預かりする作品から選んでいただいた作品で、A4サイズのオリジナルのマイ絵本を製作します。ご自宅では撮影がむずかしいサイズの作品や、ちらし裏などの小さな作品も、専用のデジタルカメラによる撮影、さらには熟練の製本技術による手作業での上製本仕上げを行います。卒業アルバムのような高級感ある仕上がりになります。このサービスは、実際に子育てをしているパパ・ママのお声から生まれたものです。成長後も、思い出をひきだしから取り出すようにいつでも楽しむことができます。「お申し込みキット」(1セット¥500)を初めにご購入いただき、マイ絵本希望の作品、または保管希望の作品を入れてご返送いただきます。
 
また、1セット¥5,600でお預かりした作品から最大15作品を選び、1冊の絵本にいたします。
 
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表紙デザインは4種類から選べます。絵本の作者をお子さまの名前にしたり、タイトルや中のコメントなどもお好きな言葉も入れていただけます。
 
Q8「フェリシモ」の歴史の中でもっとも印象的な出来事は何ですか?
 
95年の阪神淡路大震災です。私たちは事業性・独創性・社会性、この3つの重なる領域を大事に事業活動をしています。つまり、どのバランスも崩れては、企業として永続的に価値を提供できないと考えています。この社会性の部分に目覚めるきっかけを、震災を通じて、お客さまに教えていただいたのです。震災の年、フェリシモは本社を大阪から神戸に移転しました。神戸への引越しを準備していたその時に阪神・淡路大震災が起こりました。「神戸は生活文化が豊かな街」そんなあこがれを持っていた神戸の状況を見て、すぐには引越しをすることはできませんでしたが、私たちは「神戸への引越しを、21世紀への引越しだと思おう!」そう話し合って、その年の9月にようやく引越しをすることができました。
私たちは、当時大阪にいましたが、震災直後、全国のたくさんのお客さまからご心配のお声をいただいたり、「神戸のために何かをして欲しい」とお金を託されたり、「おつりはいらない」とお金を多くお振込みをいただくなど、そのようなできごとがたくさん起こりました。そんなお客さまの思いを受けて、私たちは「毎月100円義援金」という活動をスタートしました。これはお客さまの毎月のお買い物の代金のお振込み時に、100円を寄付していただくというもので、震災1ヵ月後にはすでに3,000万円の義援金が寄せられました。その年の4月にはお客さまからご希望・ご提案が多かったお年寄りや子ども、障がいをもたれた方や海外からの留学生などへの支援として活用いただきました。「100円義援金」は、6年間で4億円を超え、当時被災地に指定された10市10町を対象に活用されました。そのほかにも震災で売り場をなくされた神戸のお店の商品を掲載させていただいた『神戸カタログ』の発刊、神戸の方々に元気になっていただこうと思い、もとは社内勉強会だったものを公開にして始まった毎月1回各界のオーソリティーをお招きして開催するメッセージライブ「神戸学校」など、震災をきっかけに数々のプロジェクトを立ち上げ、お客さまとともに本当に豊かでしあわせな生活文化を創ることを目指してきました。神戸で始まったこのような経験は、どんなに不可能に思えるようなことであっても、みんなの力を合わせれば必ず実現できるということを教えてくれました。神戸に来ることを決めていなかったら、私たちはまったく違う道を歩んでいたと思います。私たちフェリシモの「ともにしあわせになるしあわせ」という理念や価値観はゆるがないものです。阪神・淡路大震災から20年となる日をきっかけに、改めてそれを深く理解し、さらに活動を高次化してまいりたいと思うこのごろです。
 
Q9そのほか「フェリシモ」に関する面白いエピソードなどあればお願いします。
 
面白いかどうかは不明ですが、風土を象徴するようなことをいくつかお伝えします。
 
・産休、育児休業取得者が多く(毎年平均約15名が取得)復帰率は正社員もパートタイムの従業員もほぼ100%です。また、近年は男性の育児休業取得者も出ています。周囲の人たちが子そだてに気持ちよく協力しようという雰囲気が、育児をしやすくしていると思います。
 
・前述したコレクションシステムによる商品のお届けについて、ある時お客さまが「サンタクロースからプレゼントが届いたみたい!」とおっしゃってくださったことがありました。その日から、「みんな誰かのサンタクロースみたいな仕事をしていきたいね」と言い合ってきました。仕事だけではなく、従業員ひとりひとりが、お客さまや一緒に働く仲間たち、お取引先を喜ばせることが大好きです。毎月1回サンタさんがやってきて、その月のお誕生日の人たちひとりひとりのケーキをプレゼントしてくれたり、12月25日にはみんなでクリスマス特別弁当を食べたりなどなど、自分たちがしあわせになる経験をすることで、お客さまにしあわせを提供できる人になってほしいという会社の思いがあります。
 
・フェリシモには部活動があります。「猫部」「森部」など。
会社は組織なので、誰もが好きなことをできるわけではありません。しかし、「人がもっとも能力を発揮できるのは、好きなことをしているときだ」という社長の提案で、普段の業務とは別で、その人が本当に関心のあるテーマをもとに週に1回部署や役職を超えて集まり、商品の企画などをするという「部活動」を2011年よりスタートしています。
 
●森部
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未来の事業化が条件で、ヒット商品を飛ばしているのが「フェリシモ猫部」です。「猫部」のミッションは「猫と人がともにしあわせに暮らせる社会」をつくること。
そこで、「猫部」から生まれた商品を基金付きで販売し、集まった基金で猫をはじめとした捨てられた小動物の保護や里親探しなどに役立てています。
 
●猫部
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また、地域のボランティア団体と協力し、保護猫譲渡会の開催なども行っています。 ブログやツイッター、フェイスブックを主たる情報の発信源として活動する「猫部」では、発足4年目を経た今、3万人近いフォロワーを擁する大きな部活になっています。(猫部ではフォロワーの方々を「外猫部員(そとねこぶいん)」と呼ばせていただいています)
 
株式会社フェリシモ オフィシャルサイト
http://www.felissimo.co.jp/
 
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
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