熊本学園大学吉村ゼミ・ ラーメン店調査
あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
熊本学園大学商学部の吉村純一教授と
吉村ゼミの井手口大志さん、坂井功武さん、
大芦真子さんがゲストです。
●ご出演の方のお名前と職業・所属など。
名前:吉村純一(ふりがな)よしむらじゅんいち
所属:熊本学園大学商学部教授
プロフィール:1962年生まれ
福岡県久留米市出身
福岡大学大学院博士課程修了
1996年より熊本学園大学就任現在商学部長
名前:井手口大志(ふりがな)いでぐちたいし
所属:熊本学園大学商学部商学科(吉村ゼミ幹事)
プロフィール:陸上競技部所属、第59代体育常任委員会連盟副理事長、
名前:坂井功武(ふりがな)さかいいさむ
所属:熊本学園大学商学部商学科(吉村ゼミ副幹事)
プロフィール:◆熊本県菊池郡菊陽町在住
◆平成5年7月25日生まれ、21歳
◆大津高校サッカー部卒業
◆サッカー、フットサル、スノボ、スポーツが全般に好き
◆人見知りはあまりなく、社交的
名前:大芦真子(ふりがな)おおあしまこ
所属:商学部商学科(吉村ゼミ)
Q吉村先生が専門としている学問はどんな分野ですか?
具体的に説明お願いします。
マーケティング論が専門です。企業から消費者にいたる商品の流れを導くすべての活動が研究対象です。また消費者のライフスタイルも研究対象です。
マーケティングには4つのPという考え方があります。製品product;価格price;流通経路place;販売促進promotionです。これらをうまく組み合わせて企業から消費者に商品を届ける仕組みがマーケティングです。
現在では、ブランド戦略やSNSを使ったマーケティング戦略などが注目されています。
Q今回、「吉村ゼミプロジェクト」として「ラーメン店調査」を行ったそうですが、
これはどんなきっかけでスタートした研究ですか?
2009年頃に熊本市さんと一緒に熊本ラーメンのブランド化プロジェクトをやろうという話しになったのがきっかけです。
実際には、2010年から、当時のゼミ生が熊本市に存在している熊本ラーメンと名乗っている店舗にお邪魔して、取材をさせて頂き、ホームページにその記事をあげていったというのがはじまりです。当時60数店舗にお邪魔しています。
Q今回の調査の具体的方法を説明して下さい。
苦労したポイントなどありますか?
商学部の学生100名を対象とした人気ラーメン店のアンケートを取り、上位18店舗を実際に訪問した際のレビューを添えてフェイスブックやホームページにアップする方法です。熊本のラーメン店の調査ということで、熊本市と連携し、地域の皆様の情報源となることができるのはとても嬉しいことだと思いました。私たちも普段何気なく食しているラーメンですが、今回のプロジェクトを通して様々な視点から熊本のラーメンについて考えることができ、とても勉強になっています。苦労したポイントとしては、調査している側としてしっかりと情報を発信しなければならないという責任感があることです。私たち自身、楽しく調査させていただいておりますので、皆様のご期待に添えるように、精一杯頑張りたいと思っております。(坂井)
11月初め頃から商学科内の学生に対しゼミ生で分担して調査を進めました。12月終わりからは、みんなでペアになりアンケートの上位20店舗程を巡り、実際にラーメンを食べさせてもらいました。そのラーメンを食べた感想を公式フェイスブックに掲載しました。
アンケートが商学部限定だったため、商学部の人を探して自力でアンケートをとるのに苦労をしました。(大芦)
苦労した点としては、ラーメンの味、店の雰囲気などを上手く伝えるにはどんな文章を書けばよいか考えたことです。(井手口)
Q今回の調査を教えてください。
この調査でどんなことがわかったのでしょうか?
調査結果はどこかで発表されていますか?
何がわかったのかはいまのところ定かではないけども、これから調査結果を照らし合わせることでわかる予定。調査結果は、随時フェイスブックにアップロードされる。(井手口)
熊本学園大学の学生とって、ラーメンを食べるシーンとしては、飲食後の〆であることが多かった。味はもちろん、店舗数や価格も大きく関係していることが分かった。また、ラーメンはマーケティングとも関係が深いと考えられる。比較的小規模な店舗がほとんどであるために宣伝が派手に行なわれるわけではないが、味などで店舗ごとに特徴を出しているなと感じた。夜の飲食後の〆としては「あっさり」系、昼食や間食では「こってり」系と時間帯によって味のニーズは変わっている。また味以外でも消費者心理を掴んでいる。例えば、ラーメン店ならではの元気あふれる接客や味のジャンルに合わせたお店の雰囲気など、細かなこだわりが見て取れる。このこだわりこそが更に美味しさを増幅させ、消費者ニーズを掴んだラーメン独自のブランド戦略であるといえる。これらの結果はフェイスブックのくまもとラーメンナビや熊本市のホームページにも掲載されている。現時点ではまだ調査中であり、店舗ごとに記事は随時更新される予定だ。(坂井)
今回の調査はラーメンの味の他にも、店舗の雰囲気、店員さんの制服、店内に流れているBGMなども調査させていただきました。各ラーメン店ごとにラーメンやお店の雰囲気に対するこだわりも違って、だんだん複数店舗を訪れるにつれて、それぞれ重視するポイントが明確に分かってきたので、それを考えたり、自分で見つけたりするのが楽しかったです。調査結果は公式のフェイスブックに掲載されます。(大芦)
Q調査結果に対して、教授はどんな分析をされていますか?
まだ、結果を分析するまでには至っていません。すべての取材が終わって、取材に行ったそれぞれのチームが持ち帰ってくるアンケート用紙や取材時のメモを見ながらみんなで検討する予定です。
5年前に最初のプロジェクトを行なった時は、ラーメンそのものを中心にアプローチしました。味や、素材、濃さ、あるいはニンニクチップなどの熊本ラーメンらしさなどです。
今回は、熊本ラーメンに限らず、学生に人気のラーメン店を対象ということもあり、少しアプローチを変えています。5年前とはいろいろ事情も違います。①ランキングの中にチェーン店が多く含まれている。②ラーメンそのもの以外に魅力を感じている可能性がある。③情報発信のメディアとしてSNSの発展が著しい。今のようなスマートフォンの普及も5年前にはなかった。
ラーメン店においても、カフェチェーンと同じようなブランド戦略が自覚的あるいは無自覚的に行なわれている。スタバとドトールの違いと同じように、それぞれのラーメン店には違いがあるはずだというのが今回の取材前のばくぜんとした仮説です。
それはきっと、店員さんのユニフォーム、かかっている音楽などにも現れてくるだろうと考えました。そのようなこともラーメンの特徴と同時に聞かせていただいています。
Qこれまでの吉村ゼミの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
今回のラーメンプロジェクト、12月に行われたインター大会。(井手口)
今回のラーメンプロジェクトももちろんそうですが、ゼミ生全員で協力して作った論文で挑んだ、討論大会(インター大会)に参加したことが非常に印象深いです。去年の夏ごろから本格的に論文を書き始め、図書館の開館から閉館まで話し合いながら論文作成に取り組んだこともありました。しかしいざ討論に挑んだら、他大学の人たちに圧倒されるような場面もあり、自分たちの意見があまり言えない時には、悔しい思いをしたのを覚えています。(坂井)
Q今後の夢、目標などあればお願いします。
大学ラストイヤーを充実させたものにする。(井手口)
今後は就職活動となるため、自分の納得する企業に就職して、人の役に立てる仕事をしたいと考えています。今回のラーメンプロジェクトをきっかけに、モノを売るだけではなく、サービスを売り、お客様から感謝されるような職業もとても魅力的だと感じるようになりました。どのような職業に就くかという明確なビジョンはまだ定まってはおりませんが、仕事を通じて自分自身を成長させ、人に感謝を忘れないような社会人を目指したいと思っております。この目標を達成するためにも今できることを考えて行動し、残りの学生生活をゼミの活動はもちろん、後悔のないような有意義な時間にしていきたいです。(坂井)
私の夢は新聞記者になることなので、こういったプロジェクトでの取材経験は大変役に立ちました。自分で足を運んで店長さんに取材したりといった活動は、吉村ゼミに入らなかったら経験できないことだったと思います。(大芦)
Q今後の夢、学生に期待することなどお願いします。
通常大学の講義では、大きな教室で先生方の話を聞きながら学ぶというのが基本的なあり方です。もちろんこれは基本的な知識を獲得する上で重要ですが、その上で、私たちは商学部なので、実際に学んだことがどのように使われているのかということと連動していなくてはなりません。そのような意味で、このような機会を使って、実際のビジネスについてより積極的に学んでもらいたいと思います。
今月末に卒業するゼミの4年生は、昨年の12月までには全員就職を決めて社会に旅立ちます。彼らの代もしっかり学び、しっかり楽しみ、卒業後の人生をつかみ取ってもらいたいと願っています。いつも彼らには言っていることですが、まだまだマーケティングを知る人が少ない。学園大商学部でマーケティングを学んだ人が街に出て行くことは、それ自体意味があると考えています。期待したいと思います。
Q熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
今回のプロジェクトを通して私たち自身もたくさんのことを学ばせていただきました。店舗独自の見えないこだわりや熱意などを熊本県民の皆様に伝えることが出来るように、残り数店舗の調査にも全力を注ぎたいと考えています。また、今回の調査結果をフェイスブックやホームページで拝見されていない方々も沢山いらっしゃると思うので、少しでもたくさんの人たちに情報が届くように知人や友人などを通じて拡散していけたら良いなと思います。ラーメンが苦手な方も中にはいらっしゃるかとは思いますが、そんな方々にも熊本のラーメンを知っていただき、かつ好きになってもらえるようにも学生一同これからも努力して参ります。(坂井)
これまでにも、山鹿市の岳間地区にある小学校の跡地利用プロジェクトなどさまざまな活動に関わってきました。学問を大学で学ぶということがどのようなことか、それが社会とどのようにつながっているのか、私自身も学生達も常に考えておく必要があると思っています。熊本のみなさんには、商学部で学ぶとこんなことに役に立つのだなあとかこんな風に楽しめるのだなあとか、私たちの活動を通じて知っていただければ幸いです。ラーメンプロジェクトの活動は、熊本市のラーメンナビ、そしてフェイスブック(くまもとラーメンナビで検索)で、私たち商学部の学生達の活動は、学園大商学部フェイスブック(学園大商学部フェイスブック)で発信中です。是非ご覧いただきたいと思います。(吉村)
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