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「イントゥ・ザ・ウッズ」

「FMK Morning Glory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「イントゥ・ザ・ウッズ」です。
 
ブロードウェイ・ミュージカルとハリウッド映画界は密接な関係があります。
ブロードウェイ・ミュージカルが映画化されることも多いですが、
最近は、映画を原作としたミュージカルがブロードウェイで
公演されることもあります。
あの「スパイダーマン」でさえミュージカルになっているんです。
映画がヒットすれば、舞台もさらにヒットする訳で、
どの作品が映画化されるかに世界中の注目が集まります。
 
確かに、一時期、日本では、映画のミュージカルは当たらないと
言われたことがありました。舞台ではヒットしても、
映画になると興行が厳しいという作品もいくつかありました。
ところが、「シカゴ」や「レ・ミゼラブル」の映画版が
大ヒットしたあたりから、日本でも映画のミュージカル・ファンが
急増していきます。
 
そして決定打となったのが、昨年の「アナと雪の女王」の大ヒット。
興行収入250億円を超える大ヒットとなって「アナ雪」ブームが
起きたのは、記憶に新しいところ。
そして、今回、世界が注目するのが、この「イントゥ・ザ・ウッズ」です。
先週末日本でも公開され、現在大ヒット中。本年度の洋画では
NO.1スタートの大ヒットとなっています。
なんと、「レミゼラブル」、「シカゴ」、「オペラ座の怪人」などの
名作も抜いて、今世紀公開の実写ミュージカル映画の中で
NO.1のオープニング記録を打ち立ててしまいました。
すごいですねー!
 
この「イントゥ・ザ・ウッズ」は、1987年にブロードウェイで
初演された作品「ウエスト・サイド物語」の昔から活躍し、
「ブロードウェイの伝説」と呼ばれるスティーヴン・ソンドハイム
によるロングランミュージカルが原作となっています。
アメリカ演劇界の権威・トニー賞を受賞し、日本版でも
宮本亜門の演出でミュージカル公演が行われたことがあります。
今回、「シカゴ」でアカデミー賞を6部門独占した
ロブ・マーシャル監督が映画化しました。
 
この「イントゥ・ザ・ウッズ」の面白いポイントは、
有名な昔話の「その後」が描かれるところです。
おとぎ話のエンディングといえば、「めでたし、めでたし」で終わる、
ハッピーエンドが定番ですよね。
でも、その後にもお話が続いていたとしたら・・・? 
「イントゥ・ザ・ウッズ」とは、「森へ」という意味。
果たして、その森には何があるんでしょうか?
 
主人公は、魔女にかけられた呪いのせいで、
子供に恵まれないパン屋の夫婦。
彼らは、子供を授かりたければ「赤いずきん」「黄色い髪」「白い牛」
「黄金の靴」の4つのアイテムを森から持ち帰るよう魔女に予言されて
森へ向かいます。
時を同じくして、赤ずきん、ラプンツェル、「ジャックと豆の木」のジャック、
シンデレラというおとぎ話の主人公たちも、それぞれの夢を叶えるために
森へとやってきます。
パン屋の夫婦を通して出会った彼らはめでたく夢を叶えるのですが・・・。
 
この映画“大人のためのアフター・ハッピーエンド・ミュージカル”という
キャッチフレーズの通り、かなりビターな味付けのストーリー展開が見もの。
王子様と幸せな結婚をしたはずのシンデレラが、
王子の浮気を疑ったり、「ジャックと豆の木」のジャックが、
大変な事件に巻き込まれたり・・・・・。
お馴染みのキャラクターの意外な「その後」が描かれています。
 
また、魔女役のメリル・ストリープや、オオカミ役のジョニー・デップなど、
超豪華なキャストが聞かせてくれる素晴らしい歌声も、楽しみの1つ。
特に、映画がスタートしてから約16分間のシーンは、
ほぼ歌いっぱなしのミュージカルシーンになっています。
たくさんの登場人物を同時進行で紹介しながら、
みんなが異なる目的で「森へ行こう!」となるまでのお話を
テンポよく描いています。ミュージカル映画として
「つかみはOK!」といった感じの名シーンが続きますので、
決して映画館に遅れて入ってはいけませんよ。
時間厳守でお願いします。
 
この映画の製作は、ご存じ「ディズニー」です。
ミュージカル映画はお手の物の老舗の会社「ディズニー」が、
おとぎ話の主人公をちょっと違った切り口で描いているので、
意外に思う人もいるかもしれません。
でも、思い出してみてください。去年公開になった
「アナと雪の女王」も「マレフィセント」も、どっちかというと
「王子様と結ばれてめでたし、めでたし」と言ったタイプの
古い物語とはちょっと違っていました。どっちかというと
「王子様」なんかに依存しない自立した女性像を描いていて、
新しい時代のプリンセス・ストーリーだったように思います。
 
今回、この「イントゥ・ザ・ウッズ」では、王道のハッピーエンドの
「その後」をあえて描いてみせることで、「本当の幸せ」とは
何かを観客に問いかけているのかもしれません。
クライマックスでキャストたちが歌う素晴らしい楽曲に
そのあたりの答えがあると思いますので、
見逃さないで、聞きのがさないで くださいね。
 
キャストは、どの人も演技も歌も素晴らしいんですが、
やっぱり魔女を演じるメリル・ストリープが凄いですね。
アカデミー賞を19回ノミネート、ゴールデングローブ賞に
いたっては29回ノミネートされているという歴代最高の
ノミネート数を誇る名女優。歌もオペラ歌手並みの声量で
聞かせてくれます。
 
ハッピーなおとぎ話が好きな方は、
ちょっと戸惑ってしまうかもしれませんが、
幸せの形は1つではないことを知っている大人なあなたには、
共感できることも多いはずです。
 
今日ご紹介した「イントゥ・ザ・ウッズ」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
今日は、映画オリジナルグッズのプレゼントがあります。
映画「イントゥ・ザ・ウッズ」オリジナルのメモ・パッドを
お二人の方にプレゼントします。

ITW_Memo Pad Set.jpg
 
(宛先)
E-Mail : glory@fmkumamoto.jp
FAX : 096-355-5200
 
(締め切り)
3月17日(本日)中
 
「イントゥ・ザ・ウッズ」オフィシャルサイト
http://www.disney.co.jp/movie/woods.html

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
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