「シンデレラ」
「FMK MorningGlory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、
今週土曜日・4月25日から公開される「シンデレラ」です。
今週土曜日・4月25日から公開される「シンデレラ」です。
幼いころに、誰もが一度は絵本やアニメで見たことのある、シンデレラ。
ディスニーランドの中心にそびえるシンデレラ城や、
ディズニー映画の冒頭に必ず上映されるロゴなど、
ディズニーにとって最も大切な象徴となっているのが「シンデレラ」です。
1950年にアニメ版の「シンデレラ」が公開されていますが、
この作品は、ディズニーの創業者ウォルト・ディズニーが
最も大切にしていた作品と言われています。
ウォルト自身、決して裕福でなかった子供時代から
大きな夢を抱き続け、苦労の末に、映画スタジオやテーマパークを
作り上げ、アメリカンドリームを掴んだ人物として知られています。
「信じれば、夢は必ず叶う」というのがウォルトの信条ですが、
「シンデレラ」にはそのメッセージが一番込められているんです。
そんな大切な物語が、アニメ版から65年たった今年、
見事に実写映画化されました。
監督は、俳優、脚本家、プロデューサーとしても活躍する
イギリスを代表する演出家・ケネス・ブラナー。
シェイクスピア劇の舞台を数多く手掛けてきたブラナー監督は、
シンデレラを実写化するのに最適な演出家でした。
シンデレラは何度もアニメや映画、ドラマになっている
みんなが知っている物語。だからこそ、シェイクスピア劇のように、
どう解釈して、どう演出するが重要になってきます。
インタビューによりますと、この作品について監督はこう語っています。
「有名なおとぎ話をまったく新しい視点で語り直しています。これまでのシンデレラにありがちだった『受け身』なヒロインでなく、なにが自分にとって幸せなのかを、自分の力で決断していく少女のストーリーとして描いています。」
シンデレラを演じるのは、イギリス出身の新進女優で話題のドラマ
「ダウントン・アビー」にも出演しているリリー・ジェームズ。
また、シンデレラをいじめる まま母を、「ブルー・ジャスミン」で
アカデミー賞主演女優賞を獲得したケイト・ブランシェット、
魔法使いのフェアリー・ゴッド・マザーを「ファイトクラブ」、
「アリス・イン・ワンダーランド」などの
ヘレナ・ボナム=カーターといった、豪華キャストが演じています。
これまで、「塔の上のラプンツェル」「アナと雪の女王」
「マレフィセント」と、古典的なおとぎ話を新たな女性像で
生まれ変わらせてきたディズニー。
今回も、両親を亡くし、まま母とその連れ子の姉妹に
召使のようにいじめられていた
シンデレラが、お城の舞踏会で王子様と恋に落ち、結婚する、
というストーリーは変わりませんが、シンデレラのキャラクターは
自分の意思を強く持った、勇気と優しさを兼ね備えた女性に大きくシフト。
また、王子とのラブストーリーでも、舞踏会で突然会うのではなく、
事前に森の中で出会い、王子もシンデレラの見た目ではなく内面に惹かれるなど、
より自然にアレンジされています。このちょっとしたアレンジが、
後半のドラマの意味を大きく変えていますので、注意して観てくださいね。
実は、1980年代あたりから、アメリカでは、「シンデレラ」という物語が攻撃されてきた歴史があります、「『シンデレラ』は、女性の自立を妨げるおとぎ話。
白馬の王子様を待つストーリーが、男性主導の価値観を植え付け、無意識に女性の自立を妨げている。」というのです。この論を展開した「シンデレラ・コンプレックス」という本が、ベストセラーになったのをきっかけに、多くの評論家が、「シンデレラ」やディズニー作品の保守性を攻撃してきました。
ブラナー監督は、このあたりの事情も十分理解して、今回の物語を再構築しています。
オリジナルのストーリーの骨格を生かしながら、細部のセリフなどの演出を工夫することで、見事に「自立した女性・シンデレラ」が描かれます。このあたりは、さすがにシェイクスピア劇での経験が生かされているポイントと言えると思います。
もちろん、そんな難しい解釈なんかわからなくても、カボチャの馬車やガラスの靴、豪華絢爛な舞踏会といったファンタジーの要素も満載なのでビジュアルもたっぷり楽しめます。
舞踏会のシーンは、アニメ版でも豪華絢爛なイメージで描かれた有名なシーン。
お城の大広間を再現するためにイギリスのパインウッド・スタジオに巨大なセットが作られました。巨大な階段と大理石の床、1800メートルを越える布地から作られたカーテン、わざわざイタリアでカスタムメイドされたシャンデリアとゴージャスな舞台が作られました。
特に、アカデミー賞衣装デザイン賞を3度も受賞したサンディ・パウエルによる素晴らしい衣装はうっとりしてしまいますよ。
舞踏会でシンデレラが着るブルーのドレスにはかなりこだわったそうで、コンセプトから実際に衣装を作るまで2年以上かけて作られました。透き通るような美しい青を是非、劇場で確認してください。
大人から子供まで、誰もが楽しめる王道のディズニー映画!
「アナと雪の女王」続編として話題になっている「アナと雪の女王 エルサのサプライズ」という短編映画も同時上映されますので、アナ雪ファンも必見です!
ここで余談ですが、ディズニーによるこの実写化シリーズは、まだまだ続きます。
今後は、「美女と野獣」、「ダンボ」、「ジャングルブック」、「101匹わんちゃん大行進」、「ピノキオ」、「ムーラン」などがディズニーによって実写映画化の予定だそうですよ。楽しみですねぇ。どんな有名監督が実写映画を手掛けるのかも、気になるところですね。
今日ご紹介した「シンデレラ」は、
■シネプレックス熊本
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・4月25日から公開されます。
「シンデレラ」オフィシャルサイト