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「わくわく節水キャンペーン」

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今日は熊本市役所 水保全課の杉村瑞代さんがゲストです。
「わくわく節水キャンペーン」について伺いました。

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◆「熊本市節水キャンペーン」について、基本情報をお願います。
 
正式名称:わくわく節水キャンペーン
担当部署:熊本市環境局水保全課(手取本町1-1)
キャンペーン応募期間:8/1~10/9
問い合わせ先:
(運営受託者)株式会社電通 九州節水係
TEL : 096-324-2400
HP:くまもとウォーターライフ
 
基本情報:
熊本市内在住の方を対象に実施する節水キャンペーン。
8月又は9月にご自宅に届く水道料金の検針票が
そのまま応募券になります。
応募資格は、前年同期と比べて、1㎥でも水の使用量が減っていること。
(=節水できていること)
応募いただくと、抽選で、
「熊本の地下水を育てる農産物(※)」のセット
(1等1万円相当、2等5千円相当、3等1千円相当)や
オリジナル真空ステンレス製水筒(4等)などが、
合計263名様に当たります。7月・8月に節水にチャレンジして、
8月または9月にご自宅に届く水道料金検針票で応募ください。
(キャンペーン応募期間:8/1~10/9※当日消印有効)
(※)熊本の地下水を育てる農産物とは・・・
熊本の地下水をかん養する地域(白川中流域)で
育った農産物を指しています。
消費することで地下水保全への貢献にもつながります。
 
◆熊本市は地下水で有名な都市ですが
まず現在の状況を詳しく教えて下さい。
 
はい。皆さんご存知の方も多いと思いますが、熊本市は、
人口74万人の水道水源を100%地下水でまかなっています。
日本の約8割以上が河川水を水道水として利用しているのに対し、
約74万市民の水道水源を全て地下水で賄うというのは、
日本でも他に例を見ない都市なのです。
 
実は、熊本が地下水に恵まれている理由は、
大昔の阿蘇火山の大噴火と、加藤清正公に秘密があります。
大昔、阿蘇山の4度の大噴火によって、
とても水を浸透させやすい特徴を持つ熊本の台地ができあがりました。
そこに肥後藩主加藤清正公によって、大規模な水田開発が行われました。
そのことによって、もともと水を浸透させやすい大地の上に、
たくさんの田んぼが開かれ、結果的にそこから大量の水が
地下に浸透したことで、
熊本の地下水はますます豊富になったそうです。
阿蘇の恵みと清正公をはじめとする先人達の努力によって、
熊本地域の地下水を作り出す仕組みが作られたといえます。
また、熊本市の地下水は、阿蘇の外輪山西麓あたりから熊本市まで、
およそ20年かけてゆっくり地下を流れてくるといわれています。
その間にミネラル成分や炭酸分がバランスよく溶け込み、
おいしい地下水になるのです。熊本市民は、
いつでも蛇口からおいしいミネラルウォーターを
手にすることができる、とても恵まれた都市に
暮らしているのです。
 
一方で、すばらしい地下水に恵まれた私たち熊本市民が
使う生活用の水の量は、九州の他都市に比べて多いのも現状です。
いくら地下水に恵まれているといっても、使いすぎていては、
未来の子供たちにすばらしい地下水を引き継ぐことが出来ません。
また、長年低下傾向にあった熊本の地下水位ですが、
近年一部では回復の兆しも見え始めています。
これまでの地下水保全の取組みの成果が
現れ始めていると考えられますが、まだまだ、
継続した取組みが必要なのです。
 
◆そこで、節水が重要ということですね。
 
私たち市民1人ひとりが今日からでも出来る
地下水保全のとりくみ、それが「節水」なのです。
九州のほかの都市と比べても、熊本市民が家庭で使う水の量は
まだまだ多く限りある貴重な地下水を保全するためには、
市民一人ひとりの理解と協力が必要なのです。
 
◆「節水市民運動」とは何ですか?
 
熊本市では節水型社会の形成を目指して、平成17年度から
熊本市民総参加で節水に取り組む「節水市民運動」を展開しています。
 
この節水市民運動も、既に10年を経過しまして、
市民の皆様の節水の意識は確実に高まりました。
生活用の水使用量は毎年着実に減少しています。
 
◆「わくわく節水倶楽部」とはどんな活動している組織ですか、
具体的活動内容を教えて下さい。
 
「わくわく節水倶楽部」は、市民協働で節水市民運動を推進し、
地下水を未来の子ども達に守り伝えていくための市民組織です。
趣旨に賛同する市民・団体・事業者の皆さんにご入会いただき、
節水の実践や呼びかけなどを行い、
節水の輪を人から人へ広げていくのがねらいです。
入会登録は無料で、入会後には会報誌や
節水ステッカーなどをお送りします。
また、メールマガジンによる情報提供も行っています。
ぜひ、皆さん、ご入会ください。
 
◆それでは、具体的に、私たちが生活する上で、
上手に節水する方法を教えてください。
 
「節水218(ニイイチハチ)運動」をキャッチコピーに
呼びかけていますが、具体的には「1人1日あたり2ℓの節水」を
お願いしています。
熊本市民1人ひとりが、毎日2リットルの節水に成功すると、
平成30年度までに目標値218ℓを達成できるのです。
 
水道の蛇口からは、1分間に6リットルから12リットルの水が
出ると言われていますので、水を使う際にこまめに
蛇口の開け閉めをすると、簡単に2リットルの節水が出来るんです。
 
たとえば、
・ハミガキのうがいにコップを使うことで、
約6リットルの節水ができます。
・洗濯は、まとめ洗いをし、さらにお風呂の残り湯を
洗濯に使いましょう。一回で約100リットルの節水になります。
・トイレは、2度流しをせず、1回で流しましょう。
1回で6~10リットルの節水になります。
また、大小レバーがついている場合は、使い分けをしましょう。
・食器はつけおき洗いをしましょう。
1回で約80リットルの節水になります。
また、洗剤を適量使用することで、すすぎ水は少なくて済み、
質の保全にも役立ちます。
食器に残った油汚れを不要な紙などで拭いてから洗うと、
さらに節水になります。
・シャワーはこまめな開け閉めが肝心です。
流しっぱなしにすると、
たった1分間でも12リットルの水が流れます。
また、沸かしすぎにも注意です。
温度を調整するのに、さらに水が必要になります。
お風呂場の掃除を残り湯でするのもお勧めです。
・お庭の水撒きには、ジョウロを使用するか、
ホースには手元制御弁を付けましょう。
ホース蛇口のこまめな開け閉めが出来て節水になります。
そのほかちょっとした植物の水遣りには、
米のとぎ汁を活用するのもいいかもしれません。
・屋根に降った雨水を溜める「雨水貯留タンク」を
ご自宅に設置すれば、庭木の水やりや家庭菜園など、
幅広く雨水を使うことが出来ます。
タンクの設置には、熊本市が補助金を出していますので、
是非補助制度をご活用ください。
1件当たり、上限で35000円の補助がされます。
 
節水とは、必要な水は使いながら、無駄な水の使用をやめることです。
いきなりたくさんの節水を毎日続けるというのは、
実際は難しいと思います。生活のなかで、
はじめはちょっとした節水を心がけることから始めて、
それを習慣にしていくことが肝心だと思って、
皆様にお勧めしています。
 
◆「節水218運動」という言葉があるそうですね。
詳しく解説をお願いします。
 
昨年から新たに、「1人1日あたりの生活用の水使用量を218ℓ」に
することを目標にして、「節水218(ニイイチハチ)運動」の
キャッチコピーのもと、節水市民運動を展開しています。
平成17年度から始まった「節水市民運動」ですが、
当初は熊本市民1人1日あたりの生活用の水使用量を10%削減する
230リットルを目標に取り組んできました。
市民の皆様に「節水市民運動」が着実に浸透したことによって、
当初の目標「230リットル」は平成24・25年度と
2年連続で目標を達成することが出来ました。しかし、
他の都市と比べると、まだ熊本市民の水使用量は多い状況にあります。
そこで昨年から、「1人1日あたりの生活用の水使用量を218ℓ」に
することを新たな目標にして、「節水218(ニイイチハチ)運動」の
キャッチコピーのもと、節水市民運動を展開しています。
 
この218ℓとは、九州の主な都市の水使用量の平均値なのです。
これからは、新たな目標218ℓを平成30年度までに
達成できるように、市民総参加で頑張っていきましょう!
 
◆お仕事を通じての苦労、やりがいなどあればお願いします。
 
私は、今年から節水の担当になったばかりですが、
節水市民運動自体は既に始まって10年を経過しているので、
おかげさまで市民の皆様にもかなり熊本市の節水の
取り組みについて知ってもらえるようになってきています。
中でも、節水啓発キャラクターの「節水ちゃん」という
かわいらしいマスコットキャラクターがいるのですが、
イベントなどで登場して、喜んでもらえた時がとても嬉しいです。
先日も節水のPRパレードを下通りで行ったのですが、
とおりを行きかう若い人から「節水ちゃんだ!」と
声を掛けてもらえたのがとっても嬉しかったです。
くまもんに比べると、認知度は熊本市限定ではありますが、
地域に愛される節水ちゃんを目指して、
PRをしていきたいと思っています。
 
◆最後に熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
年間をとおして節水市民運動を展開している中でも、
これからの7月と8月は最も水使用量が多くなる時期です。
そのため、この期間を「夏季の節水重点期間」と位置づけて、
今年度も広く節水を呼びかけていきます。
夏季の節水重点期間中は、私たち1人ひとりが、
実際にどのくらいの水を使っているのかをお知らせするために、
7月・8月は毎日、前日の1人あたりの水使用量を公表しています。
公表場所は、各区役所ロビー、各総合出張所、各出張所、
それから市のホームページなどです。
毎日更新していますので、確認していただき、
日々の励みにしていただければと思います。
他にも、お祭りやイベントなどで節水の広報を行います。
8月は、火の国祭、江津湖花火大会、動物園の夜間開園などで、
啓発イベントを予定していますので、お越しの際には
是非お立ち寄りください。
また、今年度も「わくわく節水キャンペーン」を行います。
8月・9月に家に届く水道の検針票がそのまま応募券になります。
前の年の同じ月と比べて、水道の使用量が減っていたら、
是非応募ください。抽選で、熊本の地下水を涵養する地域で育った
農産物の詰め合わせ「水の恵みセット」など
合計263名に賞品が当たります。
7月・8月に節水にチャレンジして、8月・9月に応募しましょう!
 
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