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「テッド2」

「FMK Morning Glory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日は、現在公開中の「テッド2」をご紹介しましょう。
 
見た目はかわいいテディ・ベアだけど、
中身は下品で過激な中年のおっさん
というギャップが評判を呼び、本国アメリカだけでなく、
日本でも大ヒットした前作の「テッド」。
まるで生きているような生きているぬいぐるみ、
テッドのキャラクターに多くの人が虜となりました。
2013年に公開され、なんと日本での年間興行ランキングの4位。
堂々41億円の興行成績を叩きだしています。
 
そして、いよいよ登場した全世界待望の続編が、
今日ご紹介する「テッド2」です。
 
冴えない中年男のジョンは、恋人ローリーと結婚したのですが、
たった4年で離婚。今では、さみしい1人ぐらしを続けていました。
ジョンの友人・テディ・ベアのテッドは、
バイト先で知り合った女性タミ・リンと結婚。
ところが新婚なのにケンカが絶えず、夫婦仲はうまくいっていません。
「子はかすがい」とアドバイスされたテッドは、
自分たちも子供をもちたいと思うようになります。
ジョンに精子提供のドナーを頼んだり、養子を迎えようとしたり、
様々な努力を続けます。
しかし、養子を持とうと思っても、州政府により
「テッドは人間ではなく“モノ”なので、子供はもてない。
テッドに人権は認められない。」
と通達され、結婚さえ無効とされてしまいます。
親友が受けた仕打ちに怒ったジョンは、弁護士を雇い、
テッドの人権を勝ち取るための訴訟を起こします!
果たして、テッドは人間と認められ、
子供をもつことができるのでしょうか?
 
“訴訟”だなんて、今回は何だかシリアスなストーリーのように
思いますが、そんなことはありません!
今回も、ジョンとテッドのおバカっぷりは相変わらず。
テッドはテディ・ベアなので、自分で子供を作るのは無理。
ならば・・・、というわけで
あの手この手で子供をもとうとするんですが、
そのドタバタは下ネタ満載。
養子をもつために起こした裁判でも、過激なギャグが連発で、
前作で大いに笑ったかたは、今回も安心して楽しめます。
 
1作目が大ヒットしたためか、今回の続編は、
予算もたっぷりかかっているようで、
いろんな部分が、かなり豪華にグレードアップしています。
まず、オープニングのタイトルバック。
タキシードで正装したテッドがたくさんのダンサーたちを従え、
ウエディングケーキの巨大セットやピアノ鍵盤の上で
くるくる回転しながら踊りまくる豪華版。
これは、ハリウッドミュージカルの伝説的振付師
バズビー・バークレーのスタイルを受けついだ正統派なもの。
ダンサーたちの動きがまるで幾何学模様のように美しく動く
素晴らしいダンスシーンになっています。
この豪華シーンの後に続くのが、
安アパートの部屋でケンカするテッド夫婦です。
この落差のギャグで「冒頭のつかみはOK」って感じです。
 
豪華なのは、セットだけではありません。
キャストも前作より確実にグレードアップしています。
有名人が本人役でカメオ出演しているシーンは、
たくさんありすぎて数えきれないくらいです。
 
特に注目してほしいのは、敏腕弁護士として
クライマックスに登場するモーガン・フリーマン。
アカデミー賞も受賞したことのあるハリウッドを代表する名優が、
テッドを弁護するシーンは、素晴らしい仕上がりです。
テッドの人権を主張するその言葉は、ある意味「差別」と
戦ってきたアメリカの歴史そのものを表現した名セリフです。
「人とは、何か?・・・・何が、人を、人たらしめているのか?」
重厚な演技で名セリフを浪々と語る
モーガン・フリーマンの名場面です。
ひとつもおかしな事を言っていない、むしろ大真面目に
人権を訴えているのに、観客は抱腹絶倒という
とても不思議なシーンになっています。
出番は少ないながら、この映画のクライマックスをすべてもっていく
モーガン・フリーマンの名演技に、是非、注目して下さい。
それから、最近は、アクション俳優としても活躍している
リーアム・ニーソンも、面白い役で登場します。
エンドタイトルが終わった後も爆笑シーンがありますので、
最後まで客席を立たないで鑑賞して下さい。
 
ちなみに、監督のセス・マクファーレンは、脚本、
製作を担当しているほか、テッドの声も担当。
俳優やコメディアンとしても活躍し、
なんと2013年に行われた第85回アカデミー賞では
司会も務めているんです!
 
この司会もスレスレの過激なギャグ満載で、
賛否あったそうですが・・・。
 
また、日本語吹き替え版の声は今回も有吉弘行が行っています。
 
夏の疲れを笑って吹き飛ばしたいかたに、おすすめの1本ですよ!
 
今日ご紹介した「テッド2」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「テッド2」オフィシャルサイト
 
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