10月4日(木)の名盤は
今日は「イエロー・マジック・オーケストラ」「YMO」をピック・アップ。
1978年、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3人で結成されたYMO。
「シンセサイザーとコンピューーターを駆使したテクノ・ポップの世界的な先駆者」と
言われますが、一言だけでは片付けられない不思議さがあります。
わずか5年の活動で見事に音楽性が変化していて、
純粋にテクノ・ポップと呼べるのは初期だけですし、
それでさえ機械演奏と同時に、リズムと主メロは自らの手弾きがメインで、
よくわからなくなります。
細野晴臣と高橋幸宏は、YMO以前からロック・スターの地位を確立、
当時の日本で最高のベーシストであり、ドラマーでした。
坂本龍一は一般的には無名ながら、クラシックを本格的に学んだ
敏腕スタジオ・ミュージシャンでした。そんな超一流のプレイヤー3人が、
コンピューターを使って、世間を相手に思い切り真剣に遊んだだけ
なのかもしれません。お笑い芸人と絡んだり、3人自ら漫才をやったりした
中期から後期になると、逆に音楽はどんどんシリアスになっていきます。
YMOは音楽のみならず、ファッションやライフ・スタイルを巻き込んだ風俗で、
YMOというひとつのジャンルだったのかもしれません。
5年間を風のように過ぎ去った、ジョークとフェイクに満ち溢れたYMOワールド。
このジャンルを通過した人達が、
90年代以降の様々な分野でも活躍しています。