パンズ・ラビリンス
今日紹介したのは、現在公開中の映画「パンズ・ラビリンス」です。
1944年のスペイン内戦を舞台にしたこの作品、
今年のアカデミー賞で3部門に輝くなど、
世界中で高い評価をうけたダークファンタジーです。
内戦で父を亡くした少女・オフェリアは、
母の再婚相手の待つ駐屯地へ身を寄せます。
しかし、義理の父となったビダル大尉は、独裁主義の冷酷な男でした。
過酷な現実から逃れたいオフェリアの前に妖精が現れ、
森の中の迷宮へと導きます。そこには、ヤギの頭と体を持つパンがいて、
魔法の国へ入るための試練を与えるのでした。
「ファンタジー」というと、ファミリー向けの口当たりのいい映画を
思い浮かべますが、この映画はそのイメージとはかなり違います。
現実の世界と幻想の世界がクロスしながら進んでいくんですが、
そのテイストには全く甘さがありません。
スクリーンには次々に、悲しみと恐怖が映し出されていくのですが、
それだけに、ファンタジーを心の友として、過酷な現実を乗り越えようとする
少女のけなげさが際立っています。
監督は、メキシコ出身の、ギレルモ・デル・トロ。
彼は「ミミック」や「ブレイド2」などホラーテイストの作品で知られていますが、
豊富な知識や技術から生まれる、ちょっとグロテスクで独創的な映像から、
「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンとよく比較されるそうです。
ファンタジーは子供のものと思っている大人にこそ見て欲しい傑作です。
映画「パンズ・ラビリンス」は、■シネプレックス熊本 で、現在上映中です。
「パンズ・ラビリンス」オフィシャルサイト http://www.panslabyrinth.jp/