12月27日(木)の名盤は
今日が2007年最後のこのコーナーになりますね。
あんまり明るい話題の少なかった2007年だったように思いますが、
くよくよしないで、楽しく!今日はボビー・マクファーリンの
「ドント・ウォリー・ビー・ハッピー」を紹介しました。
皆さん、ア・カペラというのはご存知だと思います。
楽器の伴奏なしに歌うスタイルのことですが、
これは基本的に言葉に重点を置いた、歌とコーラス世界です。
これを一歩進めて、言葉を離れて、声で楽器の役割まで演じてしまうのが、
ヴォイス・インストゥルメントと呼ばれるものです。
最近のヒップホップやR&B系のグループには
「ヴォイパ」=「ヴォイス・パーカッション」という、声でビートを出す人が
いる場合も多いですが、これもこの一種です。
それをさらにもう一歩発展させて、歌とか楽器とかを超越して、
あらゆる表現を声だけで構築する「ヴォイス・パフォーマー」の
第一人者と呼ばれるのが、このボビー・マクファーリンです。
もともとは前衛ジャズの分野から出てきた人で、
初めはもっと高尚で難解な感じでしたが、
1988年発表の4作目のアルバムでは、ロックの有名曲を
声だけでカバーする遊び心を見せ、自作曲もグッとポップで
親しみやすいものになり、それまでのどちらかというと技術自慢とも
言えなくもなかった作風から大胆に変身、
その中の1曲が底抜けに明るいこの曲で、
映画「カクテル」のサントラにも使用され、全米No.1の大ヒットを記録しました。
もちろん、口笛を含めて、すべての音は彼一人のヴォイスによるものです。