2月21日(木)の名盤は…
今日は大ヒット・ライヴ・アルバム「チープ・トリックat武道館」の
発売30周年記念として、この4月に同じ日本武道館で、
30年前とまったく同じセット・リストでライヴを行うと発表した、
チープ・トリックの、しかも日本が生んだライヴ名盤をご紹介しましょう。
彼らは1977年にデビューしますが、
最初の2枚のアルバムは本国アメリカでも、イギリスでも
さっぱり売れませんでした。
ところが世界中で唯一、日本だけでとても人気が出たのです。
“金髪の王子”、“黒髪のイケメン”、そしてこう言っては何ですが、
まぁ、“ただのおっさん”、と“ちょっとアブない人”という
4人のキャラが立っていたことと、ビートルズをルーツとする音楽性が、
日本人の好みに合ったのでしょう。
1978年4月に3rdアルバム発売ツアーで初来日を果たした彼らは、
想像を絶する日本のファンの熱烈な歓迎ぶりに驚き、感激し、
武道館公演を録音して日本だけで限定発売しました。
これが「チープ・トリックat武道館」です。
さて、ツアーを終え、帰国した彼らを待っていたのは、
3rdアルバムもアメリカではたいして売れなかったという現実でした。
けれども、ここで奇跡が起きます。ラジオのDJたちが、どこで手に入れたのか、
武道館音源をON AIRし始めたのです。これにリスナーが反応。
日本からの逆輸入盤が、通常の2倍以上の値段にも関わらず、
飛ぶように売れ出します。
翌年1979年2月には正式にアメリカ盤も発売され、
最終的に300万枚のビッグ・ヒットとなったのです。
これを機に、過去の作品も火がつき、彼らはトップ・バンドに成り上がりました。
例えばクイーンも日本で最初に売れたわけですが、
チープ・トリックのように日本人が本国のファンにその良さを教え、
日本のファンと共に成長したバンドは他にありません。
「at武道館」というアルバムを日本のロック・ファンは誇りに思ってもいいでしょう。