潜水服は蝶の夢を見る
今日紹介したのは、今週土曜日・3月8日から公開される映画
「潜水服は蝶の夢を見る」です。
もし、明日倒れて、自由に身体を動かすことができなくなったら・・・?
これは、実際にその状況に陥ってしまった、フランスのファッション雑誌編集長、
ジャン=ドミニク・ボビーの自伝を、「バスキア」「夜になる前に」の
ジュリアン・シュナーベル監督が映画化した作品です。
脳梗塞で倒れ、こん睡状態から目覚めたジャン=ドミニク(通称ジャン・ドー)は、
左目以外、身体が動かない状態になっていました。
生きる気力を失い、絶望の淵に立たされた彼ですが、瞬きによる会話を覚え、
「動かない身体でも、自分には記憶と想像力がある」と、
生きる気力を取り戻し、自伝を綴りはじめます。
現代アーティストでもあるジュリアン・シュナーベルは、
驚くほど美しく斬新な映像と、ユーモアあふれる人間くさいキャラクターで
演出しています。
特に素晴らしいのが映像で、最初、主人公の左目と一体化したカメラは、
狭い視界で主人公の不自由さや苛立ちを観客に体感させます。
やがて希望を見出すと共に、カメラは時空を超えて、
美しい思い出やイメージを映し出し、
彼の“生きる喜び”をひしひしと伝えてくるのです。
主人公のジャン・ドーを演じるのは、「ミュンヘン」のマチュー・アマルリック。
ほとんど左目だけで感情を表現する彼の演技は、素晴らしいのひと言です。
当初この役は、ジョニー・デップが演じる予定でしたが、
撮影スケジュールの都合で仕方なく降板。
後に完成品を観た彼は、2007年のナンバーワン映画に挙げています。
生きること、愛することを生き生きと描き出した傑作!
ぜひスクリーンで確認してください!
映画「潜水服は蝶の夢を見る」は、
■Denkikan で3月8日から公開です。
「潜水服は蝶の夢を見る」オフィシャルサイト http://chou-no-yume.com/