「ピクニックあるいは回遊」
さまざまなアートの話題をお届けしています「アートなくらし」。
今日は4月19日(土)から現代美術館で開催されている
「ピクニックあるいは回遊」という作品展を紹介しました。
九州、熊本に縁のある作家に注目した展覧会で、彫刻、写真、絵画など、
あらゆる表現方法の19人の作家の作品を一堂に見ることができます。
今日、その中のお一人熊本出身、多摩美術大学で日本画を専攻された、
「篠塚聖哉」さんです。
Tシャツにジーンズ、スニーカーというカジュアルなスタイルが似合う、
まさか日本画を専攻されていたとは思わないようなルックスの篠塚さん。
日本画を始めたきっかけは?
専門学校のデザイン化で、ある先生が
「お前日本画の方が向いてるんじゃなかと?」と言われたのがきっかけ。
現在は日本画の手法に捉われず、
「大気の循環」や「湿度」をテーマに作品を作っていらっしゃいます。
今回どんな作品が展示されているんですか?
水採用の紙にオイルパステルを使って描いています。
描いている時に出てくる絵に応じて描いているとこういう作品になります。
作品を描くには、2パターンあると思うんです。
使いたい素材があってその素材を活かしたいという人と、
主題があってその主題にあった素材を探したいという人。
僕は、自分の持っているイメージに近いオイルパステルを使っています。
「大気の循環」「湿気」というキーワードを頭に置いて、
ぜひ作品をご覧下さい。
ちなみに、篠塚さんにとってのピクニックとは?
サンポしたりするのは凄く好きです。
歩いてるという行為がすごく落ち着きます。
自分の中で考えがまとまったりするような時間だったりしますね。
続いては「田中みぎわ」さんです。東京都のご出身ですが、
祖父母の家が菊池にあるという熊本に縁がある方です。
田中さんの作品は墨だけを使って描いた水墨画です。
まずはなぜ墨一色で表現しようと思ったのか、そのきっかけは?
もともと私は大学で日本画を先行していて、色を使って描いていました。
ある時、石垣島に行ったところ、
東の空に西日を浴びた真っ赤な雲がぽっかり浮かんでいたです。
赤を使ってかいてもその時に受けた感銘を表現できなかったんです。
それで悩んでいたところ、スケッチ(木炭)で描いていると、
その方が色や空気間をより表している気がして。
それからは墨と紙だけで描いています。
熊本の作品もありますが、熊本はどんな印象ですか?
熊本にもよく絵を描きにきていますが、
田園の広がるゆったりとした風景を感じながら描いているので、
優しい作風になります。
その他、荒々しい石垣島の自然に対して、守られているような東京の自然と、
同じ雲や雨でも場所によって見せる表情の違いを田中さんは捕らえています。
ぜひそのタッチの違いなどを実際に作品を見て比較してみてください。
最後に田中さんにとってのピクニックとは?
ピクニックは毎日しているような感じです。
私にとって製作の中でスケッチが大事なんです。
かごの中にノートや木炭を入れてスケッチできる場所を探しています。