6月5日(木)の名盤は…
今日は1980年代前半に活躍したクォーターフラッシュを紹介しました。
アメリカのオレゴン州ポートランドで1960年代に結成された
高校生バンドを母体とし、やはりポートランドで活動していた
他のバンドのメンバーと合体。
6人組のクォーターフラッシュとなったのが、1980年。
この間に中心メンバーの紅一点ヴォーカル、リンディと
ギタリストでほとんどの曲を手がけるマークは結婚しています。
まず地元インディ・レーベルから発表したシングル「ミスティ・ハート」が、
ポートランドのラジオで1位となり、これを認められてメジャーと契約。
1981年末にメジャー・デビューを果たします。
デビュー曲に選ばれたのは、もちろん「ミスティ・ハート」。
地元ではすでに人気曲だったこれを、お金と手間をかけて
メジャー流のサウンドに新録音したものです。
これがラジオを中心にして注目が全米に広まり、
じわじわとチャートを上昇。
年が明けて1982年2月には全米3位を記録する大ヒットとなったのです。
バンドを始めてからおよそ15年。結婚して30歳を超えての遅咲きながら、
大輪の花をデビューにして咲かせたのでした。
でもかえってこれがよかったのかもしれません。
ヴォーカルのリンディは歌いながらサックスも吹くのですが、
(当時はとして女性がサックスを吹くのはとても珍しかったのです。)
これが実にカッコ良く、ヴォーカルの艶っぽさといい、サックスの音色や、
構えたときの立ち姿といい、二十代の女性とはまた違う、
セクシーな雰囲気が漂っていたからです。
彼女の二十代の時を知らず、いきなり三十代での登場だったからこそ、
全米の若者のソウルをわしづかみにしたのではないでしょうか。
あえて抑えたノリと構成もそんな魅力を強調した名曲です。