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「ピクニックあるいは回遊」

さまざまなアートの話題をお届けしています「アートなくらし」。

今日は4月19日(土)から現代美術館で開催されている

「ピクニックあるいは回遊」という作品展を取り上げました。

九州、熊本に縁のある作家に注目した展覧会で、彫刻、写真、絵画など、

あらゆる表現方法の19人の作家の作品を一堂に見ることができます。

7月6日(日)までの開催期間、19人の作家の中から毎月お二人ずつ

インタビューを紹介しています。

今日、紹介したお二人は、絵画や彫刻などとは違って、

空間全体を使って表現した作品を展示していらっしゃいます。

お一人目は隣の福岡県出身の「武内貴子」さんです。

武内さんの作品は、緑色の布で作った紐を格子状に結び、

天井から吊り下げてあります。

また、上の方には空中に浮いているような感じで、

いくつかの肥後手まりが下げられています。

どのようにして製作したのですか?

布に蝋燭のロウを染みこませていて、

一見和紙のように見えるのではないでしょうか?

この素材を使って結んでいきました。

半年前に熊本にきた時に緑がきれいだと伺ったので、

その緑をいかしつつ、肥後手まりの色彩の美しさをテーマにしました。

武内さんの作品は、格子状の紐の間を通ることができますので、

眺めるだけではなく、内側からもご覧になってみてください。

武内さんがこのような作品を作るようになったきっかけは?

もともとは帯の結び目からきていて、

その造形の美しさを研究していたんです。結んでいくと、

今回ろうを染みこませている事で「シュッ」と音がするんですが、

それで自分が結ばれているような感じがするんです。

武内さんのピクニックの思い出は?

3・4年ぐらい前にイギリス人のアーティストが廃材とかゴミをもってきて

これで家を作ってみんなで家を作ってピクニックをしようと

言い出した事があって、すごく楽しかったです。

続いて宮崎県出身の倉山裕昭さんです。倉山さんも部屋全体を使った

作品になっています。

床一面に鏡を敷きつめて、鏡を真上からライティングしています。

そして、鏡を順番にわっていて、それが壁にも写っています。

来た人には、割った鏡の上を歩いてもらうことで観賞してもらいます。

鏡の割れ目に光が反射して、天井や壁など部屋全体に、

まるで光が反射した水面が写っているよような空間が出来上がっています。

吊るされているライトを手で揺らすと、それに合わせて水面が揺れるような

ゆらめきを楽しむことができます。

もともと大学時代は油絵を専攻されていたそうですね?

はい、大学では油絵のコースにいましたが、

入学してからは油絵は描いていません。浪人中にイヤになったというか(笑)

入学してみると、自分より新鮮な絵を描く子たちがいたので、

彼等に任せた方が良いと思い、違うことをしてみました。

最後に倉山さんにとって好きな場所、リラックスできる場所は?

毎日仕事をしたり、育児をしたり、ぐったりしますから、

布団に入った時が一番幸せですかね。

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「ピクニック あるいは回遊」

熊本市現代美術館で7月6日まで開催中。

作品展自体も楽しめますが、

展覧会に関連したイベントも行われていますので、

そちらも併せてお楽しみ下さい。