7月31日(木)の名盤は…
今週はニュー・オリンズ・ソウルを代表するグループ、
ネヴィル・ブラザーズを紹介しました。
一番古くは1950年代からホーケッツ、60年代にはミーターズ、
あるいはソロ歌手としてそれぞれ活動していた、
アート、チャールズ、アーロン、シリルのネヴィル4兄弟が、
1977年に集まって結成したのがこのネヴィル・ブラザーズです。
兄弟で組んでからも30年以上になる大御所です。
彼らの魅力といえば、アーロンのヨーデルを彷彿させる
甘い独特な美声を生かしたスウィートなバラードと、
もうひとつはなんといっても”セカンド・ライン・ビート”と呼ばれる
強力なリズムのファンク・サウンドでしょう。
ジャズ発祥の地、ニュー・オリンズの伝統ともいえるこの
”セカンド・ライン・ビート”は、この地ならではの文化から生まれています。
ニュー・オリンズではお葬式の時、
墓地まで音楽隊を伴ってパレードを行います。
まずは遺族と関係者だけで重々しい曲を演奏しながら棺を運びます。
これがファースト・ライン。
その後ろから近所の人や全く関係のない人や
たまたま通りがかった人までもが参加して、
対称的に賑やかで派手な曲を演奏しながら、踊り、鳴り物をならしながら
パレードを盛り上げるのです。これがセカンド・ライン。
ファースト・ラインが個人を悼むためのもので、
セカンド・ラインは魂が解放されて天国へ行くことを祝う
意味があると言われています。
このセカンド・ラインの明るく楽しく、そしてシンコペイションの効いた
協力なリズムを、R&B/ファンクと融合させたのが、
セカンドライン・ファンクです。
ニュー・オリンズの人たちにとっては生まれた時から親しんでいる、
生活に密着した生命力に溢れる協力なグルーヴ。
それを洗練させて商業音楽として成立させた第一人者が
ネヴィル・ブラザーズです。