「ぐるりのこと。」
今日紹介したのは、現在上映中の「ぐるりのこと。」です。
前作「ハッシュ!」で数々の映画賞を受賞した橋口亮輔監督の、
6年ぶりとなる最新作。
ある夫婦の10年間の時の流れを、丁寧に描き出した作品です。
妻の翔子は、何事もきちんとしたい性格。
一方、夫のカナオは、ひょうひょうとして地に足がついてるのか、
ついてないのか、分からない感じ。
いわゆる、割れ鍋に綴じぶた、といったカップルです。
翔子の妊娠をきっかけに籍を入れ、幸せに暮らし始める2人ですが、
子供の死をきっかけに、翔子の心のバランスが崩れていきます・・・。
妻・翔子を、ドラマ「大奥」の木村多江。
夫・カナオを、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の原作者である
リリー・フランキーが演じています。
リリー・フランキーは、もちろん映画初主演ですが、彼の、
演技を感じさせないリアルなたたずまいが実に良いです!
夫婦2人だけの会話のシーンも多いんですが、
たわいもないことを話しているのに、とても面白い。
2人の間にある絶妙の空気感が、この映画のキモだと思います。
また、法廷画家というカナオの職業を通して、
90年代に起こった様々な事件が描き出され、
社会的な視点も加わっています。
裁判のシーンには、映画好きならニヤリとする
豪華キャストが出演していますので、
ぜひそちらにも注目してみてください。
この映画「ぐるりのこと。」は、
■ Denkikanで、現在上映中です。
「ぐるりのこと。」 http://www.gururinokoto.jp/index.html