2月19日の名盤は…
今日は、アメリカで根強い人気を誇る女性シンガー・ソング・ライター、
ジル・ソビュールを紹介しました。
楽器を何でもこなすマルチ・プレイヤーなのですが、
何と言っても曲作りが素晴らしいんです。
ポップなメロディが上手いのはもちろん、歌詞の物語性が最高なんです。
しかも毒もユーモアもあるんですよ。
例えば、「あの人は仕事人間で、きっとつまらない人生を
送っているに違いないとみんなでウワサしていた会社のお局さまが、
実は夜になるとバイクを乗り回して人生を楽しんでいるのを知って、
つまらない人生は私の方だった、と気づかされる」歌や、
「学校時代のすごく美人だったんだけど、嫌味な同級生が、
芸能界に入ったまでは知っていたけど、
たまたま目にしたエッチなビデオのパッケージに写っていて、
今はなんだかあの頃のことも許せる気がする」という歌などなど。
着眼点から展開のさせ方、そしてオチのつけ方まで、実に絶品なんです。
そんな彼女の、この季節にぴったりの曲、「バレンタイン・キッス」を
今日はお送りしたいと思いますが、
実はこの日本語のタイトルは日本で勝手に付けたもので、
歌詞の内容はバレンタインとは無関係なんです。
もともとのタイトルは「I kissed a girl」。どんな内容かと言いますと、
仲の良い女友達二人がお互いの彼の愚痴を言いながら
酒を飲んでいるうちに、そのままキッスして夜を共にしちゃったという、
ちょいとアブナイお話なんです。
ちなみに彼女自身はレズビアンではないそうなんですが、
1995年に発表されたこの曲は、全米に衝撃を与え、
とにかく彼女を一躍有名にした代表曲です。
「バレンタイン・キッス」という日本で付けられたタイトルだと、
ただのラヴソングなのかなと想像してしまいがちですよね。
でもそう思われてしまっては、彼女の歌の本当の魅力は伝わりません。
彼女が日本でマイナーなのは、
この辺り(日本語のタイトルの付け方のセンスというか・・・)にも
原因があるんじゃないでしょうかね。