4月23日(木)の名盤は…
今日は、
最近某第3のビールのCMでよく耳にするあの曲を紹介しました。
「ギミ・サム・ラヴィン」という曲で、ブルース・ブラザーズの
カバーでもヒットしていますが、オリジナルは1960年代、
イギリスのザ・スペンサー・デイヴィス・グループです。
世の中にはバンドに限らず、リーダーが一番存在感が薄い、
というグループがたまにありますが、
自分の名前を前面に押し出しているにも関わらず、
目立った活躍をしていないという意味では、
このスペンサー・デイヴィス・グループ゜における
スペンサー・デイヴィスもまさにそんな一人です。
ではこのグループで目立ったメンバーが誰かと言うと、
リード・ボーカルであり、リード・ギター、キーボードをこなし、
ヒット曲のほとんどを作曲したバンドの顔、スティーヴ・ウィンウッドです。
後にトラフィックを結成し、さらにソロに転じ、
イギリスのみならず世界のビッグ・ネームとなる彼の
プロとしてのキャリアの出発点となったのが、このグループだったのです。
このウィンウッド、楽器をなんでもこなすマルチ・プレイヤーで、
作曲能力があり、さらに歌も、という人は少なくないのですが、
そのどれもが異常なまでにレベルが高いという、
類まれなる音楽的才能の持ち主で、しかももっとすごいのが、デビュー当時16才、
この曲の時点でまだ18才という若さだったんです。
特に歌。とても十代のものとは思えません。若さはあっても幼さはありません。
21世紀の現在、十代でデビューするアーティストは
「若いのに素晴らしい」というような評価をされがちですが、
40年前に「若いのに」という枕詞なしに、
大人と同じ土俵で互角以上に戦っていたのが彼だったのです。
昔がとんでもなかったのか、今が過保護なのか。
まぁ、音楽的才能に年齢の要素を加味すると、
本当の天才はスティーヴィ・ワンダーとスティーヴ・ウィンウッドの二人だけ、
なんて言われるほどの別格の人なので単純に比較は出来ないでしょうけれど。
今日お届けしたのは、
スペンサー・デイヴィス・グループで「ギミ・サム・ラヴィン」でした。