4月9日(木)の名盤は…
今日は「サヴァイヴァー」を紹介しました。
このバンド、1970年代初めから様々なバンドを経て、
文字通りしぶとく“生き残って”きた5人のメンバーで結成、
1980年にデビューするもヒットに恵まれずにいましたが、
1982年、なんと、あのS.スタローンから「ロッキー3」の
主題歌のオファーが来たのです。
これに提供したのが「アイ・オブ・ザ・タイガー」。
6週連続全米1位の大ヒットとなり、一躍成功を勝ちとったはずでした。
ところがツアーに出てもトリは取らせてもらえず、ベテランの前座ばかり。
グラミー賞まで受賞したにもかかわらず、です。
それどころか、サヴァイヴァーという名前があまりにもロッキーの人生と
マッチしすぎているために“実はあれはスタローンが作った架空のバンドで、
作曲もスタローン本人である”という根も葉もないデマまで広まってしまい、
次のアルバムは大コケ、
ヴォーカルが脱退と一転して崖っぷちに立たされたのです。
なんとか新歌手を迎えて、
地道にまた生き残りをかけようと動き出した1985年、
再びスタローンから「4」の主題歌を依頼されます。
この依頼を受けるべきか?今回ばかりはさすがに考え込みましたが、
結局、感謝とリヴェンジの両方の気持ちでこれを受けることにしました。
そして今度はバラードを推したのですが、
映画製作サイドが選んだのは前回と同じ路線の「バーニング・ハート」でした。
全米2位の大ヒットとなったものの、
口の悪い人たちは「またロッキー?」「似たような曲ばかり」と言い出します。
しかし、何度も困難をサヴァイヴしてきた彼らは、
こんな声を予測していたように6作目のアルバム「ホエン・セカンズ・カウント」
には「バーニング・ハート」をあえて収録せず、
新曲ばかりで完成させ、ここから3曲のヒットを放ち、
内容的に最高傑作との評価を獲得したのです。
逆境に負けず、しぶとく生き延びてきた者の意地を見せた一撃でした。
(しかしここで力尽き、次作はまたもや大コケ、
遂に90年代をサヴァイヴすることはできませんでした。)
今日はそんなサヴァイヴァーの1986年のナンバー、
「ロッキー4」のために最初に作った
マン・アゲンスト・ザ・ワールドを紹介しました。