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7月23日(木)の名盤は…

今週は、

3回にわたってお送りするニューミュージック特集の2回目でした。

結局ニューミュージックブームの何が一番画期的だったかというと、

それまで演歌や歌謡曲しか日常的に聴いてこなかった大多数の日本人に、

初めて洋楽的な音を届けたことに尽きます。

今までになく垢抜けた”新しい音楽”がAMからもFMからも、

さらにテレビからも流れるのですから自分達の世代の音楽を探していた

若者を中心に人気が爆発しないわけがありません。

1978年から81年ぐらいは毎週トップ10チャートの半数近くを

ニューミュージックが占めるほどの大ブームとなりました。

まさにニューミュージックの時代でした。

しかし、人気の盛り上がりとともに問題も生じてきます。

試行錯誤のすえ、結果としてどこにも属さない新しい音楽となった

はずだったのに、それ自体がひとつのジャンルになってしまい、

ニューミュージックであることを目的とする

質の低いものが乱造されだしてしまって、

ちっとも新しくなくなってきたのです。

まぁ、ニューミュージックに限らずどんなものでも黎明期が一番勢いがあって、

それが確立してしまうと急に失速するのは世の常ですね。

さらにニューミュージック系のアーティスト達が歌謡界に

楽曲提供することも大幅に増えたことにより、

歌謡曲との境界が完全に崩壊してしまいます。

自分で自分の首を絞める結果になったんですね。

最後にもう一つ。

ニューミュージックに慣れたリスナーはより強い刺激を求め出し、

ニューミュージックの成功でノウハウを学んだテレビ局や

レコード会社の利害も一致したことで、

歌謡の香りがほとんどしない、水で薄められていない純ロック系の音楽が

ついにお茶の間に進出してきたのです。

これがとどめとなり、ニューミュージックブームは

急速に終焉を迎えたのでした。

さて、続きは来週にして今日はニューミュージック全盛期の名盤、

八神純子を紹介しましょう。

彼女はピアノ弾き語りのシンガーソングライター。

どんな曲でもサンバ・ホイッスルが活躍するラテン風味が特徴で、

何といっても歌声が素晴らしい。

あとこの曲のポイントはベース・ライン。極めて洋楽的です。

今日お届けしたのは、1978年の曲「想い出のスクリーン」でした。