理学療法士協会
今日は、スポーツとは非情に関係の深い「理学療法」について、
お話をうかがいました。
ご出演は、熊本整形外科病院 リハビリテーション科 副課長
社団法人 熊本県理学療法士協会 スポーツ小委員会委員長
西村英治さんです。
理学療法士とはどんな仕事ですか?仕事内容の概要を教えて下さい。
様々な病気や外傷により、身体運動や機能が低下している人々、
痛みを有する人々により安全に、より早く、計画性をもって治療します。
また、障害の発生が予測される人々に、色々なアドバイスを行います。
そして、障害者やその家族が快適な生活を送れるようにサポートします。
近年は、一般の人々に生活習慣の予防やコントロール指導、
また、福祉用具の選定や住宅改修などの提供により
健全な生活が送れるように活動しています。
理学療法士の方はどんな所で働いていらっしゃいますか?
病院を中心に地域や介護する家族への指導
(住宅改造のへの助言、通所リハ、訪問リハなど)、
最近では予防医学にたいしての助言など広い範囲で行われています。
例えば医院、市民病院、大学病院、リハビリテーション病院などの医療機関。
介護老人保健施設、特別 養護老人ホーム、
通所リハビリテーション施設などの介護保険関連施設。
身体障害者療護施設、重症心身障害児施設、
身体障害児通 園施設などの福祉施設。
(保健所、市役所、県庁などの行政機関。)
近年は医療機関にとどまらず様々な分野で働くようになってきています。
特異的な分野では、プロスポーツ界でコンディショニングや
トレーナーとして働いている方もいらっしゃいます。
私も地元のスポーツ選手のために国体や
日本リーグの試合に派遣されることもあります。
理学療法士になるにはどうすればよいですか?
理学療法士を養成する学校(医療系専門学校、大学など)に入学して、
卒業すると理学療法士国家試験受験資格が取得できます。
そして、国家試験を受験し合格すると、理学療法士になることができます。
熊本県下には7つの養成校があります。
理学療法士協会では市民公開講座やリハビリ介護講座など
開かれていますが、これまでどんな内容の講座を開催されましたか?
昨年平成20年8月には、『メタボに負けないカラダづくり』の健康講座、
本年度8月には、健康講座『スポーツライフを楽しむために』と題して、
ストレッチング教室を『県民交流会館 パレア』にて開催しました。
今年で第7回目の健康講座となりましたが、
理学療法士がデモンストレーションを行いながら、
健康体操やストレッチのポイント、
やり方を実際に参加していただいた方にお伝えしました。
その他、介護教室としては障害児への介護の仕方・考え方を
学校の教諭や関係者に向けての指導や、介護老人をもつ家庭の
ご家族への腰痛体操指導と、在宅に向け家庭で出来る
介護方法の実技指導なども行なっています。
理学療法士の立場からスポーツを楽しむためのアドバイス、
注意事項などを教えて下さい。
まず、無理をしない事が第一だと思います。
個人個人の体力や技能に合わせた運動量をある程度決め、
無理をしないことが大切だと思います。
トレーニングジムでは、その運動量を考慮して
個別の運動メニュー設定をしているように、人は無理をすると、
継続しないことが多くて、途中で放り投げてしまう場合が多いと思います。
また、これからスポーツを始めたいと思っている人は、
まずは基礎的な体力を上げるために、
ウォーキングから始めていただく事が良いかと思います。
ただ歩くのではなく、心拍数をある一定以上まで上げる事が大切となります。
この基礎体力を向上させた上でやりたいスポーツに取り組むといった事が、
怪我が少ない楽しいスポーツ習慣を楽しめるかと思います。
この体力以外に、柔軟性も大切になります。
最近の子供さんは体が非常に硬いと感じます。
柔軟性を高める事が出来ると怪我をしにくい体に結びつける事が出来ますし、
これは私達大人にも言えることだと思います。
筋肉はストレッチしてあげると、誰でも柔らかくなります。
ただし、時間と継続が必要です。
熊本県理学療法士協会 HP http://www.kakudokei.org/