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10月15日(木)の名盤は…

今日はロッド・スチュワートを紹介しました。

ロッドというと近年は音楽の人というよりも、

もしかしたら女性スキャンダルの多い芸能人的なイメージを

持っている方が多いかもしれません。

でも”スケールの大きなイギリス最高のロックンロールシンガー”ということ

忘れるわけにはいきません。

彼の歴史を振り返ってみますと、名前が知られるようになった

1968年から1973年まで。

この時代はイギリスどころか世界中でも無敵な歌を聴かせてくれたのですが、

同時に自らのソロとフェイセズの一員としての年間2枚の

アルバム制作とツアーという過酷な日々で、

さらに彼は明日も考えないほど全身全霊を使った歌い方でしたから、

喉を消耗しきってしまったのでしょう。

スターとしての成功の頂点はこの後にやって来るのですが、

その時はすでにいわゆる全盛期の歌い方からするとロッドにしては、

歌手としてはやや落ちるという状態でした。

それを認めたくなかった部分もあるでしょう。

ツッパッって派手に振舞っていたように見えたのが1975年から80年頃。

最初に挙げた「芸能人的イメージ」というのは

この頃のものじゃないでしょうか。

それだけ人気はピークだったのですが。

1980年から90年代は一番良かった頃に比べると、

悪く言えば何となく小手先でごまかしているような歌になり、

人気も落ちてきます。

けれども、21世紀になると肩の力が抜けた味わい深い歌が

別の魅力を聴かせてくれるようになりました。

あくまで想像ですが、やっと昔のようには歌えない自分を

認めることができたのではないでしょうか。

地味ですが、ひたむきさがあります。

それが伝わったから25年ぶりの全米1位やグラミー初受賞に

つながったように感じます。この路線の今後が楽しみです。

さて今日は1980年の曲ですが、

この時代でも意地を見せた熱唱であり、

黒人音楽に傾倒しながらもイギリス伝統のトラッド風味を決して忘れない

彼の持ち味がよく出た名曲

「今宵焦がれて」をお届けしました。