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12月10日(木)の名盤は…

突然ですが…ここで問題です!

ピンク・フロイド、ジェネシス、ドゥービー・ブラザーズ。

これらの3バンドの共通点は何でしょう?

答えは「途中でリーダーが交代したバンド」です。

リーダーが代わるということ自体はさほど珍しいことではありません。

交代の理由は大きく分けて3つ。

亡くなったり、事故や病気で活動できなくなった場合がひとつ。

リーダー自らが脱退してしまう場合がひとつ。

そしてバンド内クーデターで政権交代する場合。

いずれにしても方向性を決める人が代わるのですから、

サウンドも変化します。

少しだけ変化することもありますが、

まるで別バンドのように変わってしまう例もあります。

さて、では次のリーダーには誰が就任するかというと、

ほとんどは残ったメンバーの中で一番の実力者、

つまり少し前までのNo.2が繰り上がります。

この人は最初からのメンバーでなくてもよく、

中途加入者であってもいいのですが、とにかく前リーダー在籍中に

すでにメンバーであることが重要なのです、普通は。

しかし、この常識を覆したのがイギリスのニュー・ウェイヴ・バンド、

ウルトラヴォックス。

絶対的リーダー、ジョン・フォックスの下、ヒットはなくとも同業者や

マニアに絶大なる支持を受け、後輩達に多大な影響を与えた彼らでしたが、

ある日フォックスが突然バンドを放り出し、ソロに転じました。

残された3人は途方に暮れます。誰もリーダーの器ではなかったからです。

そこで大胆な行動に出たのです。

なんと他のバンドから有能なミッジ・ユーロを引き抜いて、

自分たちのリーダーになってもらったのです。

この前代未聞の秘策が功を奏し、

フォックス時代を大きく上回る商業的成功を手に入れたのでした。

あのとき誰かが欲を出して"自分が・・・"と思ってしまっていたら、

この成功はなかったかもしれません。

己の小物ぶりを知る、ということは難しいことですが、

とても大切なことなのでしょう。

今日お届けしたのは、1980年の曲で、

ウルトラヴォックス「ニュー・ヨーロピアンズ」でした。