12月24日の名盤は…
ちょうど1年前のこのコーナーを覚えている方はいらっしゃるでしょうか?
イギリスには山下達郎の「クリスマス・イヴ」をも超える、
35年以上にも渡って毎年12月になるとヒットチャートを上昇する
お化けのようなクリスマス・ソングが存在するといって、
スレイドの「メリー・クリスマス・エヴリバディ」を紹介したんですね。
実はまったく同じ1973年に発表され、まったく同じ年数だけ
続けて毎年この季節になるとチャートに顔を出すクリスマスの名曲が、
イギリスにはもう1曲あるんです。
それが「I Wish It Could Be Christmas Everyday」です。
60年代からザ・ムーヴというバンドで活躍し、
エレクトリック・ライト・オーケストラを結成した初代リーダーながら
1作で脱退したバーミンガムの奇才、ロイ・ウッドが、次に作ったバンド、
ザ・ウィザードがオリジナル。
チャートの最高位は全英4位ということで、スレイドの1位には負けますが、
その後35年間は勝ったり負けたりを繰り返し、1981年と1984年には
特に大きなリヴァイヴァル・ヒットを記録していて、
トータルで見ればどちらがよりヒットしたのかよくわからない
永遠のライバルといえそうです。
2004年に行われた「イギリス人が好きなクリスマス・ソング トップ20」アンケート
ではスレイドが4位、こちらが7位と、ジョン・レノン(9位)や
ポール・マッカートニー(18位)より上であり、
他の上位曲はバンドエイドやワム!、マライア・キャリーといった
世界的にも有名な曲が並んでいることを考えると、
おそらくはイギリスでしかランクされないであろうこの2曲こそ
イギリスの国民的クリスマス・ソングと呼んでもいいのではないでしょうか。
もちろん、日本人の私たちが聴いてもカッコいい
ロックンロール・クリスマス・ソングだと思います。