3月11日(木)の名盤は…
“20世紀のアメリカで最も愛された歌手は誰か?”という投票が
10年ほど前に行われたことがありました。
その結果、男性歌手はフランク・シナトラ、
女性歌手はバーブラ・ストライザンドが選出されました。
この結果は日本人の我々からすると意外に思えるかもしれません。
20世紀、という100年のスパンがあるので、
ロック誕生以前から活躍しているシナトラが
エルヴィスを抑えたのは理解できなくもないのですが、
バーブラの正式な歌手デビューは1962年。
もっと長く活動する人もいますし、ロック世代で他にもっとヒット曲が多い人が
いそうな感じがするんです。
ところが。誰もいないんです。彼女より明らかに長期にわたって
第一線で活躍する女性も、彼女より実績がある人も存在しないんです。
アルバムは今までに50枚以上がゴールド・レコード以上。
ビルボードの記録ではヒット曲数、アルバム数、総売り上げともに
歴代女性歌手のNo.1、
彼女より上にはエルヴィスとビートルズがいるだけなんです。
グラミー賞10回受賞というのも驚異的。
日本には情報がうまく伝わってないだけなのですね。
それは存在があまりにも巨大だからかもしれません。歌手だけではないのです。
作曲家でもあり、女優でもあり、映画監督でもあります。
グラミーの他にオスカー2回、ゴールデングローブ賞11回、
エミー賞6回、トニー賞1回などなど。
要するに音楽、映画、舞台、テレビ、全てを制覇した、
アメリカン・ショービジネス界のスーパースターが
バーブラ・ストライザンドなのです。
音楽は彼女の一部でしかなく、しかもロック世代にもかかわらず、
いわゆるポップ・フィールドではなくミュージカルなどの
古き良き時代のエンターテインメントの流れを汲む歌が多いのが、
日本で今ひとつわかりにくい存在となっているのでしょう。
しかし、それ故にアメリカでは世代を超えた国民的芸能人のカリスマとして
愛されているのです。
今日お届けしたのは、1980年全米No.1ヒット曲「ウーマン・イン・ラヴ」でした。