5/27 Norma Jean
今日は「イカ天」について紹介しました。
およそ20年前の平成元年初頭から平成2年末まで、
土曜深夜に放送されたテレビ番組で、正式な名称は「いかすバンド天国」。
毎週10組のアマチュアバンドが出場し、
最も高い評価を得たものが、前の週の1位である「イカ天キング」に挑戦、
5週勝ち抜けば「グランドイカ天キング」となり、
メジャー・デビューできるというものでした。
丸2年でおよそ850組のバンドが登場。
空前のバンド・ブームを巻き起こした伝説の番組ですが、
現在も人気の高い有名バンドを輩出したかと思えば、
ほとんど色モノというバンドも出演したりとまさに玉石混淆、
人気を盛り上げた反面、ブームの終焉も早めてしまった功罪ともに
大きかったのでした。
そんな中から今日紹介したいのは
女性5人組のバンドNORMA JEANです。
そこそこ高い演奏力、声量があり魅力的なボーカル、
そして素人っぽく明るいキャラクターで、
番組の初期を彩ったバンドのひとつでした。
特別に凄いわけでもなく、変な個性派でもなく、
思わず感情移入して応援したくなるクラスの人気者というムードは、
ある意味最もイカ天らしいバンドと言えるかもしれません。
彼女達は第11代イカ天キングを勝ちとると、すべて接戦で4週を勝ち抜き、
さらに人気が上昇します。そして最後の5週目に立ちはだかったのが、
あのBEGINでした。しかも曲は名曲の「恋しくて」。
これ、当時見た人はわかると思うのですが、
高校の文化祭の中にセミプロが混じった感じと言うか、
ちょっと次元が違いました。
夢まであと一歩という最後の最後で圧倒的大差の完敗を喫し、
呆然とする彼女達に審査員の一人が声を掛けました。「耐えて燃えろ!」と。
その審査員というのが先日亡くなったラッシャー木村さんでした。
番組史上に残る名場面のひとつと言えると思います。
この言葉通り、悔しさに耐えて燃えたNorma Jeanはメジャー・デビューを果たし、
この曲でオリコン9位。
シーンにしっかりと爪跡を残したのです。
今日お届けしたのは、NORMA JEANで「GET A CHANCE!」でした。