9/16「バッド・カンパニー」
現在公開中のロック・バンドにかける青春を描いた映画「BECK」。
でネタバレにならない程度にこの映画の印象的な点を紹介すると、
“バンドというのは上手いだけではダメ、どうしてもこいつでなければ
という強い絆があってこそ化学反応が生まれる”ということです。
このコーナーでもこれまでにいろいろな音楽の化学反応をご紹介してきました。
では、そんな化学反応が最も起こりにくいのはどんなものかということを
今日は考えてみたいと思います。
それはスーパー・グループに他なりません。
スーパー・グループ・・・要するに、すでに人気も実績も富も名誉もある人たちが
集まって結成したバンドのことですが、
この手のバンドが大成功した試しはほとんどありません。
ほぼ間違いなく期待はずれに終わるか、珍しく期待どおりだったとしても
必ず短命で空中分解してしまいます。
多くの場合はビジネス優先なので、そんなのは論外ですが、
そうでない場合も、大物同士のエゴのぶつかり合いや、
主導権争いで終わってしまうという状況なのでしょう。
そんな中で、元フリーというバンドのメンバーが2人と、
元モット・ザ・フープル、元キング・クリムゾンのメンバーという
合計4人によるバンド、
バッド・カンパニーは、期待通りの成功と内容、
さらに10年続いたという数少ないケースだといえるでしょう。
とてもイギリス臭かった過去の3バンドと異なり、
アメリカを意識した音作りが功を奏したことと、
4人のバランスがとても良く、良い意味で肩の力の抜けた、
腹八分の演奏が衝突を未然に防いだのかもしれません。
名曲がたくさんありますが、
今日は1974年のデビュー曲「キャント・ゲット・イナフ」を紹介しました。
なんと彼ら、来月35年ぶりに来日公演を行う予定です。