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11/25「フィービ・スノウ」

今日は1970年代に主に活躍した女性シンガー・ソングライター、

「フィービ・スノウ」を紹介しました。

黒人とユダヤ人の両親を持ち、ニューヨークに生まれ、

ニュー・ジャージーで育った彼女。

肌の色とアコースティック・ギターを弾き語る姿は、まさに15年早かった

トレイシー・チャップマンとイメージすれば分かりやすいかと思います。

実際、トレイシー・チャップマンはフィービ・スノウからの影響を自ら認めています。

シンガーソングライターといえばフォーク系かカントリー系の素朴な音楽、と

連想する人も多いと思いますが、そんな単純なものでは決してなく、

ブームの全盛期だった1970年代はさまざまな個性をもった才能が数多く登場し、

ある者はボサ・ノヴァを、またある者はラテン音楽をという具合に、

いろんな音楽を取り入れ、組み合わせたサウンドを生み出していました。

ミクスチャー・ロック、なんて言葉が誕生する20年も前から

ロックはミクスチャー音楽だったのです。

さて、フィービ・スノウの場合は、フォークとブルースとジャズが3本柱で、

さらにゴスペルやソウル、ファンクなどの要素が混じり合っています。

要素の数の多さも群を抜いていますが、そのバランスも絶妙です。

似たような人は何人かいますが、ジャズに寄るでもなく、ブルースが濃いでもなく、

3本柱がほぼ均等に配合されているのは、彼女しかいません。

その結果、それまでありそうでどこにもなかった不思議な音楽が生まれました。

不思議といえば彼女の歌声。

シャウトしたり情感たっぷりに歌い上げるわけではないのに、

人の心にすーっと入り込んでくる魔法の歌声というか。

それは例えるならば、人が本当に悲しい時、

泣き叫ぶのではなく呆然と立ちつくして思わずつぶやく声だったり、

苦しい状況の下で悩みながらも独り言でふっと冗談が口をつき、

それに独りツッコミを入れる時の声だったり、

そんな“素”の声に近いのかもしれません。

今日お届けしたのは、1974年の曲「ポエトリー・マン(詩人)」でした。