2/10「クラウデッド・ハウス」
もうすぐヴァレンタイン♪今週は、
このコーナーらしいチョコレートにまつわる名盤を紹介しました。
オーストラリアのロック界を代表する人気バンド、
クラウデッド・ハウス。
1986年の世界的大ヒット「ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー」は
知っている人も多いと思いますが、それに勝るとも劣らない名曲が
1991年の「チョコレート・ケーキ」。
彼らがニューヨークでの体験をもとに書いたもので、
ものすごくポップなロックン・ロールに対して、詞の内容はかなり難解です。
でも何度も詞を読んでるうちに、なんとなくわかってきます。
これは“世界一豊かな国といわれるアメリカだけど、
実際中に入って見てみると
偽物ばかりの変な国じゃないか”と歌っているようです。
それを表面上は“こんなチョコレート・ケーキばっか食ってるから
肥満大国になるんじゃん”というブラック・ユーモアで包んでいるのが
素晴らしいところだと思います。
しかし、それにしても、エルヴィス・プレスリーやアンディ・ウォーホル、
リベラーチェといったアメリカが誇る偉大な人物(しかもすべて故人)が
登場するあたりは、あまりにもシュールすぎます。
そこでちょっと思い当たるフシがあったので調べてみました。
そしたら、やっぱりありました。
ちょこ、というのはドラッグの隠語でもあるんですね。
この曲は、虚構に満ち溢れ、肥満やドラッグ問題を抱える
“病める大国アメリカ”を、決して痛烈に鋭い言葉で攻めるのではなく、
ユーモアと詩的な表現でじわじわと皮肉っているのだろうと思います。
ヒット・シングルにもかかわらず、ベスト・アルバムから
ははずされているのもそんな理由なのかもしれませんね。
今週はこんな、ちょっとほろ苦いチョコレート・ソング
クラウデッド・ハウスで「チョコレート・ケーキ」を紹介しました。