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2/3「ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ」

今週はジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツを紹介しました。

ジョーン・ジェットといえば、ここ日本では1982年の全米No.1ヒット

「アイ・ラヴ・ロックンロール」の一発屋という

認識の人も多いかもしれませんが、

アメリカでは人気も実績も相当なもので、後輩への影響力や、

50歳を超えた今なおピシッと割れた腹筋を誇るルックスや

ストイックさを含めた生き方そのもののカッコ良さで、

ロック界の“アネゴ”として君臨する存在です。

性格的にも本当にアネゴ肌の人のようで、若いバンド、

特に女性ロッカーは積極的にバックアップしてやったり、

プロデュースしてやったり、

色々な相談に乗ったりして面倒見てやっています。

彼女自身、70年代にまだ十代の若さでデビューして以来

ずっと男社会のロック界で苦労してきた経験から、

頑張っている女性バンドを応援せずにはいられないのです。

そして若い人達もそんなジェット姉さんを尊敬し、頼りにしているのです。

例を挙げればたくさんあるのですが、最も彼女が“女を上げた”エピソードを。

デビューしたばかりのある新人バンドの女性ボーカリストが、

レイプされた上で殺害される事件がありました。

犯人は捕まらぬまま警察は捜査を打ち切りに。

そこで音楽仲間が集まってトリビュート・アルバムを制作、

売り上げを私立探偵を雇っての捜査資金にしたんです。

当然のようにジェット姉さんは参加しましたが、

まだ足りぬとばかりに被害者の代役としてそのバンドのボーカルになり、

アルバムを録音、その売り上げも資金に回し、

さらにテレビ番組に出演しまくって情報提供のお願いと警察の捜査再開を

訴え続けたのです。

その執念が通じたのか、事件発生後10年を経て犯人を逮捕、

有罪の判決を勝ち取ったのでした。

女性の敵は許さないというジェット姉さんの怒りからくる行動力は

凄まじいものがありましたが、

それも彼女の圧倒的知名度と社会的信頼があればこそ

絶大な効果が得られるというもの。

日本ではピンとこないかもしれませんが、

彼女はアメリカではそんな存在なのです。

さて、そんなジェット姉さん、唯一苦手なのが実は曲を作ること。

ベスト盤を選曲すると半分が他人のカバーになるのはご愛嬌。

ですが、選曲のセンスは最高です。

今日お届けしたこの曲も実はカバーというのは意外と知られていませんが、

オリジナルの作者が日本にも縁の深いアラン・メリルという人なのは

もっと知られていないかも。

興味があればアラン・メリルで検索してみてください。

いろんな面でビックリする人です。

お届けしたのは、

ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツで「アイ・ラヴ・ロックン・ロール」でした。