3/10「シンディ・ローパー」
今週はスーパースターの名曲のみが成しえることができた、
ちょっとイイお話を。
先週、3月4日、アルゼンチンのとある空港での出来事です。
その日はいろんなトラブルが多発し、飛行機の遅延や欠航が続出。
たくさんの乗客が足止めを食らってしまいました。
最初は我慢していた人々も、長時間に及ぶ待機で精神的にも肉体的にも
疲れ果て、イラ立ち、いつ復旧するともわからぬ不安も相まって、
航空会社や空港側に抗議をはじめると、あっという間にその輪が拡がり、
罵声や怒号が飛び交い、大騒ぎになったそうです。
暴動寸前というところで、同じように復旧を待っていた乗客のひとりが
カウンターへ向かい、アナウンスのマイクを借りてしゃべり始めました。
その女性はなんと、たまたま旅行に来ていたシンディ・ローパー。
何が起こったのか、一瞬理解できなかった人々はきょとんとしますが、
次の瞬間、大歓声に変わります。
“I come home in the morning light~“と
大ヒット曲「ハイスクールはダンステリア」をアカペラで歌い出したからです。
今まで殺気立っていた乗客も空港側の社員も、
みんなみるみる笑顔に変わり、一緒に大合唱です。
思いもよらぬサプライズで騒動は収まり、無事に済んだということです。
居合わせた人が携帯で撮った動画がアップされていて、
これ本当、感動的ですよ。だって26年前の曲ですよ。アルゼンチンですよ。
なのに本当にみんなが大合唱なんです。歌詞を覚えてるのです。
みんな笑顔なんです。いかにこの曲がヒットしたか。
シンディがいかにスターであるか。
でもこの感動はそれだけじゃないような気がします。
冒頭でスーパースターの名曲のみが成しえた、と言いましたけど、
結局は人間なのです。
シンディだからこそ出来たし、彼女だからこそサマになる。
シンディの人間性が起こした小さな奇蹟、なのかもしれませんね。
それにしても、こういうトラブル時に、自分のパワーで
皆に何をしてやれるのかをちゃんと理解していて、
それをしっかり実行できる人。
それこそがスーパースターと呼べる人物なのでしょうね。
お届けしたのは1983年、
全米2位のヒット曲「ハイスクールはダンステリア」でした。