1月10日(木)の名盤は…
今日は1980年代中期から後期に大ブームとなった、
ブリティッシュ・ホワイト・ソウルについて紹介しました。
これは、本来アメリカの黒人のものであるソウル・ミュージックの要素を
大胆に取り入れたイギリス白人による音楽です。
まぁ、もともと白人ロックは黒人音楽の影響を受け続けて進化してきた
歴史がありますが、この時代の動きは「影響を受けた」という程度ではなく、
ある意味で模倣とも言えるぐらい、そのまんまストレートにソウル音楽へ
アプローチしたものが一気に登場し、それぞれにヒットしたのです。
それはなぜか?と言うと…
イギリスでは1970年代末にパンクの嵐が巻き起こり、
続くニュー・ウェイヴの波が、1980年代前半まで続きます。
これらは暴力的だったり、無機質で冷たかったり、混沌としていたり、
あまり明るいものではありませんでした。
5年以上続いた、そういった音楽シーンに疲れた人たちが、
ソウル・ミュージックのぬくもりや、ポジティヴさに癒しを求めた、
というのが真相ではないでしょうか。
きっかけは1982年~83年にヒットしたカルチャー・クラブとワム!ですが、
あんなに黒っぽかったにも関わらず、彼らはアイドルの側面もあったため、
音楽的に深く取りざたされることは少なかったのです。
スタイル・カウンシル、ブロウ・モンキーズ、シンプリー・レッド、ワーキング・ウィーク、
そしてスウィング・アウト・シスターなどが揃った1986年から87年が
ブームの頂点だったと思われます。
まったくの新人もいましたが、それらの多くはパンク、ニュー・ウェイヴからの
転向組だったことも面白いですね。
聴き手だけでなく、演奏側も疲れていたんでしょうね。
今日は日本で特に人気の高いこの人たち「スウィング・アウト・シスター」の
1986年の大ヒットナンバー「ブレイクアウト」をお送りしました。
ちなみに彼らも硬派なニュー・ウェイヴからの転向組です。