8月28日(木)の名盤は…
来週からは新学期も始まります。夏が暑ければ暑かったほど、
楽しければ楽しかったほど、なーんか物悲しさを感じる時期ですが、
そんな夏休み最後のこのコーナーでご紹介するのは、
クリス・レインボーという人です。クリス・レアではありません。
このクリス・レインボーは、1975年から79年の間に
3枚のアルバムを発表していますが、ほとんど売れていません。
ヒット曲もありません。
日本では1993年にCD化されるまではレコードが出ていませんでした。
ただ、アラン・パーソンズ・プロジェクトでリード歌手を務めているため、
知らないうちに声を聴いたことがある人は多いかもしれませんね。
スコットランド出身ながら、ビーチ・ボーイズ・フリークで、
3枚のソロ作ではその影響を“一人多重コーラス”で再現しています。
本家のビーチ・ボーイズと言えば夏の代名詞ですが、
真夏の楽しさとともに夏の終わりの寂しさもたくさん楽曲にしています。
その部分を特に拡大解釈して、
イギリスならではの湿り気をさらに加えたのが、
このクリス・レインボーと言えるかもしれません。
今でこそ再評価され、フォロワーも多数存在する
ビーチ・ボーイズのこの側面ですが、70年代半ばは、
一番人気が低迷した時期。そんな時にこれをやっていたので、
売れなかったのも当然なのでしょうが、
見方を変えれば15年早過ぎたとも言えます。
今日お送りしたのは、「イズ・ザ・サマー・リアリー・オーヴァー」という
曲ですが、終わりゆく夏のせつなさが溢れた名盤です。