11月13日の名盤は…
今日は「ゴールデン・カップス」を紹介しました。
今週の月曜日、悲しいニュースが飛び込んできました。
ゴールデン・カップスのリーダーで、
ボーカリストのデイヴ平尾さんが病気の為、亡くなりました。
去年亡くなられた鈴木ヒロミツさんに続いて、
追悼という形でしかご紹介できないのが残念ですが、
本来は、もっと早く取り上げるべき、
日本音楽界に輝く巨匠だったと言っても過言ではない、
そんな方だったんですね。
ゴールデン・カップスこそが、現在まで脈々と続く日本のロック音楽の源流、
創始者であったと言えるでしょう。
もちろん、それ以前にもロカビリーやウエスタンの人達は
いたわけですが、ビートルズ以降のいわゆるロック・バンドを
日本に取り入れた最初がグループ・サウンズ、いわゆるGSです。
ですが、当時は日本全体がまだロックを分かっていませんでしたし、
そもそも活動の場がなかったので、
歌謡曲のフィールドに押し込められていました。
タイガース、スパイダース、ワイルド・ワンズなどなど。
すべて出発点はビートルズのようなロックンロールだったのに、
デビューすると、職業作曲家の手による歌謡曲チックな楽曲を
あてがわれてしまったんですね。
カップスも例にもれず、
ヒット曲の「長い髪の少女」、「いとしのジザベル」などはすべてそうです。
しかし、当時、本物の不良だった彼らが
それで満足するはずはありません。アルバムでは洋楽ばかりで、
ライブでもヒット曲はほとんどやらずにやはり洋楽ばかり。
独自の解釈と卓越した演奏力による洋楽カバー。
これこそが日本のロックの第一歩だったのです。
他のGSが後にみんな芸能界に転向したのに対し、
カップスのメンバーは全員音楽に残り、進化していきました。
日本のロックの一番最初にゴールデン・カップスがいたんですね。