企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は手帳のトップメーカー
「ダイゴー株式会社」のヒミツに迫ります。
Q会社概要を教えて下さい。
ダイゴー株式会社は1945年に創業69年の
歴史と伝統を持つ、手帳を中心とした紙製品のメーカーです。
本社は大阪市。
ダイアリー手帳を初め家計簿、
日記、ノートなど多くの店頭展開品を生産販売しています。
ダイアリーの保有アイテムは全国でも1、2位を争う、
高品質と使いやすいレイアウトを
メインコンセプトにかかげているメーカーです。
お話を伺ったのは、ダイゴー株式会社製品
事業本部企画開発室リーダーの
鞍留佳代子さんです。
Q「ダイゴー」という社名の由来を教えて下さい。
昭和19年4月に井上写真台紙製造所他
3社が合併して大阪合同紙工(株)を設立。
昭和20年にダイゴー商標をもとに事業を開始。
昭和36年にダイゴー商標の定着化に伴い
社名をダイゴー株式会社に改称。
大阪合同紙工でダイとゴウをとって
ダイゴウ(ダイゴー)となる。
Q「ダイゴー」の商品で最もヒットした商品は、
なんですか?その商品は、いつごろ、
どんなきっかけで開発されたものですか?
累計でどのくらい売れていますか?
1970年の万国博覧会で発売した
「万博手帳」が単一品としては社史上NO.1であります。
1種で100万冊を超えるミリオン・セラーでした。
当時を語れる社員もほとんどいないほど
月日が流れておりますが幸いか製品の保管品は
今も健在でございます。
パビリオンの主だった国の内容や概観を
イラスト化して思い出を記録に残すような商品でした。
ダイゴー製品の主製品であり、
発売以来もう60年以上経過しております
ロングセラーのダイアリー
「アポイントダイアリー」がNO.1製品でございます。
累計では2億冊を超えるものと思われます。
発売当時はプロミスダイアリーと言う呼称で
販売しておりましたが、ブランド名を
「アポイントダイアリー」と改名しております。
初期段階では数種類のアイテムから生産販売をし
毎年毎年、販売店を増やしながら顧客の声を
聞きながら地道な販売活動に勤しんで参りました。
小さな声でもいい案であれば製品に取り入れていく。
また、翌年に改廃を繰り返していく。
この繰り返しを何十年と実行してまいりました。
手帳はリピート購入率の高い商品であります。
固定顧客を大事にしながらも毎年ご迷惑をかけない
程度に少しずつ進化させていくことを実践して
参りました。
その積み重ねの結果、アポイントダイアリーも
90種類を超える商品となって参りました。
最近では女性ユーザーも増え、その要望に応えるために
300種以上のアイテム抱えるまでに至っております。
女性モノはビジネス系と違って毎年デザインを
変化させても時代の感性に適合していれば
お買い求め頂けます。
ビジネスについては変えるとお叱りを受けますが
進化させていかないと年々販売数が鈍化して参ります。
ビジネスダイアリーは継続しながら
発展させていくことの難しさを痛感いたしております。
まずはサイズ、レイアウト次に売価、
次いで質感の優先順位でお買い求められています。
手帳の基本性能としては小さく嵩張らず、
いわゆるコンパクトで且つ書き込みやすいが
最大の求められる要素であります。
コンパクトでありながら沢山書きたいとか
矛盾した要求も多々あります。
これらの要求を最大限生かすためはどうしても
アイテムが広がざるを得なくなってしまいます。
特に小さいサイズは売価も大きさに見合う
安価な定価設定にしなくてはならなく採算効率の
芳しくないものであります。
このコンパクト分野はダイゴーの牙城といっても
過言ではありません。生産機能を持たないOEMメーカー
(業界ではマンションメーカーと呼んでいる)では
この領域に入れずであります。
よって少し大きいサイズで売価の高く設定
できそうなものをデザインを駆使して製品化するしか
術はないです。
ダイゴーの優位性はコンパクトサイズから
大きなサイズまで豊富なサイズと
豊富なレイアウトと過剰なまでに追求続けてきた
品質に支えられて手帳トップメーカーとして
君臨させていただいております。
Qその商品の開発のポイントは?
販売データ分析により、売れ筋製品を徹底的に分析し
要望(サイズ、レイアウト、罫線の幅、
付録)を店頭ヒアリングやホームページに寄せられた
意見等を検討し、毎年少しづつ進化させて行く。
大きくフォーマットを変えると固定客に
ご迷惑をかけてしまいますので慎重に少しずつ
変化させて行きます。書きやすさを考えた罫線の幅、
見易さを考えた印刷の刷り色、小さなことをこつこつと
積み重ねていくことがもビジネスダイアリーに
とって最も大事なことであります。
ビジネスダイアリーはレイアウトやサイズ、
書きやすさ
(開いた時に180度フラットに開閉できる)
所謂、機能面が最優先されます。加えて、
毎年変わらず販売されている継続瀬が大事であります。
毎年販売されている安心感が極めて大事なことであります。
継続と進化がビジネスダイアリーの基本であります。
これらの本文中紙の基本性能に加え、
時代にマッチングした流行の色を取り入れた表紙の
開発やロゴをデザイン化したものなど、
ビジュアル的にも工夫を重ねて購買動機を高められる
よう努力をしています。
客層や年齢等を苦慮しデザインも
シンプルなものから大胆なものまで多岐にわたって
おります。手帳もアパレルに似た部分があり、
おしゃれさも重要なファクターとなっています。
同じレイアウト(機能)であっても表紙デザインで
大きく売上は異なります。
特にカジュアル層
(若い方用のデザイン性の高いおしゃれなもの)は
デザイン勝負的な部分も
あります。基本性能(本文中紙のレイアウト、使い安さ、
紙質、開閉等の品質)に加え、表紙デザインを
十二分に手を尽くし最後に納得のいく価格であることが
売れ行きを左右します。
優先順位はあるもののトータルバランスが大事だ
と考えています。
Q「ダイゴー」では、さまざま手帳を販売していますが、
特徴のある商品などいくつかご紹介ください。
ハンディ^ピックと言う呼称の発売以来35年
継続販売している製品があります。
この製品の特徴は薄くて嵩張らずにの基本性能に加え、
多種多様なリフィルの中から好きなレイアウトを
選択していただき、別売りの豊富な表紙から選択を
してもらいリフィルを差し込んでいただく
多機能な商品であります。
リフィルは基本2冊セットアップして
頂ける仕様ですがハイパーホルダーを使用すれば
最大マックス4冊までリフィル装着が
可能であります。名刺入れや付箋など紙製品以外の
手帳関連ツールも豊富に揃っており、
薄くて嵩張らずに且つ多機能が
この一冊で可能になります。
ダイゴー製品の中でも人気の高い製品群であります。
表紙カバーは数年使用できリフィルは豊富な
レイアウト(18種類)、付箋、カード入れ等
10種類のハンディーピック用ツールもあり
必要な時に必要なリフィル、
必要なツールを繰り返し
使っていただけるエコ商品です。
サイズもビッグサイズ、
スモールサイズの2種あり、好きなサイズ、
好きなリフィル、好きなツールを自由に
組み合わせてもらいお気に入りの
オリジナル手帳が作れます。
しかもエコで経済的で嵩張らずにシンプルで
かっこいい商品です。
Qこの季節、来年の「手帳」や「日記」などを
選ぶ人が多いと思いますが、
どんな点に注意して選んだらいいのか?
プロのアドバイスがあればお願いします。
まずは書き込みたい情報量を想定します。
①管理したい期間を想定
(1週間単位、2週間単位、月間単位、1日単位)
②自身の文字の大きさや安さをイメージしてサイズを選定
③②の管理したい単位に応じたレイアウトを探す
④④気に入ったレイアウトに時間
(30~1時間、何時~何時ま時間が必要か)
管理の不・必要を決定する
⑤レイアウト、サイズ、時間軸など基本性能が
定まったらそれをベースに気に入ったデザインや
表紙の質感などを選択し、予算に応じて決定してください。
⑥性能としては180度開閉した時に
スーッと容易に開くものが書きやすくて
丈夫でそれを採択し、糸で製品しているものを
選んでもらえればと思います。
丈夫で1年間、頻繁に開閉しても耐えうる構造に
なっています。
⑦紙は好みもありますが薄すぎると
文字の裏抜けが気になることがあります。
筆記具との合性もありますので一概にこれが良いとは
決め付けにくいですが油性マジック系統は
手帳やノートには適さないです。
(ダイゴーの用紙は万年筆で書いていただいても
裏写りしない基準で対応をさせて頂いております)。
どの筆記具で書かれるかは個々人で分かりかねますが
裏写りしにくいものを選択することをお勧めします。
⑧後は表紙デザインや付加機能
(ポケットやペン刺し、名詞が入るもの)を
好みに応じて選択して頂ければと思います。
⑩スピンは2本あるものを選択されることを
お勧めします。
月間マンスリーと週間部分の異なった
二つの予定表をさっとめくれ便利です。
Qそのほか「ダイゴー」」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
25年ほど前になりますが
ダイゴーはファッション金封の開発の先駆者でありました。
金封と言えば白い紙に赤と白の水引がかかったもので
日本の伝統的な面持ちを持ち、シンプルで
どのメーカーも殆ど変わらぬデザインでありました。
お祝いの時に使うための伝統的なツールであります。
祝いをする額面に応じてサイズの大小を決める
程度の選択でありました。そこにはデザイン
うんぬんは微塵もなく事務的な雰囲気を
感じさせるだけのものでありました。
そうした殺伐とした金封に革新的なデザインを
施したのがダイゴーでした。
手帳専門メーカーが違う分野の製品に
革命をもたらしたのであります。
それまでには考えも及ばなかった金封に
思い切った斬新なデザインを施し、
伝統的な和の面持ちを保持しながらも
京都の和のイメージを感じ取りながらも
近代的な和のデザインを組合せしたような
新たなるデザイン領域を創造しました。
発売するや否や各方面で話題を振りまき、
瞬く間に金封がおしゃれなツールに
大変身を致しました。
お値段も150円や200円位が相場だったものが
デザインと水引を豪華絢爛に施しをし極めて
高級なイメージを醸し出し価格も150円から
一気に500円から800円くらいになりました。
高額品にも関わらず、凄まじい勢いで
拡販が進んでいきました。
生産はダイゴーは持ち合わせがなく
外策で生産委託して企画、販売をしておりました。
これまで地味だった金封業界に対し一気に
売価アップの市場を提供したのはダイゴーであります。
いまや、当たり前のように見ているおしゃれな
ファッション金封はダイゴーから生まれたもので
ありました。
業界に大きく貢献した立役者だと思っていますが
いまやその歴史は誰も知らないことだと思います。
今は企画、販売はしておりません。
Qそのほか、オススメのサービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
手書きの予定がデータ化できるIPhone専用のアプリで
グーグルカレンダー、サイボウズのカレンダーに
読み込みできる画期的なダイアリーを発売。
発売して2年が経過しています。
アナログの良さとデジタルの良さが融合された
商品として認知度も高まってきております。
さっと開ければさっと見れる、さっと書き込むことが
可能なアナログ商品の良さとデジタルの便利さが
ひとつになった話題の商品です。
今日お話を伺ったのは、ダイゴー株式会社製品
事業本部企画開発室リーダーの
鞍留佳代子さんでした。
ありがとうございました。
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