企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「リンテック株式会社」のヒミツに迫ります。
「リンテック株式会社」は1934年に設立された、
東京都板橋区に本社を置く、
粘着関連製品の総合メーカーです。
シール・ラベル用の粘着紙・粘着フィルムをはじめ、
建物や自動車の窓ガラスに貼ることで、
さまざまな機能性を発揮するウインドーフィルム、
看板や内装などに使われる粘着シート、
半導体チップの製造工程で重要な役割を担っている粘着テープ、
特殊紙と呼ばれるさまざまな機能を持った紙など、
多岐にわたる製品を展開しています。
お話を伺ったのは、リンテック株式会社
広報・IR室の野中千嘉さんです。
Q1「リンテック」という社名の由来を教えてください。
融合を意味する“リンケージ”と“テクノロジー”から、
リンテックという社名になりました。
当社は1990年4月に3つのメーカーが合併してできた会社です。
リンテックという社名には、人と人、技術と技術の融合を通じて
新たな価値を生み出していこうという社員の思いが込められています。
Q2「リンテック」の歴史の中でもっとも印象的な出来事は何ですか?
1990年4月の3社合併によりリンテック株式会社としてスタートしたことです。
さきほどもご紹介しましたとおり、当社はFSK株式会社と
四国製紙株式会社、創研化工株式会社の3つのメーカーが
合併してできた会社です。
FSKは、シールやラベル素材などの粘着製品を製造していました。
四国製紙は社名のとおり、木材パルプと呼ばれるものから
紙を製造しており、主にさまざまな機能を持った特殊紙をつくっていました。
実は、FSKに対しては、シールやラベルなどの粘着製品の裏側に
台紙として貼り合わされている剥離紙を販売していました。
創研化工は、FSKと同業の粘着素材メーカーです。
この3社が合併したことにより、粘着製品だけではなく
特殊紙や剥離紙などの分野にまで事業領域を広げ、
同時に粘着製品の川上から川下に至る一貫生産体制を整えました。
このことは、粘着製品をつくるうえでの当社の大きな強みです。
Q3「リンテック」は、どんなイメージの会社を目指しているのですか?
「Linking your dreams」を企業ブランドスローガンにしています。
実は、粘着製品というのはさまざまなところでモノとモノを
貼り合わせるために使われています。
このブランドスローガンには「たくさんの夢を独自の技術で
つなぎ合わせてカタチにしていこう」という思いが込められています。
当社では、この“独自の技術力”を生かした高付加価値製品の
開発を目指しています。
【貼り合わせる技術が生かされている製品の例】
スマートフォンなどに搭載されているタッチパネルは、
何枚ものフィルムやガラスが貼り合わされてつくられています。
これらの部材を貼り合わせるために、
当社の特殊粘着シートが使われています。
当社では、建物や自動車の窓ガラス全面に貼ることで、
ガラスが割れた際の破片の飛散・落下を防いだり、
紫外線をカットしたりすることができるウインドーフィルムも
開発しています。窓を通しての景観や明るさはそのままに、
暑さの原因となる熱エネルギーだけを大幅にカットすることが
できる製品もあります。
これから暑くなる夏に向けて、注目を集めている製品です。
Q4「リンテック」は、さまざま技術でわたしたちの生活に
貢献しているそうですが、街でよくみかける路面サインも
「リンテック」が作っているそうですね。
この路面サインについて詳細を教えてください。
歩行者通路や駐輪禁止などの案内や警告標示をするために
使われている路面サインは、道路にペンキで描いていると
思っている方もいるかもしれませんが、
実は最近は、“大きなステッカー”のような粘着シートを
道路に貼りつけています。
この路面用粘着シートは、無地の粘着シートに文字や
マークをデジタルプリントしており、さまざまなデザインを
フルカラーで出力することができます。
また、屋外での使用に耐えられるよう、
ラミネートフィルムと呼ばれる透明のフィルムを
上から貼り合わせて、印刷した面を保護しています。
Q5上記商品の開発ポイントがあれば教えてください。
屋外のアスファルトやコンクリートなどに路面用粘着シートを
貼る場合は、風雨にさらされても剥がれることのない
強い粘着力や凹凸面への追従性、人の通行量の多い場所でも
使用できるような耐久性が求められます。
当社ではこれらの要求性能をクリアするため、
金属層を持たせた粘着シートを使用し、
シート表面には凹凸面への追従性と強度に優れた
ラミネートフィルムを貼り合わせています。
また、使用する粘着剤も貼られる環境に合わせて
きめ細かな設計を行っています。
さらに、表面は滑りにくさにも配慮した安全設計となっています。
駅のホームや商業施設などで、ぜひ足元に注目してみてください。
Q6そのほか、オススメの商品、サービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
食品や化粧品、日用品のパッケージに貼られているラベルや
キャラクターシールなど、皆さんの身近なところで
当社の粘着紙・粘着フィルムは使われています。
シールやラベルは、一見どれも同じように思えますが、
貼られるものの材質や形状、使われる環境などに応じて
きめ細かな製品設計が必要です。
例えば、家電製品や自動車のエンジンルームなどに貼られている
警告・銘板ラベルは、簡単に剥がれないことはもちろん、
使用環境によっては耐熱性や耐水性などが求められます。
店頭で商品を目立たせることを目的として、
シャンプーボトルやヘアケア用品などに貼られている
アイキャッチラベルには、店頭ではきちんと貼られていて、
お客様が実際に商品を使用するときには、
ラベルを剥がしたところがベタベタせず、
きれいに剥がせる性能が求められます。
携帯用ウエットティッシュの蓋として使われるラベルは、
何度も貼ったり剥がしたりできることが重要です。
さらに、アルコールなどへの耐薬品性や、
映画館などの静かな場所でも周囲を気にせず使えるよう、
スムーズかつ静かに剥がせる特性も求められます。
当社では、しっかりと貼ることができる粘着剤だけでなく、
きれいに剥がしやすいあるいは、何度も貼ったり剥がしたりできる
粘着剤も開発し、用途に応じて使い分けています。
ラベルを剥がすと文字が現れ、開封されたことが
一目で分かるセキュリティー性を持ったラベル素材も開発しています。
ラベルの貼り替えや改ざんを防止する目的で使用されています。
当社では、高い機能性を付与した特殊紙も開発しています。
油や水分の染み出しを防ぐ耐油紙は、コンビニや
ファストフード店などで販売されているフライドチキンや
ポテトフライの包み紙として多く使われています。
持ったときに手に油がつきにくいことはもちろん、
通気性が高いことから、包んだ後も中の食品が蒸れにくく、
揚げ物などの“できたてのおいしさ”を長く保つことができます。
水にぬれても破れにくい耐洗紙は、クリーニングに出した
衣類につけられる紙のタグとして使われています。
実は、クリーニングに出した衣類は一着一着を識別するために
紙のタグを付けて、そのまま一緒に洗われています。
この紙は丈夫で耐水性に優れていて、
クリーニング洗剤などによる色落ちで、衣類を汚す心配もありません。
このほかにも、当社では豊富な色数の色画用紙もつくっています。
リンテックという社名は、普段は表に出ることは少ないのですが、
皆さんの身近なところで当社の製品や技術は活躍しています。
特設ウェブサイト「DREAM FACTORY」では、
これまでにご紹介したさまざまな製品をイラストや写真、
動画などを使って分かりやすく解説しています。
当社研究員の開発ストーリーなど、
コンテンツが満載ですのでぜひご覧ください。
「リンテック」で検索し、当社のオフィシャルサイトから
アクセスしてください!
▼特設ウェブサイト「DREAM FACTORY」
-----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓