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2012年12月

12月13日(木)の魔法のことば

今日はラジオネーム:ガナッシュさんが

       出会ったヘンリー・フォードの魔法のことば。

「結果が分からなくても、やってみることです。

    そうすれば結果は勝手に出るのですから。

「NPO法人就労特化型支援団トリニティ」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」

1月31日までの10回にわたって、

スペシャル・バージョンでお送りしています。

題して「会社のヒミツ・NPOスペシャル~新しい公共~」

あなたは、「新しい公共」という言葉をご存知ですか?

子育て、環境、まちづくりなどの、わたし達の身近な分野で、

市民、NPOや企業などの様々な団体が

地域の問題に取り組んだり

住民のニーズに合ったサービスを提供するなど、

皆で支えあう仕組みを作っていくことです。

この時間はそのような「新しい公共」を知ってもらうために

その担い手として活動しているNPO法人をご紹介していきます。

3回目の今日は「NPO法人就労特化型支援団トリニティ」

蓑田 志津子さんにお話をうかがいました。

Q ご出演頂く方のお名前、所属を教えて下さい。

氏  名 : 蓑田 志津子

組織名 : NPO法人就労特化型支援団トリニティ     所属 : 理事長

Q 組織の基本情報を教えて下さい。

住所:熊本県上益城郡御船町辺田見361-4 
                               
スタッフ:6名

電話番号:096-282-6035 

URL:http://npo-trinity.jp

Q 組織の活動目的を教えてください。

私たちトリニティは、発達障害やアスペルガーと言われる

「自閉症スペクトラム障がい」を持つ方を支援する団体です。

NPO法人就労特化型支援団トリニティの『トリニティ』とは、『三位一体』の意味です。

この「三位」は、特別な支援の必要な方を中心に、

「保護者」・「支援者」と「専門機関」との協働、

そして、「就労」・「日常生活」と「余暇」のバランスを意味しています。

『特別な支援が必要な方が、社会の中でナチュラル・サポートを受けながら、

自分らしく、自立した暮らしを送れること』を私たちトリニティは目指していきます。

Q 「自閉症スペクトラム障がい」について、具体的に説明をお願いします。

「自閉症スペクトラム障害」とは、発達障害や自閉症、高機能自閉症、

アスペルガー症候群などをいいます。

中には知的を伴う方もいらっしゃいますが、そうでない方も多いです。

現在は、生まれつきの脳の機能障害と言われています。

以前は、「子供のしつけの問題」と言われて母親がとても苦しんでいました。

特性としては、人とコミュニケーションをするのが苦手だとか、

こだわりが強いだとか。

聞くよりも見た方が理解しやすいので、視覚支援が効果的です。

またとても記憶力が良い方が多いです。

彼らは環境が整えばたくさんのことを学ぶことができます。

Q このNPOは、いつごろどんなきっかけで結成されたものですか?

発達障害や自閉症は、見えない障害と言われ

「わがまま」「怠けている」と誤解されることが多いです。

子供のしつけが悪いと周囲から非難され辛い思いをしている保護者もいます。

発達に偏りがある彼らは環境を整えてあげれば学ぶことができるのです。

ですが、現状は教育機関や福祉の支援者の方々も、

発達障害や自閉症の支援の方法を知らない方が多く、

当事者の方や保護者は辛い思いをされている方もいます。

私たちは、彼らの特性に合わせた支援と自立、

そして発達障害・自閉症を十分に理解して支援できる『支援者』を

育成することを目的に、昨年2011年12月8日に事業を開始しました。

Q 具体的にどんな活動をして、どんな実績をあげていますか?

事業としては、「児童デイ」と「訪問支援」、「就労移行支援」の事業をしています。

児童デイは、 幼児さんから高校生までが対象となります。

主に身辺の自立や社会的なルールやマナー、コミュニケーションを

それぞれの特性に合わせた支援をしています。

就労移行支援は、就労を目指している方を対象としています。

生活リズム・身辺自立を整えながら、就労技術として、

デスクワークやパソコンの技術習得を目指しています。

対象ソフトは、Microsoft Word Excel Powerpoint Access と

Adobe社のPhotoshop Illustrator Dreamweaver など幅広く扱っています。

また、家庭での支援の方法として、保護者の勉強会も開いています。

なるべく、お父さんも参加していただけるようにお願いしています。

保護者の中には、自分の子供とどのように係わったらよいのか

解らない方が多いようです。

まずは、自分のお子さんの特性を知ること、そのための面談もご希望時に持っています。

私たちスタッフは、発達障害・自閉症スペクトラム障がいの支援を研修を受け、

常に新しい情報、支援方法を学んでおります。

また、トリニティの三位一体の一つの専門家として、

ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン(株)ジェネラル・ディレクターの

今本繁先生をお迎えしています。

当事者の方をいろんな角度からとらえため、情報共有として、

学校や病院、他の支援施設などと連携しています。

Q 活動を通じて、どんな点が苦労していますか?

一人の当事者の方に対して、様々な機関と連携を取り、

特性を理解しながら支援をしていくには、とても人手が足りません。

となると、利用者の方の人数を制限することになるという、経営難でしょうか。

Q 人手が足りないということですが、一般の方が参加できるボランティア活動などはありますか?

自閉症スペクトラム障害のことを理解できている人でないと

支援が難しいと思いますので、基本的に、研修を受けたスタッフが

支援をしています。

なので、ボランティアの方の参加は難しいかもしれません。

ですが、自閉症スペクトラム障害の方を支援したい!というスタッフは随時募集しています。

Q これまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。

私たちが療育している児童デイには上手く言葉を話せない子供たちもいます。

そんな子供たちのコミュニケーションツールとして

絵カードによるコミュニケーション・Pecs(ぺクス)があります。

話すことは苦手でも、彼らの内面にはたくさんの言葉があり、

それを伝えるために絵や写真のカードを見せて教えてくれます。

子供の特性に合わせてサイズや、絵にするのか写真にするのか決めていくので、

膨大な数のカードが必要になります。

就労移行支援の利用者の方に、指先の訓練として、

その絵カードを作ってもらっています。

就労移行支援の方も、自分の作った絵カードが子供たちの役に立っていると解ると、

自分のやっている事の意味が理解できるとモチベーションも上がり、

労働に対する考え方も少しずつ変わってきているような気がします。

熊本では、珍しい組み合わせの「多機能型」の施設ですが、

思わぬ相乗効果にスタッフも喜んでいます。

Q 今後の夢などがあれば、お願いします。

発達障害や自閉症スペクトラム障がいの方々の障害特性を

広く理解して欲しいことと、障害を持った方とそうでない方が共に暮らしていける

「共生」できる社会ができたらと思います。

また、障害を持った親が安心して子供を任せられるような施設・支援を目指しています。

Q 最後に一言お願いします。

発達障害・自閉症スペクトラム障害というと、

有名な方で、ビル・ゲイツ、スティーブン・スピルバーグ、キム・ピーク、

学習障害では、トム・クルーズ、オーランド・ブルームなどがカミングアウトしています。

彼らは素晴らしい才能を持っていますが、生き辛さ(困難さ)も併せ持っています。

私たちが支援している利用者の方もそれぞれ、「生き辛さ」や特性による

「困難さ」があります。

彼らは独特の感性を持っていて、とてもユニークな存在です。

「個性の時代」とか「個性を大事に」と言われて久しいですが、

「人と違うこと」を私たちが受け入れるのを戸惑っているように感じます。

「私」と「あなた」は違うけれど、その違いを認め合って共生できる

社会を作れていけたらなぁと思います。

 

 

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12月12日(水)の魔法のことば

今日はラジオネーム:岡田さんが

  マンガ「MASTER キートン」の中で出会った魔法のことば。

人間はどんなところでも学ぶことができる。

    知りたいという心さえあれば。」

「フライパン蒸し焼きやさいとゆずポン酢」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「やさしいごはん」

おいしい食べ物は人を元気にします。

おいしいものをおいしい季節に食べたいですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このコーナー『やさしいごはん』では

毎回、季節にぴったりの食に関する話題をお届けしていきます。

毎月、第2水曜日に登場するのは、

季節の野菜を中心に、手作りのおいしいごはんをデリバリーするサービス

『移動台所・茶豆』の小島まきさんです。

~~~~~~~~~今日のオススメレシピ~~~~~~~~~

今日は旬の野菜を使った「フライパン蒸し焼きやさいとゆずポン酢」

作り方をご紹介しました。

今回は、かぶ、人参、ブロッコリーの3種類を使いますが、

お好きな野菜を使ってみてください。

かぶにはビタミンCや消化酵素が含まれ、ブロッコリーには食物繊維から

ビタミン類、ミネラルなどが豊富です。

また、人参に含まれるβカロテン(ビタミンA)は、皮膚や粘膜を正常に保ち、

外部からの細菌やウィルスの侵入を防ぐ効能があります。

これらの野菜をたくさん食べて、師走の乾燥した空気から身を守ってください。

それから鍋の季節でもありますので、今回作るゆずポン酢をぜひご家庭で

応用していただきたいと思います。

【材料】4~5人分

かぶ 500g  人参 200g  ブロッコリー 250g

小ゆず 250g  本みりん 大さじ3

塩 小さじ1/4  濃い口しょうゆ 大さじ2

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【作り方】

かぶ、人参、ブロッコリーは洗ってざるに上げ、水気を切っておく。

かぶは2~3㎝厚さのくし型切りにしておきます。

人参は1㎝厚さの輪切りにしておきます。

それから、ブロッコリーは食べやすい大きさに小分けにしておきます。

大きめのフライパンにアルミホイルを二枚ずらして重ね、

まず人参を敷き詰めます。

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その上にかぶを並べ、ブロッコリーを一番上に並べてアルミホイルを閉じます。

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しっかりと蓋をして中火にかけ、5分加熱します。

それから弱火にしてさらに5分蒸し煮にします。

野菜が煮えているか確認して火からおろします。

次にゆずポン酢の作り方を説明します。

小鍋にみりんを入れ、火にかけてアルコール分を飛ばします。

アルコール臭がしなくなったら塩を加え、煮溶かします。

火からおろし、粗熱を取っておきます。

小ゆずは半分に切って果汁を搾り、茶こしなどで種を除いておきます。

冷ましたみりんにゆずの果汁と濃い口しょうゆを良く混ぜます。

以上でゆずポン酢の出来上がりです。

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蒸しあがった野菜をゆずポン酢で召し上がってください。

豚肉のスライスなどをブロッコリーの上に載せて一緒に蒸しあげてもおいしいです。

    

 

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12月11日(火)の魔法のことば

今日はラジオネーム:サトルさんが

  「FMKパンゲア!」の中で出会った黒木よしひろの魔法のことば。

情熱だけは持ち続けて下さい。

  情熱に年齢は関係ありませんから。」

「フランケンウィニー」

今日ご紹介したのは、今週土曜日・12月15日から公開される

「フランケンウィニー」です。

この映画「フランケンウィニー」は、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や

「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるヒットメーカー、

ティム・バートン監督の最新作です。

この監督の特徴は、なんといってもカラフルなビジュアル・イメージです。

SFXを駆使した壮大な世界とそこで生きる不思議な登場人物たち。

まさに映画でしか出会えないマジックがたっぷりつまった作品を作る監督です。

前作の「ダーク・シャドウ」や「アリス・イン・ワンダーランド」は、

そんなティム・バートン監督の最も得意なジャンルの映画だったと言えるでしょう。

うって変わって今回の「フランケンウィニー」は、もっと個人的な思い入れで作られた作品。

それはとっても優しくて感動的な作品に仕上がりました。

そのストーリーは・・・、

科学と映画作りが大好きな少年ヴィクターは、ある日愛犬スパーキーを

交通事故で亡くしてしまいます。

悲しみにくれるヴィクターでしたが、学校の理科の実験をヒントに、

スパーキーをよみがえらせることに成功!

しかしそれが街の人々に知られてしまい、大騒動になっていきます。

実はこの映画、ティム・バートン監督が、ディズニースタジオでアニメーターとして

働いていた1984年、30分の短編実写映画として作ったものがもとになっているんです。

これがプロデューサーの目に留まり、長編映画「ピーウィーの大冒険」の監督に

抜擢されたという、まさにティム・バートン監督のキャリアのスタートとなった、

記念すべき作品なんですね。

28年ぶりに長編映画としてよみがえった今回は、当時は実現できなかった

ストップモーション・アニメとして製作。

パペットを少しずつ動かしながらの撮影には、2年以上かかったといいます。

しかも今回全編を「モノクロで3D映画」という古い映画の手法と

最新技術ハイブリッドという新しい映画として仕上げています。

ティム・バートン監督は内気であまり友達のいない少年時代を過ごしたそうで、

テレビで観る昔の怪奇映画と飼っている犬が一番の友達だったそうです。

そう思いながらこの映画を見ると、「フランケンシュタイン」のように

愛犬スパーキーを蘇らせるヴィクター少年は、

ティム・バートン監督自身のことなんだなぁ・・・とわかってきます。

クライマックスでは、ある「奇跡的な展開」が待っているのですが、

これは是非劇場で確認してほしいですね。

涙を拭くハンカチをお忘れなく!

映画的な背景や技術的なことはいくらでも語れるこの映画ですが、

決して難しい内容ではなく、単純に誰もが楽しめるエンターテイメント作品です。

特にスパーキーの可愛さには、犬好きでなくてもメロメロになること請け合いですよ。

ちょっと怖くて不思議な、ティム・バートンのエッセンスがギュッとつまった1作!

ぜひスクリーンでお楽しみください!

今日ご紹介した映画「フランケンウィニー」は、

■TOHOシネマズ 光の森

■TOHOシネマズ はません

■TOHOシネマズ 宇城

■シネプレックス熊本

■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、今週土曜日・12月15日から公開されます。

(「フランケンウィニー」オフィシャルサイト http://www.disney.co.jp/movies/frankenweenie/

 

      

 

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12月10日(月)の魔法のことば

今日はラジオネーム:タケシさんが出会った

   京都大学 山中伸弥の魔法のことば。

研究も人生もマラソンと同じ。

 勝てなくても最後まで走り抜かなければならない。」

熊本大学・秋元和實准教授を迎えて

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。

3ヶ月間にわたってスペシャル企画でお届けしています。

題して「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ 熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」

毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、さまざまなジャンルの研究テーマについて

お話をうかがっています。

第6回目の講師は、熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター秋元和實准教授です。

「海洋環境学・海洋地質学」について詳しく伺いました。

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Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。

名前:秋元和實

所属:熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター

プロフィール

1989年1月25日 東北大学大学院理学研究科地学専攻博士課程後期課程修了 (理学博士)

1990年4月1日 名古屋自由学院短期大学講師

1994年4月1日 名古屋自由学院短期大学助教授

1998年10月1日 熊本大学理学部講師

2001年4月1日 熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター助教授

2007年4月1日 熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター准教授

現在に至る

Q② 秋元先生の専門である「海洋環境学・海洋地質学」とは、

 どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。

地球表面の70%を海洋が占めています。

水深は11000mに達し、熱帯から極地域までの温度差があり、

温度、塩分、酸素濃度、pHの違いにより多様な環境が形成されています。

海洋環境学は海洋が有する多様な環境を調査研究する学問で、

海洋学、地球物理学、地球科学、生物学などの諸分野と関連を持つ総合科学です。

私は、沿岸域の環境再生に向けて、顕微鏡で鑑定するような小さな化石と

最新の年代測定法を用いて、年単位の環境変化を捉えて、

環境悪化が始まった年代と場所を明らかにしています。

さらに、津波被害のリスクが高い沿岸域の防災・減災対策強化に向けて、

東日本大震災の被災地で、世界最先端の水中ロボットや

音響解析システムを用いて海中や海底を詳細に観察して、

地形・底質に関する情報を収集し、復興事業への情報提供とともに

基礎資料を整備しています。

これは、熊本大学と国立大学協会の共催事業として、実施しています。

Q③ 秋元先生がこの研究に取り組むことになった

 「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。

大学で地学を選んだきっかけは、小学校6年生の野外実習で、

小さな2枚貝の化石を採集したこと。

中学3年生の時に開催されていた「日本列島展」で、多様な化石の美しさに惹かれて。

大学で化石を勉強するきっかけは、入学試験の身体検査で色覚異常が見つかり、

理学部の岩石学の顕微鏡実習でも多色性のある造岩鉱物の鑑定ができなかったため、

化石は形で鑑定するのでハンデキャップにならないため。

原生生物の化石を研究するきっかけは、卒業論文で貝化石を研究しようと

思っていたが、卒論指導の先生からセンスがないといわれたから。

別のテーマを探すことになり、高校の地学部で、何気なく顕微鏡で覗いた

「星の砂」の仲間である有孔虫の造形的美しさが心に残っていたから。

中途半端はいやだから、日本で最も原生生物の化石を研究している

東北大学の博士課程に編入した。

海の研究をするきっかけは、博士論文で日本列島に伊豆半島などが衝突して

現在の地形が形成している過程を復元する時に、

深海に生息する有孔虫の分布のデータがなかったため。

そのとき、熱水、冷水、超深海などの極限環境に生息する有孔虫も研究するようになった。

浅海の研究をするきっかけは、沿岸域環境科学教育研究センターで、

有明海・八代海を対象に環境を扱うようになったため。

現在行っている音響解析システムとロボットで海の環境を調査するきっかけは、

生物の多様性を研究する上で、海の環境は複雑であり、

3次元空間で連続した環境情報を短時間で取得することが必要なため。

Q④ 「海洋環境学・海洋地質学」の学問的にみると、

 「熊本県」とはどういう特徴がある地域ですか?

東シナ海は、1.8万年前以降に海水面が上昇して、現在に至っています。

この結果、ムツゴロウなど国内では希少ですが、中国沿岸と共通性が高い生物が、

有明海と八代海に生息しています。

また、6mに達する干満差と全国の干潟面積の半分を占める

広大な泥干潟が分布します。

大きな干満差と広大な泥干潟は、日本では独特ですが、

世界ではオランダやカナダにもあります。

さらに、閉鎖性の強い有明海と八代海の沿岸には、

多くの人が生活しています。

海の自然環境に対する陸域の社会活動の影響評価は、

世界的に注目を浴びつつあります。

陸域と海域の環境が相互に影響し、

世界と共通の自然環境を有する有明海や八代海は、

ユニークな研究が可能な海といえます。

Q⑤ これから、海と人間の関係は、どんな風になっていくのでしょうか?

 また、どんな風になればいいとお考えですか?

日本は海に囲まれ、多くの人は沿岸に生活しています。

南北に延びる日本列島の沿岸を黒潮と親潮が分布し、

気候は亜熱帯から亜寒帯に及びます。

多様な海洋環境が、日本各地にある様々な魚料理を育んできました。

食文化にかぎらず、各地の気候や風土は海の影響を受けています。

日本は海の恩恵を受けていますが、海について教育する機会は極めて限られています。

海洋について教育する機会が増え、海を身近に感じる社会、

海洋研究の重要性が理解される社会になることを希望しています。

Q⑥ これまでの活動を通じて、最も印象深いエピソードをお願いします。

東北の漁民の我慢強さと写真の価値

気仙沼湾の養殖施設も津波で壊滅したが、流された部材を回収して、

さらにペットボトルなどを利用して、ワカメや牡蛎の養殖を再開したこと。

また、津波で800隻以上の船が被災し、使用できる船が40隻しか残らなかった。

漁民のみなさんが1隻の船を時間で分けて養殖作業をしている状況にもかかわらず、

災害調査のために漁場監視船を長期間使用させていただいたこと。

気仙沼水産試験場はホヤの養殖再開に向けて種になる野生のホヤを探していた。

4月下旬にロボット調査で群れをなす野生のホヤの映像が得られたことで、

ホヤの生殖時期が冬季に限らないことが判明した。

私にとって何気ない1枚の写真が、養殖事業者にとって重要な事実を

含むことを教えられ、改めてロボット観測の重要性を認識した。

Q⑦ 最後に一言お願いします。

熊本大学は、国立大学の一員として多様な社会貢献をしています。

東日本大震災への対応としても、医療班の派遣や救援物資、

義援金の送付を行ったほか、熊本大学で行っている研究等の中から、

震災復興、日本再生のために貢献できる分野をとりまとめてリストを作成し、

ホームページで公開しております。

今回の震災後の調査は、災害復旧や環境再生のために調査研究が

必要となった自治体や漁業組合が本学のホームページを調べて、

学長に直接依頼があり、熊本大学と国立大学協会の共催事業として

実施しているものです。

来年度まで震災復興・日本再生事業として瓦礫の分布を調査しながら、

東北マリンサイエンス拠点形成事業(文部科学省補助事業、

代表機関:国立大学法人東京海洋大学産学・地域連携推進機構)において、

石油タンク等から流出して気仙沼湾に堆積している重油の除去事業を実施します。

また、有明海と八代海の環境調査も行っていきます。

有明海・八代海を含めて、日本の沿岸・浅海域では様々な環境問題や

海象災害が発生しています。

災害復旧や環境再生に向けた調査研究が必要な時は、ぜひ大学にご相談ください。

 

       

 

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12月6日(木)の魔法のことば

今日はラジオネーム:モンブランさんが出会った

   ワーグナーの魔法のことば。

仕事をする時は上機嫌でやれ。

 そうすれば仕事もはかどるし、体も疲れない。」

「NPO法人 みさと」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」

1月31日までの10回にわたって、

スペシャル・バージョンでお送りしています。

題して「会社のヒミツ・NPOスペシャル~新しい公共~」

あなたは、「新しい公共」という言葉をご存知ですか?

子育て、環境、まちづくりなどの、わたし達の身近な分野で、

市民、NPOや企業などの様々な団体が

地域の問題に取り組んだり

住民のニーズに合ったサービスを提供するなど、

皆で支えあう仕組みを作っていくことです。

この時間はそのような「新しい公共」を知ってもらうために

その担い手として活動しているNPO法人をご紹介していきます。

2回目の今日は「NPO法人みさと」赤迫正和さんにお話をうかがいました。

Q ご出演頂く方のお名前、所属を教えて下さい。

氏 名 :赤迫正和

組織名 :NPO法人 みさと  所属 : 事務局

Q 「NPO法人 みさと」の基本情報を教えて下さい。

事務所所在地 : 熊本県葦北郡芦北町大字天月1337-1

所属メンバー数: 18名

問合せ先 : 0966-84-0916

Q 組織の活動目的を教えてください。

少子高齢化と過疎化が進み、芦北町の山間地である大野地域において、

地域の活性化と地域の福祉力の向上に貢献することを目的に活動しています。

Q このNPOは、いつごろどんなきっかけで結成されたものですか?

最初は、「住み慣れた地域で暮らし続けたい」という高齢者の方達への

支援を会社法人による介護事業という形で9年前に始めましたが、

活動していく中で「介護サービスは在宅で暮らす方の生活を支える

一部でしかない。」ということを実感しました。

さらに「このままでは大野地域が衰退してしまう。

どうにかして大野地域を盛り上げていきたい。」と感じ、

平成21年に地域活性化と地域の福祉力向上を目的に

「NPO法人みさと」を立ち上げました。

実は、NPOを立ち上げる前から、世代間交流や勉強会などを

実施してはいたんですが、より活動を充実し、

広く地域に活動していきたいということで、NPOの法人をつくりました。

そして、運営については、地域の方々が利用される介護事業所の

売上金を地域還元という形で、NPOの運営費として賄ってもらい、

また介護事業所の職員がNPOのスタッフとして活動に取り組んでいます。

NPOと介護事業所の両柱をもって地域福祉の向上と

地域活性化を目指して活動をしていきます。

Q 具体的にどんな活動をして、どんな実績をあげていますか?

●活動内容

①地域の保育所や小学校、中学校と共同して、

 地域の高齢者の方と様々な世代間交流活動を実施しています。

 (七夕飾り付け交流、交流レクリエーション、中学校交流運動会、

 文化祭合同作品づくり、餅つき交流、中学校卒業式お祝い)

②地域の区長さんや民生児童委員さん、郵便局や駐在所、

 地域の企業、介護保険のケアマネジャーさん達と連携し、

 高齢者の見守り活動や子どもの防犯活動を実施しています。

③世代を越えた地域住民間の繋がりや地域における福祉力向上のために、

 大野地域福祉勉強会や大野地域交流グラウンド・ゴルフ大会を開催しています。

④最近では11月11日に住民の方の防災意識の向上と

 自主防災組織の立ち上げ支援を目的に、地域自主防災訓練を開催しました。

その他にも、子ども達に地域の伝統文化や歴史を伝えるために、

炭焼き体験活動や地域の方々と

「大野地域の伝統行事、伝統文化を語ろう会」という会をつくり、

地域の歴史や文化の掘り起こし活動を行っています。

今月(12月)には、中学生の炭焼き体験活動と餅つき交流を計画しており、

炭焼き体験活動は地域の高齢者やPTAにも協力していただき、

炭は販売し、その売上の半分はPTAの活動費として使っていただいています。

●成果・実績

活動を通じて、地域との繋がりができました。

私達の活動は、地域の方々の理解や協力があってからこそできる活動ですので、

それが何よりもの成果だと思います。

今では、地域の住民の方々は勿論、地域の企業等にも協賛していただくなど、

協力していただいています。

Q 活動を通じて、どんな点が苦労していますか?

苦労したことについては、活動を始めた頃に、地域の方に理解をしてもらうよう

努力したことが苦労、大変だったとのことです。

実際に、地域の方に活動の案内に向かったスタッフが泣いて帰ってきたことが

あったと聞きました。

ただ、今では否定的であった地域の方も理解していただき、

よき支援者として協力していただいています。

あとは、NPOの運営費について、現在は会社法人による介護事業の売上金で

何とか賄っていますが、本来であれば売上をスタッフのボーナスとしてまわした方が

良いかもしれません。

しかし、まずは地域に貢献していきたいという想いがあり、

他のスタッフも理解してもらっています。

今後も活動を継続していくためにも運営費の確保が今後の課題です。

Q これまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。

高齢者の見守り活動を実施している中で、今年の7月12日に熊本県内において

豪雨水害が発生しましたが、芦北町においても水害が発生し、

その日にヘルパーの訪問に向かっていたスタッフが高齢者夫婦宅の

すぐ横を流れる川が増水しているとの連絡が入り、すぐに見守り隊が向い、

緊急避難を行いました。そして避難した数分後に川が氾濫し、

その高齢者夫婦世帯の家が床上浸水になったとのことで、

見守り活動があったからこそ2人の命を救うことができたと思います。

実は、うちの事業所も床上60cm程、床上浸水の被害にあってしまったんですが・・・。

Q 今後の夢などがあれば、お願いします。

夢の一つとして、世代間交流で関わった子どもが、いつか高校の卒業や

成人式の報告に来てくれればいいなと楽しみにしています。

それと、今後としては、地域全体を一つの福祉施設として捉え、

安心で安全に暮らし続けることができる地域づくりに貢献していきたいと考えています。

そのためにも、より地域のニーズに応えられるように地域密着型の介護事業の展開と、

地域住民の方が気軽に集い、地域活性化の拠点となるような交流・活動場所を

つくっていきたいと考えています。

Q 最後に一言お願いします。

私達NPO法人みさとは、若い力で少しでも地域に貢献できる喜びを

感じながら活動をしています。

私達の活動を一人でも多くの方々にご理解していただけるようこれからも

がんばっていきますので、どうか宜しくお願いします。

 

       

 

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