11月8日の名盤は…
今日は黒人女性ボーカル・グループ「ポインター・シスターズ」を
紹介しました。グループ名の通り、カリフォルニア出身の、
ルース、アニータ、ボニー、ジューンのポインター四姉妹グループ。
両親が牧師という環境で、子どもの頃からゴスペルを歌っていましたが、
少しずつ世俗の歌も取り入れるようになり、1973年にアルバム・デビュー。
この当時の彼女たちは、ソウルだけでなく、
戦前のノスタルジックなスタンダード・ナンバーから
ブルース、さらにはジャズ風あり、カントリー調ありと、
様々な要素を混ぜ合わせた音楽性が特徴で、ヒット曲も多く出しましたが、
ある曲はポップ・チャートで、別の曲はソウル・チャートでヒットし、
さらには別の曲で、黒人として初めてグラミー賞のカントリー部門を
獲得してしまうなど、ある意味ではつかみどころのない、
どっちつかずのイメージが強かったのも事実です。
そんな時、三女のボニーがソロとして独立してしまいます。
残された3人は引退も考えましたが、
大物白人プロデューサー、リチャード・ペリーが新会社を設立。
その第一弾アーティストとして彼女たちを迎え入れたのです。
ペリー曰く「黒人音楽とロックの架け橋になるようなものを作るには、
彼女たちが最適」ということで、吹っ切れた彼女たちは、
サウンド的にはよりロック色を強め、
歌はゴスペル出身らしいソウル色を全開にして、
それまでありそうでなかった独自の音楽を作り出し、
4人組だった時よりもはるかに大きなスケールの成功を手にしました。
今日紹介する曲は、1981年にブラック・チャートで7位、
ポップ・チャートで2位を記録し、ミリオン・セラーになった大ヒット曲。
このチャートのバランスこそが、
彼女たちとペリーが目指したものに他ならないものなのでしょう。